カマスってどんな魚?
サンマよりも一足早く秋の訪れを伝える魚として古くから日本人に食用として親しまれてきた魚です。最近では季節になると魚屋でも見かけるようになしました。ここではカマスの生態や種類について解説していきます。広く知られていない部分も多いので必見です。
カマスの生態・特徴
暖かい海域を好み、国内では主に関東以南の海に生息していることが多い魚です。20種ほどいるとされ、群れを成し、活発に泳ぎ回りながら生活しています。鋭い口と歯からも想像できるように気性は荒く、肉食です。
アカカマスとヤマトカマスの違い
国内ではこの2種が主に流通していますが、代表的なのはアカカマスの方で別名「本カマス」とも呼ばれます。一方でアカカマスの方は「水カマス」とも呼ばれ名前の通り水っぽい身が特徴で干物など加工されることが多い種です。両者はヒレの位置や色で見分けることができます。アカカマスの方が若干黄色味が見られます。
刺身にするならアカカマス
魚屋や寿司店など、鮮魚として卸されているのはアカカマスの方が圧倒的に多いのが現状です。これはヤマトカマスに比べて刺身を含め食味が良いとされているためです。値段も安定して高値で取引されることが多く、今や高級魚といっても過言ではありません。
オニカマスとは?
カマスの中でもっとも大きい種類で釣り人の間ではゲーム性も高いことから人気のある魚です。体長は180センチ近くにもなり強い引きを楽しむことができます。がしかし、シガテラ毒という麻痺の症状を引き起こす毒を有しており、食用が禁止されています。
カマスの旬はいつ?
焼いて食べられることが多い魚ですが鮮度が良ければ刺身でもおいしい魚です。旬に入れば活きのいいものを入手できる機会が増えるのでぜひ試してみてください。ここではいつ頃から手に入りやすくなるのかなど食べ頃の時期について解説します。
カマスの旬は秋
通年水揚げはされていますが、秋を伝える魚というだけあってお分かりの通り秋に旬を迎えます。さらに細かくいうとサンマが安値で出始めるより少し前の季節から初冬にかけてがもっともおいしい時期になります。もちろん釣ることも可能です。その方法についてはこちらを読んでみてください。
カマスの旬の味
秋口から初冬にかけて脂ののりが良くなり、もっともそのおいしさを楽しめる季節と言えます。水分の多い身質から刺身よりも焼きが合う魚とされていますが、最近では刺身のおいしさも広く認められつつあります。ぜひ旬の時期に焼きだけではなく刺身で食べてみることもおすすめします。
実はうまいカマスの刺身
「水っぽくて食べられない」「独特のクセがある」と認識されてしまい刺身には適さない魚として定着してしまいましたが、近年は上品な身質から多くの料理店で刺身として供されており、肝心のおいしさもお墨付きです。安定的な高値取引はその証拠とも言えます。
では一体なぜそのような評価がつけられてしまったのでしょう。これには国内流通で主流なもう一方のヤマトカマスを刺身で食べた可能性が高いと言えます。こちらは水分量がアカカマスよりも多いので刺身には適しておらず今や干物などに加工されて販売されることが多いのが実情です。
おいしいカマスの見分け方①鮮度
どちらかというと刺身になっているよりも一匹丸ごと売られていることの多い魚です。特にシーズンになると多くの鮮魚店で見かけることができ購入の機会も増えてきます。せっかく買うのなら鮮度の良いものを買いたいもの。ここでは鮮度の見分け方について簡単なところから紹介していきます。
まずはカマスの「目」をチェック
これはどの魚にも言えることなのですが、まずは目の状態に注目してみましょう。目が赤く充血して濁っているものは鮮度が落ちている証拠です。なるべく澄んでいて透明感の強いものを選ぶようにしてください。
カマスのエラが赤いものを
触らないことにはチェックできないのですが、もしパックされていないものであれば次にエラを見てみましょう。赤色が黒ずんでいればいるほど時間の経過を表しています。鮮やかな紅色が鮮度良好のしるしです。さらにツヤもあればいうことありません。
カマスに張りとツヤがあるものを
最後に全体をチェックしてみましょう。ポイントとなるのは「胴の丸み」と「ツヤ」、そして「ウロコがしっかり残っているもの」の3つです。もし触れられる場合は軽く胴体を指で押してみて張りも確認してみましょう。極端にブヨブヨになっている場合は避けるようにします。
おいしいカマスの見分け方②種類
国内では「ヤマトカマス」と「アカカマス」の2種が多く獲れますが店頭に並ぶ際は分けられることはなく、「カマス」として陳列されていることがほとんどです。ではどのように両者を見分ければいいのでしょうか。ここではその見分けるポイントを解説します。釣った際にも判断できるのでぜひチェックしてみましょう。
カマスのヒレに注目しよう
一見ほとんど同じような大きさと色、顔つきをしているので見分けるのが困難に思われがちですが背ビレと腹ビレの位置を見れば一発でどちらかを判断することが可能です。ヤマトカマスは二つのヒレが同じ位置にあるのに対して、アカカカマスは腹ビレが背ビレよりも前についています。
カマスの捌き方
旬であれば是非とも刺身で食べてもらいたいものですが、それには捌くという作業が必要になる場合が多いです。中には手数料を払えば刺身用にもしてくれる魚屋もあります。がしかし、捌ければ刺身以外にも調理の幅を広げることも可能です。動画付きで紹介するので挑戦してみてください。
カマスの捌き方:手順①ウロコを落とす
細かいウロコがぎっしりついているので入念に落とします。ウロコ取り専用の道具を用いても構いませんが、無い場合は包丁の刃を尾から頭にかけてこするだけでも取ることが可能です。最後に水で洗い流し水気を拭き取ります。
カマスの捌き方:手順②頭と内臓の処理
左に頭がくるようにして置き、胸ビレの右すぐ傍から刃を入れ頭を落とします。中骨がそこまで太くないので一気に断ち切ることが可能です。次に肛門に刃先を当てて、切断面へ向けて腹を割きます。手、もしくは包丁で内臓をかき出し流水で腹の中を洗います。最後に水気を拭き取りましょう。
カマスの捌き方:手順③おろす(上身編)
頭を左側にくるように置き、まず尾の付け根に切り込みを入れます。半転させ尾が左、腹が下になるように置き、中骨の上に刃を入れてそのまま切り下げていきます。「中骨の上を滑らせるように」意識することが大切です。
カマスの捌き方:手順④おろす(下身編)
上身をおろした時と進め方は同じで、尾の付け根に切り込みを入れるところから始めます。その後、背が下にくるように置き、先ほどと同じように中骨のすぐ上を包丁を滑らせるようにして切り下げていきます。しっかり包丁を滑らせることができていると中骨の部位は透けるように薄く仕上がります。
カマスの捌き方:手順⑤骨と皮を処理する
血合い骨という身の中心にある骨を指で撫でながら場所を確認し、骨抜きを使って一本残らず抜いていきます。次に腹骨の先端に逆さ包丁を入れ浮かせたら、その間に刃を入れ薄く剥ぐようにそぎ取ります。