塩焼きだけではない!カマスは刺身もうまい!炙りや旬、捌き方まで!

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皮引きは尾ビレ側の皮の先端を少し剥いたら、その端を左手でつまみ、皮と身の間に刃先を入れてまな板の上を滑らせるように数回左右に振りながら刃先を進めていきます。包丁は固定させるイメージで行いましょう。

カマスの捌き方を動画で見てみよう

3枚おろしのやり方はいくつかありますが、取り扱う魚の個体の大きさや使う包丁の種類、慣れ具合によって進め方が変わります。例えば個体が大きい場合はおろす際に少しずつ刃を入れていく方法を用いることもあります。一方で今回のように個体が小さい場合は一気におろす方法がほとんどです。では動画で確認してみましょう。

カマスの刺身の作り方

刺身の作り方は先ほど紹介した3枚におろす方法を参考にしてください。骨の処理と皮引きまで済ませましょう。その後はは刺身用に切るのみとなります。厚さは赤身の魚と違い、薄造りの方が適しています。身が柔らかいので引き切りで切りましょう。

カマスの刺身の作り方を動画で見てみよう

以下に捌くところから刺身になるまでの一連の工程を紹介している動画を掲載しました。こちらの動画ではウロコ取りを流水に当てながら行なっています。少しでも口に入ると残念な思いをするのでウロコはしっかり洗い流しましょう。

 

カマスの刺身:炙り(焼き霜造り)の作り方

一般的に焼き魚でおいしいとされる魚は刺身の際に皮なしよりも皮付きがうまいと評判がいいとされています。カマスも同じように皮付きでの評価が高い魚です。ジュワッとした脂と皮の香ばしさがクセになります。ここでは火で皮面を炙る焼き霜造りの作り方を紹介します。

カマスの炙り刺身の作り方:手順①3枚におろす

出典:PhotoAC

まずは基本の3枚おろしから始めます。身が繊細なので中骨に身がついてしまわないように集中して捌きましょう。最後の処理は腹骨と小骨までで、皮引きは行いません。皮付きのまま3枚におろしたら一先ず完成となります。

カマスの炙り刺身の作り方:手順②紙塩でおいしさアップ

次に皮面をトーチバーナーで炙るのが一般的ですがもう一手間加えたい人は紙塩をします。これは身から余分な水分や臭みを取りつつ身を締まらせる効果と軽く塩味を入れる目的を持った和食の技法です。

本来は霧吹きで湿らせた和紙を使うのですがない場合はキッチンペーパーでも代用できます。濡らした紙を皮面を上にした身に被せ、その上から塩をします。できる限り細かい塩を使います。塩の量は身の重量の0.8%ほど。冷蔵庫で1時間ほど寝かせましょう。

カマスの炙り刺身の作り方:手順③炙り

皮面に向けバーナーで炙っていきます。必ず金網やアルミホイルなどに身を乗せてから炙るようにしましょう。先に切ってから炙る方法もありますが基本的には切る前に炙るのが一般的な方法です。わずかに焦げ目がつくまで炙ります。

満遍なく全体に熱を加えたらあとは刺身用に切り分けていきます。引き切りが基本になりますが、面倒な時は一口大にぶつ切りにしてしまっても構いません。切る際は必ず皮面が下の状態でするようにします。

カマスの炙り刺身の作り方を動画でチェック!

炙りまでの工程を詳しく紹介している動画があるので参考にしてください。特に炙る加減が掴みやすいのでそこの部分だけでもチェックしてみましょう。なお、動画のように炙りはレモンを絞って食べるのもおすすめです。

カマスの刺身:湯引きの作り方

炙りと同じく皮面に熱を加えていただく刺身の食べ方です。湯引きの場合は皮を焼かないので香ばしさはないですが、炙った際にできる焼き目がない分だけ純粋に魚の味を味うことができます。では湯引きの方法を紹介します。

カマスの湯引き刺身の作り方:手順①3枚おろし

炙りの時と同じように3枚におろして、骨のみを処理します。皮引きは行わず残したままで結構です。口に入れた時に骨があたることのないよう、特に小骨の処理は骨抜きピンセットを用いて入念に行いましょう。

カマスの湯引き刺身の作り方:手順②湯をかける

炙りと同じく湯をかける前に余裕のある人は紙塩をして冷蔵庫で少し寝かせましょう。やり方は炙りの方法手順②を参考にしてください。湯引きには身に熱湯が入らないようにするためにガーゼ布かキッチンペーパーを使用します。熱湯は90度ほどのものを用意します。

その後、皮面を上にした身に布を覆いかけ熱湯を静かにかけていきます。皮の端がめくり上がりますが問題ありません。全体にしっかりかかったらすぐに布を外し、余計な熱が入らないようにすぐに氷水に入れて熱を取り除くようにしましょう。

カマスの湯引き刺身の作り方:手順③水気を拭き取る

氷水からあげた身をキッチンペーパーでしっかりと水気を拭き取ります。次に刺身用に切り分ければ完成です。氷水で急冷することによって凝縮された旨味を味わうことのできます。なお、こちらはポン酢との相性も良いのでぜひ試してみてください。

カマスの刺身に寄生虫はいるの?

特有の寄生虫はいませんが、よく耳にするアニサキスについては無いとは言い切れません。寄生している可能性は十分に考えられます。内臓に寄生するので、手に入れたら素早く内臓を取り出すこと、生食の場合は注視すること、よく噛んで食べることをこころがけましょう。

カマスの刺身のアレンジレシピも見てみよう

刺身でもっと他の食べ方は無いの?という人のためにいくつかのアレンジレシピを紹介します。使用する調味料や食材がより一層身の味わいを引き立てて味わい深いものにしてくれます。しかもどれも「寝かせる」が基本なのでそこまで手間もかからないのも魅力的です。

カマスの刺身のレシピ①:昆布じめ

出典:PhotoAC

今や普通に知られている昆布じめですが発祥は富山県の郷土料理です。主に淡白な白身に対して施される料理法になります。昆布で挟んだ状態で一晩寝かせることにより身は引き締まり、さらに昆布の風味や旨味が身にも浸透することで醤油なしでもおいしく食べられます。

材料

  • カマスの身
  • 昆布 適量

料理レシピ

  1. カマスは3枚におろし、皮と骨の処理まで行います
  2. ザルなど底に穴のある場所に身を広げ薄く塩を振ります
  3. 1時間ほど寝かせます
  4. 表面に出た水分をしっかり拭き取ります
  5. 昆布の表面を布巾などで拭きます
  6. バッドや皿に昆布を引き、その上に身を置いたら、さらに1枚、昆布を被せます
  7. ラップをして冷蔵庫で一晩寝かせます

調理のポイント

皮付きで食べる場合はそのままの状態で締めても大丈夫ですが、締めた後に皮を引くのは困難なので気をつけるようにしましょう。身から糸を引くことがありますが、ほとんどの場合は昆布の成分で腐敗ではありません。ただ心配な時は匂いを嗅いで確認してみてください。

カマスの刺身レシピ②:酢じめ

出典:PhotoAC

主に鯖に用いられる料理法です。酢締めにすることで旨味をぎゅっと閉じ込めた締まりのいい質感の身を楽しめるとともに、口の中に広がる酢の爽やかさが印象的な一品になります。また本来の刺身よりも日持ちするので少しでも長持ちさせたいときにも適したアレンジです。

材料

  • カマスの切り身

料理レシピ

  1. 切り身に塩を振って30分から1時間寝かせます
  2. 身の表面に浮いた水分をきっちり拭き取ります
  3. バッドに切り身を並べ酢を入れたら1時間ほど置きます

調理のポイント

酢で締める時間が長ければ長いほど中にも浸透していきます。酢の風味だけを付け、中をレアの状態で食べたい場合は漬ける時間は10分程度でも構いません。酢は米酢を使いますが、酸味が強すぎるのが苦手な人は少し砂糖を混ぜて甘酢にして漬けるといいでしょう。

カマスを干物でも楽しもう

出典:PhotoAC

刺身だけでは食べきれないという時は干物にしてみるのはいかがでしょう。元は焼き魚としての評価が高かっただけにその味が確かです。旨味が熟成される干物は焼いた時の香りも格別!ふっくらとした食感、濃厚な白身も味わえ白飯にも良く合います。では干物の加工方法を見ていきましょう。

カマスを干物用に捌く

干物用に捌く際は3枚おろしではなく「片袖開き」と言って背の方からのみ切り込みを入れて開く方法をとります。主に干物として加工する際の捌き方なので聞き慣れない人も多いかもしれませんが工程は3枚おろしよりも少なく簡単です。いかに手順を紹介します。

カマスの片袖開きの方法:手順①

ウロコの処理をしたのち、頭を左にくるように置いて、エラに沿うようにして中骨にあたるところまで切れ込みを入れます。次に背ビレの際を目印にして中骨の位置まで切り開きにします。包丁を逆さ包丁にして腹骨と中骨のくっついている部分を切り離します。最後に尻ビレの部分を切り開いたら片袖開きの状態になります。

カマスの片袖開きの方法:手順②

エラや内臓を取り除きます。血合いや腹幕は流水で洗い流します。この際、歯ブラシがあると便利です。なお、見栄えを気にしなければ頭は最初の段階で切り落としてしまっても構いません。以上で捌く作業は終了となります。動画もあるのでこちらも確認してみてください。

カマスの干物のレシピ

ではここからは干物の作り方について解説します。カマスは身が薄い魚なので一夜干しなど干す時間はそこまで長くなくても大丈夫です。もっとも重要なのは干す前に塩水に漬けるその塩分濃度。干す環境も大切ですが塩は味の決め手となるので、しっかり計量して調理するようにしましょう。

材料

  • 片袖開きのカマス

作り方

  1. 片袖開きにします
  2. 塩分濃度8%の塩水を作ります
  3. 塩水に魚を30分漬けます。
  4. しっかり水気を拭き取ります
  5. 冷蔵庫で一晩寝かせます
  6. 風通しが良いところに干します

作り方のポイント

塩水から上げる際の一つの目安として魚の目の色を観察しましょう。目が白く変化すると塩が入った目印となります。干す時間帯は日中でも夜でも構いません。日中であれば5時間〜8時間程度、一夜干しなら夕方〜朝が目安です。なお、季節や天気によっても微妙に変わります。また雨の日はもちろん適しません。

カマスの刺身を楽しもう!

昔から「カマスの焼き食い一升飯」という言葉があるくらい評判の高かった魚ですが、鮮度の良いものが手に入る時代になり生食でのおいしさも認められるようになりました。ぜひレシピを参考にしてその確かな味を楽しんでください。また他の調理法については似た形と身質のサヨリを参考にどうぞ。特に骨センベイはカマスでも絶品です。

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