トライポフォビアとは何か?
「トライポフォビア」という言葉があります。小さな丸い形がたくさんある絵や写真などを見てしまうとゾッとするような気持ち悪さや恐れを抱いてしまうといった状態のことを指して使う言葉です。どういったことが問題なのかご紹介します。
小さい穴の集合体・斑点への恐怖を抱く症状
小さい穴や同じような形が集まっている部分を見かけた時に気分が悪くなったりした方はいないでしょうか。斑点を見ていても平気だという方はそうである可能性は低いといえます。しかし、同じような形をしている物体の集まった箇所などに過剰に反応してしまうという方は確実にいらっしゃいます。
いわゆる「集合体恐怖症」
日本では「集合体恐怖症」や「斑点恐怖症」とも呼ばれている症状です。病気というよりは心理的な作用が強いようにも感じる問題ですが、小さな丸いブツブツとしたかたまりを見ていると気分が悪くなってしまうという方は可能性が疑われます。
病気として存在しているものではない
細かい斑点の集まりなどを見た時に、サーっと血の気が引くような気持ちになることがあるでしょうか。このような気持ちになることは病気というわけではなく、嫌悪する気もちから来ているのではないかという説もあります。あくまでも「恐怖症」ですので病気のくくりには入らないと考えられているのではないでしょうか。
トライポフォビアの由来とは?
言葉の由来について詳しく知りたい方のために、どのような言葉から生まれたものなのかをご紹介します。また、どのような時期から使われはじめたのかなどもあわせて知っておく事で知識を深めることができるのではないでしょうか。
ギリシャ語を組み合わせた造語
言葉の由来として知られているのは、ギリシャ語の単語を組み合わせた造語であるという事です。トライポはギリシャ語で「穴掘り」または「穴」という意味を持っている単語で、フォビアは「恐怖症」という意味を持っています。フォビアはギリシャ語の「フォボス(恐怖)」を語源とした単語です。
~フォビアとは
「フォビア」という言葉は、さまざまな恐怖症を持っている人たちに対する名詞として用いられることが多く、トライポ以外の言葉にも付けられていますので、「フォビア」という言葉だけであれば、同じような言葉を聞いたことがある方も少なくはないでしょう。
2005年に命題された新しい言葉
アイルランド人の女性によって2005年に「トライポ」と「フォビア」という言葉を組み合わせて、心の内側の問題を表現するためにもちいられるようになった言葉とされています。造語としては新しい方の単語です。
トライポフォビアの人はどれくらいいる?
おなじ事で悩まされている人はたくさんいます。さまざまな恐怖症がある中で、小さな穴が集まっている箇所や点々などの塊に対してだけ感じてしまう人についてご紹介します。言葉についても知識を深めてみてください。
誰でも小さい穴の集合体への嫌悪感はある
日々の中で目にする事があるアイテムには、小さな点の集まった部分をもつアイテムがあります。じっと見てしまい、「ウっ」とした感じになるという事は少なからず誰でもあるでしょう。感じる方の程度にもよりますが、生活に支障をきたすような場合には、注意しなければいけません。
トライポフォビアに悩む人は約1割
悩まされている人は、人口の約1割程度だと考えられています。約1割程度といわれるとそれほど多くないように感じますが、何億という人が同じような問題で悩まされているという事です。ウっと思うだけならば、さほど問題にはなりませんが、身体などにあらわれる場合にはストレスなどにも気をつけなければいけなくなくなります。
男性よりも女性が多い
正しい数字というものは発表されておりませんが、男性よりも女性の方に、点々や小さい穴の塊を怖いと感じる人が多いといわれています。自分がどうかをチェックしてみたい方は、蓮の花托やハチの巣などの写真を使ってみてください。
トライポフォビアが恐れるものとは?
穴のかたまりを嫌う人が恐れているものとは一体なんなのでしょうか。さまざまな形や材質の違う物があり、どんなものにゾクッとさせられているのか、恐れている物として考えられる物をご紹介します。日頃から見かける事があるアイテムなどにも、サーっと血の気が引く事があれば、精神面でも辛いということがわかります。
①蓮の花托(蓮の実の穴)
ウっとなってしまう代表とされているのが「蓮の花托」です。蓮の花托自体は、普段から蓮の花を育てている方や植物園などといった専門的な場所でなければみかける事はありません。花托の部分の穴をじっと見ていると落ち着かない事もあるでしょう。
②ヒョウモンダコ
海生生物としては美しい模様をしているヒョウモンダコですが、タコの表面には丸い模様が集まっているように見えます。斑点模様をキレイと感じることができるのか、もしくは気持ち悪いと感じるのかによってそうであるのか違うのかが判断できます。
③蜂の巣
蜂は、六角形が集まって強度の高い巣を作っています。六角形だけで構成された蜂の巣は、普段外側からしかみることができません。蜂が駆除された後の蜂の巣は中の構造を知るために展示されていることがありますのでみかけて怖いと思ってしまう方もいらっしゃいます。
④スポンジの穴
日常の中で食器を洗ったりお風呂を洗ったりするときに使われているスポンジにも小さい無数の穴が開いています。スポンジの穴対して恐れを抱いてしまうことがあれば、日常生活面で支障をきたしていますので、可能性が高いです。
重症だと石鹸の泡やイチゴに恐怖を抱く!?
小さな点々のかたまりというものは、イチゴにも見ることができます。プツプツとした箇所に対して恐れを抱いてしまうといった場合には、トライポフォビアである可能性として考えなければいけません。
トライポフォビアの症状
一般にはどのような事が身体や心に現れたりするとトライポフォビアということになってしまうのでしょうか。イヤだと思う気分だけで身体の表にあらわれていない場合は、本格的に悩まずに済む可能性があります。
一般的にはかゆいと感じることが多い
点や穴の集まった部分を見た時にかゆみがたまたま出てしまったという可能性もありますが、トライポフォビアなのかどうかを確認するためには幾度か試す事も大切です。かゆみは程度によりますが、ひどい時には皮膚科に行くなどする必要があります。
蕁麻疹が出てくることもある
蕁麻疹として身体の表面に出てきてしまう場合もあります。蕁麻疹はちょっとした小さく赤いブツブツから、全身に細かくでてしまう赤いブツブツまでさまざまありますが、ひどくなるとかきむしったりしてしまい、皮膚へのダメージがひどくなってしまいますので気をつけなければいけません。
その蕁麻疹で恐怖のスパイラルに陥る
蕁麻疹が出てしまったのに、蕁麻疹のブツブツに対する怖さがこみあげてくるといった負のスパイラルに陥ってしまうことがあります。蕁麻疹を見てしまったせいで蕁麻疹になってしまわない様に、隠すなどしなければならなくなってしまうでしょう。