判っているのは惨殺現場だと多くが語っている場所です。実在の殺人容疑で捕らえられた男が幼女を殺害したのがこの場所だともささやかれていました。しかし、それはデマでした。実際の殺害、遺棄現場となったのが旧小峰トンネルでした。旧小峰トンネルでも女の子の霊の複数の目撃談があり、新聞にも載りましたから混同された可能性があります。
ただ彼がこのトンネルに来ていたのは事実だったようで、旧旧吹上トンネルの金網の破れは彼が空けたもので、犯行の発想はトンネルの中で思いついたということです。これは怪談の語り部として名の知れた人の話です。彼はステージでもこの話をします。
複数のエピソードがある
吹上トンネルの心霊現象には複数のエピソードがあります。それぞれのエピソードがどこかでシンクロしているのか、登場人物が重複しているように思えます。きっとどれかの話には真実が隠されています。
トンネルで殺害された女の子
旧旧トンネルの声の主である女の子は誰?もうひとつのうわさこそがトンネルの女の子泣き声の原因とも言われています。この廃屋は一家5人の惨殺の現場とされています。5人のうち4人が殺害され、ひとり外に逃げた娘がトンネルの中で追い詰められ殺害されたというものです。
居酒屋の経営者
かつてここは母と娘が営む居酒屋で経営者の女性と従業員がこの廃屋で殺害されたというものです。トンネルに出る女の霊はその時の犠牲者たちです。昭和33年のこととされています。殺されたのはママだけというパターンもあります。ドライブインとして登場することもあります。
老夫婦
古い話では戦争直後にここで暮らしていた老夫婦と二人の孫が斧で殺害された凄惨な事件があり、旧旧トンネルの霊はその被害者とも囁かれています。老婆と老人孫娘などの登場人物で、老夫婦だけだったり、バリエーションがたくさんあります。
白い服の霊
ある日テレビ局に、旧吹上トンネルで撮影された一枚の写真が届きました。白い服を着た女性の霊でした。取材班が深夜2時にトンネルに入り取材を開始しました。リポーターの女性がこの先に人の気配がするから進めないと断念しました。まだ入り口から少し進んだあたりです。
あとで確認するとリポーターが断念する直前に撮った写真にくっきりと霊の姿が映っていたのです。その画像はそのままお茶の間のテレビで放映されてしまったのです。廃屋の井戸に身を投げた女性だと言います。それ以来心霊スポットとして人が集まるようになりました。
赤い椅子
廃屋には印象的な赤い椅子が三脚ありました。ある日二脚になりました。椅子がひとつ無くなっただけで憶測が飛び交います。井戸や、汲み取り式のトイレもありました。今はすっかり整理された資材置き場になりましたが、そこはやはり最強スポット、夏ともなれば肝試しのグループ同士が、出会い頭に互いを霊だと悲鳴を上げて騒ぎます。
ここには浮遊霊がたくさんいます
幽霊にでくわさないまでも、この場所に足を踏み込むと、淀んだ空気に圧倒されるのです。その正体は多くの浮遊霊だと言われています。霊気があります。霊が集まる条件が重なっている場所ということです。
霊能者が霊視した結果は
吹上トンネルは都内屈指の心霊スポットです。訪れた霊能者は数知れず、かつてテレビに出ない日はないと言われた女性霊能者や、宮司さんも来ています。浮遊霊がたくさんいる。と口々に言います。土地の相がよくないとも言っていました。この土地の気は滞留していて、訪れた者に不幸が降りかかるのはそのためなんだそうです。
吹上トンネルに近い心霊スポット
吹上トンネルは青梅市にあります。この辺りには有名な心霊スポットが点在しています。マイナーなスポットを上げれば数知れずですが、今回は関東屈指の場所を紹介します。車なら一日で周れます。
八王子城跡
八王子城後は古くから心霊スポットとして、地元の人は近づきませんでした。戦国時代の小田原城の城攻めに当主と兵士が城を空けている隙に、秀吉の別動隊に攻め込まれ、女子供と農民が大量殺戮されました。刃物で自分を刺し川に身を投じた者もいます。
そのため川は真っ赤に染まり、城攻めにあった6月23日には、晴れているのににわかに雲が立ち込め、悲鳴や馬のいななきが聞こえたと古くからの書物で伝えられています。城後に立ち入ると、自然に慰霊碑の前にいたり、一面に死体が転がっているのを見てしまったり、血に染まった赤い川を見ることがあると言います。
多摩湖
東村山庭先ゃ多摩湖の多摩湖です。多摩湖の底にはダムに沈んだ村があります。場所はその南側、狭山丘陵の大筋端という地名の場所です。その山中に姨捨山がありました。僧侶が通りかかったところあまりに悲惨な状況を悲しみ、村人に供養を頼みました。行人塚という塚をたてて供養したと伝わります。
今では、水道用地のため塚には行けませんが、今でも残っているようです。その場所を通りかかると、老婆の姿を目撃したり、具合が悪くなり倒れ込む人が後を絶ちません。霊感がない人でも、陰鬱な空気は感じ取るそうです。
石神井公園
石神井公園は地元では昔から心霊スポットとして知らない者はいません。城が太田道灌との戦に敗れ陥落したときに、照姫がここの三宝池に身を投げました。池に女性の顔が浮かぶのは照姫ではないかと言います。石神井公園は心霊写真がよく映ります。動画にも上がっています。みな女性です。
心霊スポットでも入る場合には注意が必要
廃墟にも持ち主はいます。野原や山にも所有者がいます。許可なく入ると不法侵入になります。逮捕されることもありますからよく考えて分別ある行動をしてください。心霊スポットに立ち入るのは自己責任でお願いします。
許可なく入ると不法侵入
他人の敷地内に許可なく入るとそれだけで不法侵入です。廃屋でも所有者がいます。心霊的な理由から石は動かしても持ち帰ってもいけないと言います。信じていてもそうでなくても最低限の約束です。石には魂が宿るとも昔から伝えられています。
物を壊したり落書きしたりすると器物損壊
犯人が特定されれば逮捕されます。有刺鉄線を曲げても、記念の落書きも犯罪ですから、やめましょう。廃屋のカギを壊しても、床を踏み抜いても罪に問われます。記念の落書きもやめて下さい、封鎖されたら迷惑します。そこに暮らしている人がいます。
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吹上トンネルはデマも作入られるほどの恐怖感
旧旧吹上トンネルは隧道でした。灯りもなく真っ暗でトンネルの壁面はごつごつと岩や石がむき出しでした。天井からはぽたぽたと水滴が落ち、だれもいない暗いトンネルは幽かな影を壁面に映し出します。少し芽ばえた恐怖が足音と共に増幅されます。どこからか女の子の泣く声がします。振り返ると逆光の中に誰かいます。
あなたが見たものは本当ですか?と問われれば、すでに目のまえにはなにもなく、本当だとも、自分が作り出した幻覚だともいいにくいのです。でもあの時感じた恐怖とおぞましさは実際に体感したことに違いないのです。