キス釣りをしよう!
普段大物を釣っている人でも、夏に一度は会いたくなるサーフのプリンセス。釣って楽しく、見て美しく、食べて美味しい。ビギナーでもファミリーでも手軽に楽しめるキス釣り。時期や釣り方などを紹介します。これだけ知っておけばこの夏、きっとあなたはファースト・キスをゲットできます。
釣って面白いキス釣りの魅力
キス釣りの最大の感動は釣れた瞬間からの手応えにあります。普段大物を釣っている人でも必ず夏には味わいたい釣り心地。けっして強い感覚ではありません。あくまでも上品なキス独特のプルプルとした躍動感は、釣り人にとって一度味わえば忘れられないファースト・キス体験となるのです。
キスについて
褐色から白へのグラデーション。キスの色はそんな表現をされることが多いです。しかし、照りつける真夏の太陽の下できらめくその姿態を見たとき、その印象は変わります。ほんのり藍色やエメラルドグリーンがのったパールカラーに反射するウロコ。アースカラーの上品なドレスに宝石をちりばめた、浜辺のプリンセスと呼ぶに相応しい美しさです。
淡白で美味しい魚です
キスの天ぷらといえば、居酒屋などでも目にするキスの代表的な調理法方です。ふわっとしたクセのない白身は、揚げた手でいただくとさらに美味しい。ほかにも、みりん干しや佃煮などにもしても、サイズが大きければ刺身も美味しいです。数が釣れる魚なので、家族や仲間で一緒に食べることができます。
捌き方で食感も変わります
キスは小さい魚ですが、骨もあります。上手に捌けばふっくらした食感で美味しく食べられるのです。ではどんな捌き方があり、どこを注意して捌けばどんな料理に適した捌き方となるのでしょう。せっかく釣上げたキスですから、この際捌き方もしっかり覚えましょう。
ビギナーにおすすめのキス釣りは障害物が少ない浜辺
キス釣りは、砂浜、堤防、船で釣る方法があります。船がファミリーやビギナーにはちょっと腰が引けるのはおわかりいただけるでしょう。さらに、キス釣りは基本海底をずるずると引きずる釣りです。消波ブロックや海草など根が多い堤防よりも、障害物がない砂浜が釣りやすいでしょう。
実はほぼ年中釣れます
ほぼ日本全域で生息しているキス。シーズンは一般的には6月から8月。産卵前のバカ食いで岸に寄るらしいです。岸に1番近づくのは7月から8月で、ちょい投げで釣れるのはこの時期です。しかしこれも一般論。漁礁など産卵場所が近くにあれば、12月くらいまで釣れます。2019年期は暖冬のためか、2月から釣れているようです。
ハイシーズン以外は遠投です
上記の補足になります。よっぽど漁礁が近くにない限り、ハイシーズン以外は遠投しないとキスがいません。キス釣りを専門にやっている人は、150mくらいは投げます。中には200mをこえる人もいます。ちょい投げでキスにはまったら、道具さえ揃えれば難しい話ではないので、ぜひその世界も体験してみてください。
キスは雑食です
いろいろなものを食べるというのが専門書の見解です。しかし、釣りとしてはジャリメ(石ゴカイ、砂イソメ)が基本で、イソメ(青虫、青イソメ、朝鮮ゴカイ)やイワイソメ(マムシ、本虫、エムシ、ドロムシ)などを使います。後述しますが、地方によって同じエサでも呼び方が違うのはちょっと厄介です。
キス釣りの基本をご紹介
キス釣りは、基本さえわかっていればビギナーでも簡単にできます。では、どんな時期、どんなタックル(道具)を使ってどのようにすれば釣れるのでしょうか。さあ、これさえ押さえておけばファースト・キスもぐっと身近になるでしょう。
キス釣りの基本をご紹介:時期
キスは時期によって岸に寄ったり岸から離れていたりする魚です。今どこにいるのかをわかっていないと、無駄に遠くに投げていたり、もう少し投げれば釣れるのに、なんていうことも起こります。キスのいる場所を探し当てるためにも、まず基本を知っておきましょう。
キス釣りのベストな時期は春から夏
キス釣りにベストなシーズンは春から夏です。この時期に産卵前のバカ食いの時期に入るといわれています。しかし、春や夏の終わりになると、少し岸から遠い場所に離れるようです。その場合は遠投が必要です。一方でキスが居つく魚礁があると、少し時期が違っていてもちょい投げでも釣れています。
夏はたくさん釣れる
梅雨の中休みあたりから、盛夏。水温があがるこの時期がキス釣りのベストシーズンです。台風の影響の無いべたなぎの日は、特にいいです。海底の地形にもよりますが、キス釣りに慣れている人が投げている場所よりも、ちょい投げのほうがキスの群れになたることも多いのがこの時期です。
秋と冬は難しいが釣れる
ハイシーズンの後、キスは岸から離れて行きます。しかしつりにくくはなるものの、釣れる場所では釣れます。まずは魚礁のある場所を探すことです。身近な釣具屋や釣り人の情報は大きいです。キスが産卵する魚礁の周囲では、12月頃までキスがあがっているのです。
キス釣りの基本をご紹介:時間帯
魚は一般的に「朝まづめ、夕まづめ」に釣れやすいと言われています。また、海には潮の満ち引きがあります。そして、キスは海が穏やかな日がいい。つまり、タイドグラフと天気予報、波の高さを見ながら釣行を決めるとよいでしょう。
キスは日中に活動する魚
キスは日中でも釣れます。ただし、潮が止まっている間は釣れません。海の満ち引きを表したタイドグラフ(潮位表)を必ず見ましょう。基本、潮が満ちてきたときにキスの好きなゴカイ類が砂の中から顔をだし、引き潮がそれを岸から流しだすと考えられています。
キス釣りをするならマズメを狙おう!
魚の食いが立つまづめ時。キスについてもご他聞にもれません。大漁ゲットが期待できます。しかし、これもやはり波が穏やかで潮が流れていることが基本です。注意すべきは大潮の満ち潮です。潮が流れすぎて思わぬ高い波が押し寄せます。
キスの基本をご紹介:釣り方
キスを釣るにはどういったタックルが必要で、どんなポイントで、どのように釣れば良いのでしょうか。あなたのファースト・キスをゲットするために、ここでじっくりとご紹介していきたいと思います。
キスの釣り方①ちょい投げ釣り
まずは入門編としてちょい投げでキスを釣る方法について、タックルやポイント、誘いのアクションについて紹介して行くことにします。基本ちょい投げというのは、岸から大体50mより近いポイントで釣ることとします。
キスのちょい投げ釣り:タックル
キス釣りのちょい投げでは、いくつかのポイントを押さえてさえいれば、そんなに高価で複雑なものは必要ありません。まずはファースト・キスをゲットすることを目標としましょう。キス釣りの魅力に取り付かれた方は、ぜひ次のステップに進んでいただきたいと思います。
キスのちょい投げ釣りのロッド
ロッドは携帯性を重視するならば、振り出しの竿が手軽です。長めのほうが遠くまで飛ばすことができます。柔らかい竿だと投げにくい面があるため、最近ではシーバスロッドやロックフィッシュ、アジング用の竿を使用する人も多いです。硬めでもしっかりと手元にあたりが伝わります。もちろん最初は釣具屋の店頭にある廉価なセットでもOKです。
平継の長所
平継ロッドの場合、確かに携帯性は低いかもしれません。しかし、①腰が強いために遠投できること。②キス釣りは砂浜で行うため、ロッドに砂がついて、振り出しのほうが砂を噛みやすい。などの理由から平継の竿を使う人のほうが多いです。ちょい投げという気楽さからは振り出しのほうが便利ですが、ステップアップには必須アイテムです。
竿の違いによるオモリの表示方法
シマノのロッドは「23-390」とあれば、23号のオモリまで投げられる3m90cmのロッドの意味です。シマノならHXなあら15号、GXは20号、FXは23号、EXは25号 などと表記されます。ホリデースピン405EXTは、4m5cmで25号が投げられる振出ロッドという意味です。
ロッドのメンテは水洗い
特に振り出しロッドは、細かな砂がついていると傷付くし、場合によっては振り出せなくなるので、納竿時にはタオルなどてしっかり砂を払います。どちらも帰ったあとでしっかり水で流しましょう。
一緒に持っていきたいシマノのクーラーボックスに関する記事はこちら
キスのちょい投げ釣りのリール
ちょい投げ釣りでは、2500から3000番のリールがおススメです。ここで注意したいのは、ドラグの調整。キス釣りでは思わぬゲストがかかってきます。キスのタックルではきついマゴチもかかります。高級食材を逃さないため、またハリスを切られないためにもドラグがある程度調整できる機種が必要です。
ドラグ調整の方法
ドラグはリールのヘッドにあるつまみを回して調整します。時計周りにまわせば絞まり、逆は緩みます。要はラインが強く引かれたときに、糸が切れずに出るようにします。かといって緩め過ぎると巻く力が弱くなります。自分のラインに応じたドラグ設定することで、理屈の上ではラインは切れなくなります。もちろん使用後はしっかり水洗いします。
キスのちょい投げ釣りのライン
まずはリールに巻く道糸について。以前はナイロンしかなかったのですが、今はPEが主流です。ナイロンでは感度が悪いし、波や風で伸びてしまうからです。PEは4本拠りと8本拠りがあります。価格が違いますが、8本拠りのほうがトラブルが少なく丈夫です。
事故防止のために力糸をつけましょう
PEではこすれに弱い弱点があります。何度も投げるうちに天秤の金属とこすれ、あらぬ方向にオモリが飛んで周囲の人を大怪我をさせることにもなります。そこでPEの道糸の先に力糸を付けます。力糸はテーパー状で次第に太く作られています。1番細い部分を道糸に合わせ、例えば道糸に1号を巻いていれば1号から6号になる力糸を選びます。
ショックリーダーでも大丈夫
ルアー釣りのように、ナイロンやフロロカーボンのショックリーダーを道糸の先に結んでも大丈夫です。その場合、道糸のPEが1号ならば16lbなので、それ以上、20lb程度のショックリーダーを付けます。PEはナイロンの4倍(PE1号はナイロンの4号)の号数、ポンド数はほぼその4倍です。
キスのちょい投げ釣りの仕掛け
力糸の先にオモリの付いた方天秤を結び、その先にハリスを付ければ仕掛けは出来上がりです。天秤にはオモリが付いています。ご自分の竿に書いてあるオモリの重さを超えると竿が折れますので、注意しましょう。表示してあるオモリ以下ならば軽くても大丈夫なので、オモリをいくつか用意して、その日のポイントや波に合わせて選ぶようにします。
天秤
天秤にオモリをセットして売っているので、これが使いやすいです。根がかりしないように、またなるべく飛ぶように、と各製品特色を出しています。風や波、潮流の激しいとき、遠くまで飛ばしたいときほど重いオモリが必要です。