さんまをきれいに食べよう
旬のさんまは何で食べますか?刺身はもちろん炊き込みご飯、煮つけにもできて幅広い料理があります。その中で定番料理といえば塩焼きでしょう。細い見た目ながら、脂の乗ったふっくらジューシーな身が非常に食べ応えあり、噛むとさんまの旨みと甘み、ほどよい塩気が絶妙に合わさって口の中に広がり、秋のさんまを存分に楽しめる一品です。
さんまは食べるのが難しい?
一方で、一匹まるごと魚を食べることが少ない人にとって食べる難易度の高い魚といえます。実際に人前やお店で食べづらいと感じる人も多いそうです。また、食べ方で育ちがわかるとまでいわれることもあります。なぜ難しいのでしょうか。
骨を取るのに時間がかかる
さわらや鮭など骨が取られ切り身で出される魚が多い中、さんまは骨も頭も付いたまま焼かれることが多いです。大きな骨ならすぐとれますが、さんまの背骨は細かい上に多いです。すべて取ろうとすると時間がかかってしまうので、食べているうちに冷めて固くなってしまいます。
食べた後が汚くなってしまう
さんまを食べるとき、どこから食べ始めますか?順番を知らないまま食べ進めていくと、まだ食べられる部分を残してしまったりはらわたの周りの身が中途半端に残ったりと、皿が汚くなってしまいます。これではとても人前で食べるところを見せられません。
さんまの食べ方を動画でご紹介!
せっかくさんまを食べるなら、頭と背骨と尾だけ残した状態で食べたほうがすがすがしいです。食べ方の手順はとても簡単で、すぐにマスターできます。名人のように食べつくして一緒に食べている人をあっと驚かせてみましょう!
骨から身を剥がしていく食べ方
この動画では、さんまの身を少しずつ骨から剥がして食べていき、表を食べ終わったら中骨を外して裏側を食べていっています。背中側を左から右へ、次にお腹側を左から右へと順番に食べていくことがポイントです。どの時点で骨を取るかもわかっているので、スマートに食べられます。
先に身を開いて骨を取る食べ方
さんまを食べるうえで邪魔になるのは中骨です。なら最初に中骨を取ってしまいましょう。この動画では簡単な骨の取り方を説明しています。開いた後の見た目はあまりきれいではありませんが、あとは残った身を食べるだけです。食べた後は頭、中骨、尾しか残らない状態になります。
さんまのきれいな食べ方をご紹介!
ここでは、二つめの動画で紹介した最初に骨を取るパターンをご紹介します。こちらの方がスピーディーに食べきってしまえます。動画では熱々のさんまを支えていますが、これからお伝えする方法ではさんまに触れずに骨がとれてしまいます。
さんまのきれいな食べ方①身を押さえる
骨を取るといっても、骨の周りには身がしっかりついており、そのまま箸を入れても中骨の一部が身の中に残ったままになってしまって上手く骨が取れません。なので、骨を取る前にまずすることがあります。
食べる前に全体を箸で押さえる
二つ目の動画にもありましたが、まずはさんまの身を押さえましょう。寝かせた箸で、等間隔にグッグッと上から押していきます。このとき力を入れすぎるとせっかくのふっくらした身がつぶれてしまうので、軽い力で頭と尾の間を何度か往復させるのがよいでしょう。
こうするとさんまの身と骨がほぐれる
箸で押さえることで骨と身の間に隙間ができるため、骨が取りやすくなります。動画ではさんまを立てて背の部分をほぐして開いていましたが、上から押さえるだけでよいのでさんまを立てなくても大丈夫です。
さんまのきれいな食べ方②背骨に沿って箸を通す
次は開く過程に入っていきますが、まだこの状態では「どこから開けばいいの?」となってしまうでしょう。なので、開く前にまずさんまの身に切り込みを入れます。さんまを立てなくても、表面から身を開くことができます。
背骨は中心よりやや上にある
箸を入れるときは背骨に沿っていくと身が崩れにくくなります。さんまの背骨は中心よりやや上、ちょうど色の境目の部分にあります。焼く前に軽く切り込みを入れる「飾り包丁」を入れておくと火の通りがよくなるほか、箸を入れるときの目安にもなります。
横にまっすぐ引く
名前に「刀」の字が入っている通り、さんまは細長く体高が低いため背骨は横にまっすぐ通っています。また日本では古くから左側を優位な方向ととらえる風習があり、頭は左側に置かれるので、切り込みを入れるときは左から右へまっすぐ引きます。柔らかいのでスッと箸が通ります。
さんまのきれいな食べ方③身を開く
切り込みを入れて、どこを開いていくかに目安がつきました。次は実際にさんまを開きます。熱々の中身が空気にさらされると冷めるのも早くなってしまうので、手早く開いていくのがポイントです。
切れ目から身を上下に開く
②の手順で一直線に入れた切り込み部分に箸を入れ、今度は箸を外側へ、上下に開きます。そうすると身も同じように上下に開きます。その要領で、えらの右側から尾まで開いていきます。一度に大きく開くより、何度か繰り返して、骨が見えるようにします。
ひっくり返さなくていいので簡単
「裏も開かなければいけないの?」と思うところですが、その必要はありません。片方の身を開けばそこから簡単に中骨が取れるので、開くのは表面だけでいいのです。この方法なら手も汚さずに簡単に開くことができます。
さんまのきれいな食べ方④骨をとる
次はいよいよ骨を取ります。すでに身を開いているおかげで取れやすくなっているので、軽い力で剥がすことができます。あとは残った身を食べるだけです。時間もかからず熱々のうちにさんまを食べることができます。
骨を身からはがす
尾が身に着いたままだ最後に外しにくいので、まず箸で尾と身を切り離しておくのがいいでしょう。続いて箸で頭を持ち、背骨を身から剥がします。真上に引っ張るのではなく、尾の方へ持っていくように順番に剥がしましょう。剥がした骨は皿の奥側に避けて置いておきます。
頭をつかんで外せばOK
背骨を外すときに頭を折ってしまうやり方もありますが、尾頭つきの魚は縁起がよいものとされているので、頭を取るのは避けましょう。箸で頭を掴んで剥がしていけば頭が取れてしまうこともなく、支えなくても軽い力で剥がせるので手が汚れることもありません。
小骨や内臓を除くときは皿の隅へ
内臓や小骨がどうしても気になるという人もいるでしょう。もし除きたい場合は、箸であらかじめ除いて皿の奥の隅の方にまとめて置きましょう。背から開くと内臓が左右に分かれて取りづらいですが、こちらの開き方なら腹側に集中しているので取るのも簡単です。取った後はすだちで隠すとなおよいです。
さんまの食べ方のポイント
さんまの醍醐味は、きれいに食べるだけではありません。もっとおいしく食べるには、添えられている薬味の使い方にもポイントがあります。よく見るのは大根おろしとすだちのセットです。こちらもマスターして、秋の味覚を堪能しましょう。
ポイント①醤油は一口食べてから!
さんまの塩焼きは焼いた段階でしっかり味がついていますので、そのままでも十分おいしいです。まずは醤油をかける前に、脂の乗ったジューシーなさんまの旨みと塩が絶妙にマッチした味を堪能しましょう。
ポイント②醤油は大根おろしにかけよう
醤油はあくまでさんまの味に変化をつけるためのものです。なので直接かけてしまうと味が濃くなってしまい、塩分の取りすぎにもなります。醤油で味付けするときは大根おろしにかけて、少量とってさんまの身に乗せて食べましょう。旨みはそのままに、あっさりと食べられます。
ポン酢で食べても!
醤油の代わりにポン酢を大根おろしにかけてもまたおいしいです。醤油よりもさっぱり食べられ、ポン酢の爽やかな酸味がさんまの脂っぽさをうまく調和してくれます。関西ではポン酢派の人も多いそうです。
ポイント③内臓はすだちがベスト!
さんまの内臓は他の魚と違って苦みが少なく食べやすいですが、身に比べると多少の苦みが増します。内臓周辺を食べるときにすだちを搾ってかけると、塩味に柑橘系の酸味が混ざって爽やかな風味になり、苦みが抑えられます。すだちは醤油と異なり、直接さんまにかけます。