オオアリクイの生態とは?
陸上の動物の一種であるオオアリクイ。動物園でも見ることができますので姿を見たことがあるという方はことのほか多くいらっしゃるかもしれませんが、実は非常に危険な生物であったりするのです。まずは、基本的なこの生物の特徴、生態などについてをご紹介していきましょう。
大きめの体長と体重
まず、この動物は中々大柄な体格をしています。身長にして100センチから大きくなると130センチ程度、そして体重は軽いと20キロ弱、最大で40キロ前後になります。今回ご紹介する種類の動物の中でこれほど大きな体格をしている種というのは、他に類を見ない程です。
大きな爪と舌
体の大きさも特徴ではありますが、身体的特徴として大きいのは前足の爪と舌がとても長いということです。これは後述しますようにアリクイ科の主な食べる対象が土の中のアリなのですが、それをとらえて食べるために爪と舌が長くなっているとされています。
1日に3万匹のアリを食べる
前述しました通り、アリクイの主食はアリです。嗅覚が非常に発達しており、そのおかげで土の中にいるアリを発見することができ、1日の中で3万にも及ぶ数のアリを食べているとされています。ただ、一か所からその量を食べきるのではなく、複数の箇所で食べてそれぞれが絶滅しないようにしているのだとか。
1か所につき1分ほどで食事は終了
前述しました通り、1つの蟻塚で大量の蟻を食べるというわけではなく、いろんな場所にある蟻塚を襲撃して一日分の数を食べているのです。これによって新しく蟻塚を見つける必要もなく生活することができますので、頭を使った行動といえるでしょう。
あまり長く食べると反撃される
そして、一か所の蟻塚で食事にかける時間は大体1分くらいなのだそうです。もう少し時間をかけて食べてもいいのではと思うかもしれませんが、食べられる蟻の側も何もしないというわけではなく、噛みついて反撃してきます。進んで反撃されに来たわけではないので、さっさと次の食事場所に移るのです。
オオアリクイの生息地とは?
基本的な生態や身体的な特徴などについて簡単にではありますがご紹介しました。当然ではあるかもしれませんが、この動物は日本国内に生息しているわけではありません。では一体どんな地域に生息しているのでしょうか。
中米と南米北部
前述しました通りオオアリクイは日本国内に野生動物として生息しているなどということは無く、見られるとすれば動物園の檻の中です。主な生息地域としては中米や南アメリカの北部で、具体的な国名で言えばコロンビアやパラグアイ、ブラジルにペルーといった国が挙がってきます。
オオアリクイの威嚇と攻撃方法!
今回ご紹介する動物は名前通りにアリを食べているために部類としては肉食動物に分類されること、そして主な生息場所などはお分かりいただかたかと思います。そして、この生物はどこだって温厚だというわけではなく、これからご紹介するように威嚇や攻撃をしてくるのです。
基本的には温厚な性格
まず、基本的なオオアリクイの性格としては温厚であるため、危害を加えたりしない限りは危険な動物にはなりえません。大抵的になりうる動物と遭遇したとしても、自分が攻撃されたりしない限りは目の前にいたとしても基本無視をしています。
敵が来ると威嚇することも
それでも、明確な敵意を持って自分を攻撃してくるような場合には身を守るために威嚇行動に移ります。この動物は追い込まれてくると普段は四足歩行ではありますが後ろ足二本で立ち上がり、体を大きく見せて威嚇をしてくるのだそうです。
最終手段として爪で攻撃する
そしてそんな威嚇行動をしても敵が引くことは無いと分かると、最終的な攻撃手段としてご紹介した前足の長い爪を武器にして攻撃を行います。この爪もご紹介した通り食事のために使われていて、そう簡単に壊れはしない蟻塚をいとも簡単に壊すほどの硬さを誇るために十分な武器となりえるのです。
オオアリクイはジャガーと戦っても勝てる!?
サバンナを始めとした野生の動物の世界では、弱肉強食が世の常です。肉食動物が草食動物を襲って捕食するか、はたまた草食動物も持ち前の武器や頭数を生かして肉食動物から身を守ったりしているわけですが、この動物の生息する地域には凶暴なジャガーもいます。
水を飲んでいるときにジャガーと遭遇した
そして、そんな2匹の動物が鉢合わせする事態もありました。オオアリクイの方が先に水飲み場に来ており、そこへジャガーがやってきたという構図のようですが、ライオンなどと同じく大型ネコ科動物に分類されるジャガーです。なので大方の予想では、ジャガーがアリクイを襲ったと考えられるかもしれません。
オオアリクイの爪を恐れている
しかし、ジャガーは威嚇も攻撃も全くすることが無い、つまり完全にオオアリクイに興味が無かったようです。それも前述しました爪が関係しており、オオアリクイの前足の爪は非常に頑丈でコンクリートすら壊すことができるほどの攻撃力があるために、危険と判断したからではないかとされています。
オオアリクイとピューマの対決動画を見てみよう
野生の世界の中でも凶暴なジャガーがオオアリクイを全く襲ったりすることが無かったほどに恐れられているということがお分かりいただけたかと思われます。ここで同じくネコ科の肉食動物であるピューマとオオアリクイが真正面からぶつかって対決した動画がありますので、そちらをご覧いただきましょう。
オオアリクイが巨大な爪で応戦!
水飲み場に来たオオアリクイを後ろから狙うピューマですが、接近に気づいたアリクイの方から接近していって攻撃を加えていきます。やはり前足を恐れているようでしたがピューマの方も爪で攻撃をしています。しかしどんどん攻めてくるアリクイに負け、その場から立ち去っていきました。アリクイの勝利です。
餌になることもあるが…
絶対にこの動物が他の動物たちに襲われないということは無く、確かに肉食の動物に襲われて餌になってしまうということもあります。野生の個体が生息している地域では襲われる確率はゼロになることは無いのですが、その数字が非常に低いのです。
全然襲われないのも珍しくない
前のジャガーに発見こそされたけれど全く襲われることもなかったということについてですが、オオアリクイの方はジャガーが真後ろにいることについて全く気づいてはいなかったのです。それでも襲われなかったのは、やはり爪を恐れていたのか、はたまた他の動物を食べたばかりで興味が無かったのでしょうか。
オオアリクイが人を襲う危険はあるの?
ジャガーにピューマと連続で2種類の大型ネコ科の肉食動物がオオアリクイを攻撃もしなかった、もしくは狙っていて攻撃もしたけれど退散していった事例をご紹介しました。そんな野生の肉食動物たちすら恐れてしまう驚異の爪が、人間に向けられてしまうようなことはあるのでしょうか。
パニックになって襲う事はある
まず威嚇と攻撃の方法の見出しでもご紹介しました通り、基本的な性格は温厚です。野生の個体でも敵を積極的に攻撃するようなことはありませんが、ただし人間の発するような音などに驚いてしまい、パニックに陥った状態の中では人間が襲われてしまうケースも間違いなくあります。
人を殺せる力を持っていることは事実
動物園で見たことのある方はその一見かわいらしい姿からは想像もつかないかもしれませんが、間違いなく人間を殺害するほどの力を備えています。蟻塚も相当に頑丈ですがそれを壊してしまうレベルの頑丈で強力な爪が人間に向けられてしまえば、肌を引裂くくらいのことは難なくやってのけるでしょう。