リョコウバトが絶滅してしまった悲しすぎる理由とは?復活の鍵はDNAに

産卵数の少なさに拍車をかけたのがその繁殖力です。一般的なハトは年に4回程度の繁殖が可能なのに対し、リョコウバトは1年にたった1回しか繁殖しない鳥だったのです。人間はこの事実に気づくことなく乱獲を繰り返し、ヒナまで狩猟の対象としました。のちに種を保護する法律ができたものの、後の祭りだったことは言うまでもありません。

リョコウバトの絶滅理由④人口増加

skeeze / Pixabay

リョコウバトの絶滅理由は人類の歴史とも深く関わっています。それまで人間の数を凌駕していたリョコウバトは、コロンブスのアメリカ大陸発見によって変化した人の流れの影響をダイレクトに受けてしまった被害者なのです。

リョコウバトの減少と人口増加

Free-Photos / Pixabay

1492年にコロンブスがアメリカ大陸を発見するまで、ネイティブアメリカンと呼ばれる先住民たちによって守られていたのがアメリカです。徐々に欧米人の流入が始まり人口が増えてくると、人間によるリョコウバトの乱獲も比例して増え始めました。

リョコウバトの絶滅理由⑤電報の発明

ivanovgood / Pixabay

現代のように通信網が発達していない時代において画期的だったのが電報の発明です。人々は新しい通信手段をフルに活用してリョコウバトの居場所を教え合い、列車で縦横無尽に移動しながら狩猟を繰り返すスタイルを確立すると次は市場を作り、生活の糧としてリョコウバトを商売の道具として扱うようになりました。

リョコウバトの絶滅理由⑥森林伐採

Picography / Pixabay

リョコウバトが多く生息していた北アメリカ東岸地域は、大きな森林に囲まれリョコウバトの食料となるドングリの実をつけるカシやブナ、コナラなどの森も広がっていました。その一方で土地の開拓を目的とした森林伐採は着実に進み、リョコウバトの貴重なエサ場は規模を小さくしていったのです。

リョコウバトの絶滅理由⑦羽毛の採取

DieterRobbins / Pixabay

食肉や家畜のエサとして使われるほかに、リョコウバトの羽毛もまた珍重され高値で売買されていました。人間の欲望を満たすための道具として美しい羽根さえも羽毛布団の材料にされていたという事実は、リョコウバトの絶滅を示す上で欠かすことのできない悲しいエピソードのひとつです。

リョコウバト以外にもいた!人間によって絶滅した鳥類たち

cocoparisienne / Pixabay

鳥類やほ乳類の祖先は言わずと知れた恐竜です。恐竜はおよそ6500万年前に絶滅したと考えられていますが、その原因は気候変動や隕石の衝突など人間に関わるものでなかったことは確かです。一方、地球の歴史ではリョコウバトと同じく人間の手によって絶滅に追いやられた鳥類の記録も多数残っています。

ドードー

リョコウバトと同じくハト科ハト目に属したドードーはマダガスカル島沖のモーリシャス一帯に生息し、体長が1メートルにもなる飛べない鳥だったとして有名です。動きが遅いことから捕獲が簡単で、人間に飼われていた家畜さえもドードーのヒナや卵を襲っていたと言います。

ロードハウセイケイ

真っ赤なくちばしが特徴であったこの鳥は、オーストラリアの離れ島だったロード・ハウ島に生息していたセイケイということからこの名がつきました。本来は天敵の少ないはずの孤島で絶滅に至った原因は、他の何物でもない人間でした。たまたまこの島に渡った船乗りたちによって食用とされ、その貴重な命を全て失ったのです。

NEXT ジャイアントモア