2013年にスコットランドにあるフェロー諸島で起こったクジラ爆発事故です。海の動物の解体専門家では無い人が解体作業に当たったことで、この爆発は発生したのです。
試みたクジラ解体
水路に引っかかり死亡していた約14メートルほどの巨大なクジラを、街の海洋生物学者の男性が解体しようと試みました。
なぜ彼が抜擢されたかというと、街に住む人々から「このクジラの骨を街の博物館に飾りたい!」という強い要望を受けたからでした。
腹部に刃を入れた瞬間!クジラ爆発
解体役となった生物学者は、クジラの肛門から巨大なノコギリを差し込み、腹部へ向けて慎重に慎重に刃を進めていきました。
切れ込みの入り具合を一旦確認しようと手を止め、再び解体作業を進めようとした直後に、巨大な臓物とジェット水流のような凄まじい勢いの血が噴出しました。
間一髪!紙一重で逃げた生物学者
作業中の生物学者は、間一髪でクジラ爆発の被害から逃れらことが出来ました。爆発が生物学者が刃を入れていた進行方向の側から発生した事、状態を確認しようと一瞬立ち止まった直後に爆発したことで、難を免れたのでした。
もし生物学者が立ち止まらずに刃を進めていたり、進行方向側へと回り込んでいたら、間違いなく生物学者にクジラ爆発は直撃していたことでしょう。本当に紙一重の出来事でした。
クジラ爆発の実際の様子(グロテスクな為観覧注意)
こちらの動画が、フェロー諸島で実際に起こった、解体時のクジラ爆発を撮影した映像です。ジェットのような恐ろしい勢いで血と内臓が溢れ出しています。
Contents
クジラが爆発する理由
見た目のグロテスクさもさる事ながら、こう早いに及ぶ強烈な悪臭、直撃すれば勢いで吹き飛ばされかねないほど危険なクジラ爆発は、どんなクジラでも必ず起こるものではありません。
なぜこのようなクジラ爆発が発生するのかというと、生物の腐敗と関係があるんです。
座礁したクジラの腐敗とメタンガス
クジラも人間も、生きていると常に体内にガスが生成され、溜まっている状態をになります。腸内細菌や微生物が体内で活動することによって発生します。代表的なものを挙げると、メタンガスです。
クジラのように死んで腐敗が進行してるときも、体内では細菌や微生物がガス生産を続けています。死んでいるため体外への排出は行われません。
限界までガスがたまった腹の破裂
排出が行われないまま、ガスが生産され続ければ、いずれ限界はやってきます。風船のようにガスで大きく膨らんだクジラの腹部は、ちょっとした衝撃で簡単に破裂してしまいます。
衝撃は、先ほど紹介した解体作業や、輸送時の揺れなどが当てはまります。勿論、衝撃が無くても排出がないまま膨らみ続ければ、クジラは爆発します。
食物連鎖が行われなかった結果
座礁しなかった場合にクジラが沖で爆発するケースは非常に珍しく、滅多に起こりません。自然界だと死んだクジラは、サメなどの肉食系の生物によって食べられてしまうので、破裂寸前に膨らむまで死骸が残らないからです。
自然界の食物連鎖が行われず、海岸などに座礁、放置されることで、クジラ爆弾は完成します。