爆発させることなくクジラの死骸を処理することは可能です。それは、死骸を海に流すという方法です。
クジラを沖に曳航
過去に爆発させることなくクジラ爆弾の処理に成功した例があります。カリフォルニア州の海岸付近に大きなザトウクジラの死骸を沖に曳航しました。
曳航とは、船に引き綱を結び、他の船や荷物を牽引することです。今回の場合は、引き綱をクジラの死骸に結びつけ、船で沖へと運んでいったのです。
クジラ爆発を回避するため沖へ
クジラ爆弾が誕生する原因は2つあります。ガス排出がないまま、体内でガスが生成されてしまうこと、食物連鎖が行われず、死骸が残ってしまうことです。
カリフォルニア州のクジラの死骸を曳航したのは、沖合に死骸を流し、海のプランクトンなどの力で自然分解させる為でした。
曳航する途中サメの餌食に!
クジラの死骸の曳航は、予想とは違う結果で成功しました。曳航の最中に、クジラの死骸にホオジロザメが喰らいついてきたのです。
最初に一匹、それに続いてもう一匹がクジラの死骸を食べ始め、食物連鎖を受けることとなったクジラの死骸は、爆発することなく無事、海へと還っていったのです。
曳航は最も安全なクジラ爆弾の処理方法
クジラ爆弾の発生を防ぐには、ガス生産を止めるか、溜まらないように排出する、又は食物連鎖を受けさせる必要があります。生物である以上、ガス生産の停止は不可能です。
また排出のために腹部を切る、爆破などすれば、一気に爆発してしまいます。クジラが爆発しないようにする為には、自然に返す方法が最も安全だということがわかりました。
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地球外生命体!?海に漂うクジラの死骸
魚を捕ることを生業とする漁師さんも、海の上では時折魚以外と遭遇することもあります。オーストラリアにてとある漁師の方が、エイリアンのような未知の物体と遭遇したこともあります。
漁師が見た沖に浮かぶエイリアン
日本の妖怪で「海坊主」という妖怪がいるのはご存知でしょうか?漁師の方が海に船を出していると、突然海上に巨大な丸い怪物が現れるという話です。その怪物を海坊主といいます。
そんな海坊主が、近年「エイリアンではないか?」などと言われて目撃談が上がったのです。
爆発寸前のクジラの死骸
エイリアンや妖怪にしか見えないこちらの写真の正体は、実は腹部を上にしたクジラの死骸なんです。
腹部ににメタンガスが溜まり風船のように膨らみ、このような見た目になっていると考えられます。目撃したオーストラリアの漁師は非常に驚いてしまったそうです。
漂う悪臭とサメの群れ
大量のメタンガスに、腐敗が進み出したクジラの死骸の臭いは、目に刺さってくるかのような強烈な刺激と、鼻を取り外したくなるような恐ろしい悪臭を広範囲に振り撒いていました。
死骸には大量のサメが群がっており、喰い破られたことで死臭とガスが放出され、悪臭が広がっていたと考えられます。
素朴な疑問~爆発するのはクジラだけ?~
これまで、クジラ爆発の理由とメカニズムについて説明してきました。クジラ以外の生物ももちろん体内にてガス生産は行われています。
では、果たしてクジラ以外の生物でも、クジラ爆弾のような状態になり得るのでしょうか?
クジラが爆発するメカニズム
まず、クジラの爆発のメカニズムについて簡単に解説します。クジラ爆発は、クジラの体内にメタンガスが溜まり、限界まで膨らんだところに衝撃が加わることで爆発が起こります。
これは、クジラの死後も体内の微生物や細菌によって、ガス生産が行われ、ガスが排出されないままどんどんガスが溜まっていってしまうので、身体が破裂寸前まで膨れ上がってしまうのです。
捕食されない限りクジラ以外にも爆発はありうる
どんな生き物も、体内でガス生産は行われており、常に体内にはガスが溜まっています。クジラ以外の海の生き物と決して例外ではありません。
例えば、シャチやイルカなども、死後に食物連鎖が行われず、死骸がそのまま残ってしまうと、クジラ同様爆発してしまいます。
クジラ爆発だけが有名なワケ
他の海の動物も爆発するケースはあるのに、クジラの爆発だけが有名になっているその理由は、クジラの体格の大きさにあります。
10メートルを超える巨大な身体に、体格に見合った大きな内臓が爆発すれば、被害も大きく、また見た目のインパクトもかなり強烈です。反対にクジラに比べて小柄なシャチやイルカが爆発しても、クジラほどの被害は起こらないのです。
クジラ爆発以外にもとんでもない悪臭を放つ生物はいる
凄まじい悪臭はクジラ爆発の被害の一つでもあります。ところが、自然界にはクジラ爆発以外にも、気絶必死や、鼻をもぎたくなるほどの強烈な悪臭を放つ生物がいるのです。
とんでもない悪臭生物①スカンク
臭い動物といえばスカンクと名前がすぐに挙がるほど、強烈な臭いで有名な動物です。強敵に襲われた際などに悪臭の強い液体を、肛門付近の器官から噴出させます。
その臭いは硫黄やニンニクを混ぜて濃縮したようなとんでもない悪臭で、直にかかって仕舞えば、のたうち回らずにはいられないと言います。また、目に入った場合、一時的に何も見えなくなってしまうそうです。
とんでもない悪臭生物②イタチ
「イタチの最後っ屁」ということわざもあることで有名でもあります。イタチの肛門付近にある臭腺という器官があり、敵から逃げる際にそこから強烈な臭気の強い液体を噴出します。
その臭いを例えるなら、臭いなのに顔面を殴られたような衝撃があり、あまりの匂いに2,3日は嗅覚が麻痺してしまうほどの悪臭だそうです。
とんでもない悪臭生物③ハゲワシ
前述したスカンクやイタチとは異なり、威嚇の際分泌腺の液体ではなく、嘔吐物を撒き散らします。その嘔吐物が、とんでもない悪臭なのです。
嘔吐物が臭いのは言うまでもありませんが、ハゲワシの主食は屍肉で、腐敗した肉の消毒の役割もある金属すら溶かす強力な胃酸によって、病気になることなく消化を行なっています。目に刺さるような強酸と腐敗臭は強烈かつら非常に危険です。
動物だけでなく植物もひどい悪臭のものがある!
動物に限らず、自然界にはとんでもない悪臭を放つもなが数多く存在します。植物のラフレシアなんかも臭いのひどいもので有名です。悪臭を持つ植物、オオバナサイカクについて詳しく解説している記事があるので、こちらも是非ご覧下さい。
クジラの死因とは?なぜ座礁するのか
クジラが座礁し死んでいるケースは、世界中で起こっており、目撃例も珍しくありません。大型のクジラがよく海岸で死んでいる原因とは、一体何なのでしょうか。
クジラの種類の中にイワシクジラというクジラがいます。興味がある人はこちらをどうぞ。
人間の使う機械がクジラを狂わせている?
クジラの聴覚で音波をキャッチすることで、群れでの互いの位置や、進行方向を把握しています。しかし、人間が船で使う機械が出す電磁波や音波は、クジラの聴覚や内臓を破壊してしまう恐れがあるのです。
例えば、原子力潜水艦や、海軍の訓練で使う魚雷などから出るソナーは、クジラの聴覚を狂わせ、方向感覚や位置把握能力を破壊してしまうのです。内臓の損傷の可能性もあり、場合によっては死んでしまうこともあるのです。
聴覚の壊れたクジラが陸に向かって泳ぎ座礁する
本来沖合へと向かうはずのクジラ、しかし方向感覚が狂うと、沖へ向かうつもりで陸地へと泳いでしまうことがあります。
もし陸へと乗り上げてしまえば、巨大な体を持つクジラは、動けなくなり、海へ戻ることもままなりません。そのまま衰弱し、死を迎えることになってしまいます。
座礁クジラは接近禁止!クジラ爆発はマジメにヤバイ!
中々お目にかかるのは珍しいことかもしれませんが、座礁しているクジラの体内では、常にガス生産が行われ、クジラ爆弾に変化する準備が着々と進められています。
もし座礁しているクジラを見かけても絶対に近づいたりしてはいけません。もし近づいたら、次のクジラ爆弾の被害者は、貴方になってしまうかもしれません。
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