彼岸花には毒がある!毒抜きの方法や様々な活用法をご紹介!

お墓の付近によく咲いている彼岸花、その綺麗な花には毒があります。ではなぜそんな危険な花が身近にあるのでしょうか?実は食べることができたり、漢方薬としても有用な花なんです。正しく知れば怖くない、彼岸花の毒についてご紹介します。

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彼岸花ってどんな花?

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お墓や時には道端にも咲いている姿を見かける植物です。見慣れてはいるものの、実際にどのような花なのかを知っている人は意外と少ないです。

様々な呼び方がある花

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色々な呼び名がある花としても有名です。日本語で曼珠沙華、幽霊花、狐花、雷花など、約15種類近くの呼び名があります。海外だと、ハリケーンリリーや、リコリスと呼ばれています。

赤い特徴的な形の花

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彼岸花は花火のようにも見える不思議な花の形をしており、先に花が咲き、後から葉が成長するという、通常の植物とは真逆の成長をします。

葉の無い、見慣れない見た目の植物を昔の日本人は気味悪がり、死人花や地獄花などと言った、不吉な名前で呼んでいたようです。

お彼岸の頃に咲く

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彼岸花が花を咲かせる時期は、大体9月の中旬に辺りから下旬頃です。ちょうどお彼岸の供養の時期と重なります。

先祖に感謝し、供養する時期と重なっていることもあり、死に纏わる花という印象が現代でも定着しているようです。

彼岸花には毒がある

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不吉なイメージを持たれている彼岸花は、咲き方の変わった特性や時期以外にも、忌避されがちな要因があります。それは、植物すべてに毒が含まれているからです。

花には様々な毒がある

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彼岸花は全草有毒の植物で、実に多くの種類の毒を含んでいます。アルカロイド系成分が多く、よく名前が挙がるのがリコリンです。その他にも、約20種類程の毒の成分を含んでいます。

アルカロイドは薬などに用いられることもある成分ですが、薬理作用以外に副作用なども強く、長期の服用は避けるべきとされています。

球根は特に毒素が多い

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植物全体に毒が含まれていますが、とりわけ球根部分にはより多くの毒素が含まれています。これは虫やネズミなどに食べられることを防ぐ為、より多くの毒素が含まれているのだと考えられています。

どんな植物の根も食べてしまうネズミも、彼岸花の球根だけは、決して齧ることはしないと言われています。

植物だけじゃない。毒を持つ鳥もいる

毒を持つのは、何も植物だけではありません。魚や動物で毒を持っている種類は沢山います。その中でも珍しい、毒を持った鳥にピトフーイがいます。こちらの記事で詳しく解説しているので、是非こちらもご覧下さい。

彼岸花の毒を食べるとどうなるのか?

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野草のノビルやアサツキ、球根は玉ねぎとよく似た姿をしている為、彼岸花はよく誤食されてしまいます。もし彼岸花を食べた場合、どのような症状がでてしまうのでしょうか?

吐き気や下痢が起こる

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食べてしまってから約30分ほど経過すると、激しい嘔吐、下痢の症状が現れます。体内の毒素の排出が終われば、以降は徐々に回復していきます。

しかし、時に痙攣や呼吸不全、酷い場合だと中枢神経麻痺などの重篤な症状も見られる為大変危険です。

少量では致死量にはならない

彼岸花の毒に含まれている成分、リコリンは10gで致死量に達します。毒素を多く含む球根1gあたりに含まれるリコリンは約0.15mgです。

その為球根1個を食べても死ぬことは殆どありません。ただし、乳幼児や小さな子供の場合は死に至る危険も十分にあり、また中毒症状による嘔吐で、吐瀉物による窒息も起こしかねません。決して近づけないようにしましょう。

解毒剤は無く対症療法しかない

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中毒症状が出たとしても、彼岸花には専用の解毒剤は存在しません。その為、症状が出た場合は、下剤や催吐薬などの対外へ毒素の排出を促す対症療法を行うしかありません。

彼岸花は身の回りで咲いているからこそ毒に注意が必要

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畑や道端、家の庭などにも自生している彼岸花は、日常で頻繁に見ることができる植物の一つです。しかし、彼岸花が毒を持つ植物だということを決して忘れてはいけません。

子供やペットが誤って食べないように

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彼岸花に限らず、小さな子供やペットは危険物などを誤って食べてしまうことは珍しくありません。

大人でも激しい下痢や嘔吐の症状が出てしまう彼岸花を、体が小さく免疫力や体力の低いものが食べてしまうと命に関わりかねません。食べてはいけないことを教えたり、ペットの側には近づけさせないようにしましょう。

彼岸花は毒があるのになぜ日本中で咲いているのか?

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中毒症状や後遺症、死の危険などもあるほどの毒を持つ植物が、なぜ今だに日本中、日常でいつも見かけるほど様々な場所で栽培されているのでしょうか?

確かに危険な毒を持っていますが、毒は時として薬になることもあるのです。

お墓などを動物や虫から守る

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彼岸花が咲くことで、お墓を動物や虫などから荒らされるのを防ぐことができます。彼岸花は球根から周囲の土壌にも毒がしみ込むので、植わっている周辺も荒らされません。

球根の毒もですが、虫が嫌う毒も茎や花に含まれているため、墓を荒らす虫、動物からお墓を守ることができるのです。

葉は薬になる

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薬として使用すると、彼岸花は有効な薬理作用をもたらすこともできます。消炎作用や利尿作用、むくみやあかぎれ、関節痛の改善効果も期待できます。

また近年では彼岸花に含まれるガランタミンという成分が、記憶機能の回復に効果が期待できる為、認知症の改善薬に使用されたりもしています。

素人には不可能!彼岸花を薬代わりに使わないで

彼岸花は薬理作用も期待できると解説しましたが、それはあくまで薬の専門知識や、調剤の技術がある人が彼岸花を利用した場合だけです。

素人が彼岸花を薬代わりに使用するのは大変危険であり、毒にしかならない場合が殆どです。個人で彼岸花の薬代わりの使用は絶対に行わないでください。

彼岸花は毒抜きすると食べることも出来る!その方法は?

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毒素を持つ彼岸花ではありますが、正しい手順で毒素を抜いてやれば、食用にすることも可能です。

玉ねぎとよく似た球根は、きちんと毒抜きを行えば、じゃがいもと同じくらい栄養満点の食品になります。初めての場合も手順をきちんとこなせば安全に作れるので、是非挑戦してみて下さい。

毒抜きの方法①球根の皮を剥ぐ

最初に球根を覆っている黒い皮を剥ぎます。本体ほどではないとはいえ、皮の部分も毒は少量ですが含まれています。かぶれたりすることを防ぐ為に、必ず手袋をつけて行いましょう。

毒抜きの方法②すりつぶす

次に皮をむき、軽く水洗いを済ませた球根をおろし金を使ってすり潰していきます。すり潰す際も必ず手袋を着用して下さい。

球根はすり潰すと山芋のように強い粘りが出てきます。大きい塊のままだと、うまく毒素が取れず危険です。すり潰しにくいですが、ペースト状に近いくらい細かく丹念にすり潰して下さい。

毒抜きの方法③7回以上水にさらす

次にすり潰した球根を洗い、新たに水を張って7回以上しっかりと晒していきます。時間経過とともに球根のでんぷん質が沈殿してきます。

完全に沈み込んだら上澄み液を捨て、新たに水を入れてと言った作業を7回以上繰り返すことで毒素を抜き去ることがができます。

毒抜きの方法④天日干しで乾燥させる

最後に風通しの良い場所で、すり潰した球根を天日干ししていきます。しっかりと乾燥させ、ま2,3日経過すれば、料理に使用できる彼岸花粉の完成です。

球根800g分から取れる彼岸花粉は約17gと労力の割に非常に少ないです。時期にもよりますが、花の咲く前の最もデンプンを含んでいる時期だと、倍近く摂取量が変わってくるようです。

昔は彼岸花を食用として食べていた

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