クジラ爆発はなぜ起きる?世界のクジラ爆発事故とそのメカニズムを大解説!

自然にクジラの爆発が起きることは割と頻繁にあります。しかし、クジラ爆弾とは別に、人工的に爆発を起こした事例も過去にはありました。

オレゴン州でのクジラ爆発

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1970年の11月頃、オレゴン州のフローレンス近傍の海岸に、一匹の死んでいるクジラが座礁しました。体長14メートル、重さ8トンにもなるかなり大きなクジラでした。

この大きなクジラの死骸をどのように除去するか考えた末、クジラの死骸をダイナマイトで爆発させることになったのです。

クジラを爆破した理由

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クジラを意図的に爆発させようとした理由は2つあります。1つは岩のように大きな死骸を重機などを用いてどかすには、労力や設備、人手の確保が困難であった為、爆破して細かくしてしまう方が容易に考えられたことです。

2つめの理由は、いかに巨大なクジラでも爆破すれば細かい肉片になり、肉片はわざわざ人が片付けなくても鳥や野生動物が食べて掃除してくれるだろうと考えられたからです。

クジラを爆破した結果

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掃除の手間もなく簡単に片付けられると思って行われたクジラの爆破は、予想外の結果となりました。

クジラの死骸はほとんど解体されず、肉片ではなく、クジラの腹部の分厚い脂肪が多少弾け飛んだだけでした。弾け飛んだ巨大な脂肪の一部が、車を押し潰したり、周囲に脂臭い臭いが広かっただけで終わったのです。

なぜ予想外の結果になったのか

今回のクジラの爆発ダイナマイトの分量ですが、専門家に聞いた適正量ではなく、おおよその適当な量を用いてしまったため、うまく爆発しなかったことが考えられます。

しかし、万が一に肉片が飛散するほどの量でダイナマイトを使用し、クジラの体内のメタンガスに引火していれば、甚大な被害の伴う大爆発となりかねません。予想通りの結果にならなかったことは、不幸中の幸いとも言えます。

死んだクジラを海に曳航するケース

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解体も危険、爆破はさらに危険となれば、クジラの死骸が座礁してしまった時、一体どうすればクジラ爆発が起こることなく解決できるのでしょうか?

爆発させることなくクジラの死骸を処理することは可能です。それは、死骸を海に流すという方法です。

クジラを沖に曳航

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過去に爆発させることなくクジラ爆弾の処理に成功した例があります。カリフォルニア州の海岸付近に大きなザトウクジラの死骸を沖に曳航しました。

曳航とは、船に引き綱を結び、他の船や荷物を牽引することです。今回の場合は、引き綱をクジラの死骸に結びつけ、船で沖へと運んでいったのです。

クジラ爆発を回避するため沖へ

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クジラ爆弾が誕生する原因は2つあります。ガス排出がないまま、体内でガスが生成されてしまうこと、食物連鎖が行われず、死骸が残ってしまうことです。

カリフォルニア州のクジラの死骸を曳航したのは、沖合に死骸を流し、海のプランクトンなどの力で自然分解させる為でした。

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