3種類のイワシが出回っている?
イワシは、鮮魚だけでなく缶詰や干物などさまざまな加工品にも重宝する身近な魚です。どれも同じイワシが加工されているのではなく、3種類のイワシが活躍しています。
この3種類が適した調理法で旨味を堪能できるようになっています。そんな3種類のイワシの旬や美味しい食べ方をご紹介します。
マイワシ
スーパーで鮮魚として売られていて私たちが一番見る機会の多い種類です。3種類のイワシの中でも一番大きく成長しますのでフライや塩焼き、煮つけ、酢漬けなど色々なアレンジがしやすい魚です。
見た目は、背がキラキラと輝く青緑色で背骨のライン上には黒い点模様があります。
カタクチイワシ
3種類の中で一番小さく、主にちりめんじゃことして私たちは目にする機会が多いです。旨味が強く出るため、煮干しに加工されたりオイルサーディンやアンチョビといった和西洋料理の旨味を引き出す重要な役割をしています。
見た目は、上あごが大きく片口しかないように見えるのが特徴です。そこからカタクチイワシと名づけられました。
ウルメイワシ
イワシの中でも脂が一番少なくあっさりとした味わいが特徴です。ウルメイワシの丸干しは高級品として扱われています。苦みが少なく上品な出汁がとれることから料亭の味付けに使われています。
鮮度が落ちやすく、鮮度が高いうちに加工されてしまうため身を食べる機会が少ないです。目が大きく、薄い膜を張っていて潤んだ目をしていることが名前の由来です。
さらにイワシの種類について詳しく知りたい方はこちら
マイワシは出世魚
マイワシは成長するにつれて名前が変わる出世魚で、縁起の良い魚です。シラスから始まり、カエリイワシ→コバイワシ→チュウバイワシ→オオバイワシと大きさによって名前を変えていきます。私たちが多く目にしているマイワシの別名はオオバイワシです。
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マイワシの旬について
一年中出回っているマイワシは年間400万トンもの漁獲量を占めていて、日本一の漁獲量を誇っています。そんな日本を代表するマイワシの旬の時期はいつでしょうか?より美味しく食べられる旬をご紹介します。
6~10月ごろ
旬の時期は6~10月ごろです。この頃の見た目は、丸みのある体つきが特徴で脂がのっている証拠でもあります。スーパーで鮮魚として目にする機会が多く漁獲量も多いので安価で手に入ります。
美味しいマイワシの見極め方は体に厚みがあることです。よりジューシーな味わいが堪能できます。
カタクチイワシの旬について
ちりめんじゃこなどの加工品として見かけることが多く一年中スーパーなどに出回るため旬がわかりにくいですが、ちゃんと美味しい旬があります。
旨味がより強く感じることができます。生の新鮮な味を堪能できる旬では、珍味として食通の中で知られています。
9~1月ごろ
旬の時期を迎えると、スーパーでは釜揚げシラスが多く売られます。鮮度が落ちやすいカタクチイワシはとれたてを釜で一気に茹で市場に出回ります。
旬の時期だからこそ旨味を凝縮させたふっくらとした釜揚げシラスを食べることができます。旬の時期では生のシラスを食すことができますが、鮮度命のため水揚げされた当日しか出会うことができない珍味です。
ウルメイワシの旬について
イワシの中でもあっさりとした淡白な味わいが特徴ですが、旬ではやはり脂がのるので濃厚な出汁がとれます。旬の時期に丸干しに加工されることが多く、旬を過ぎると脂が落ちるため旨味を閉じ込める干物として加工されています。
10~2月ごろ
丸干しや干物として出回ることが多いですが、イワシの中でも刺身にすると一番美味しいと食通では知られています。
鮮度が落ちやすいのが特徴のため、釣れたてを新鮮なまま刺身として食べるのが釣り人の楽しみでもあります。旬の時期では、漁師や釣り人の中では珍味とされています。
番外編 シラスの旬について
シラスとは、カタクチイワシの稚魚のことです。釜で茹でたものを釜揚げシラスと呼び、天日干しして半乾燥させたものをシラス干し、完全に水分を飛ばし日持ちさせるように加工したものを、ちりめんじゃこと呼びます。
旬の時期でしか味わえない生シラスは水揚げされた当日しか食べることのできない幻の魚です。
シラスの旬は2回ある?
ほとんどの魚の旬は一年に一度ですが、春と秋の一年に2度の旬がある珍しい種類です。これにはイワシの種類が関係しているのですが、シラスにされるイワシはマイワシとカタクチイワシがあります。
この2種類のイワシの旬が異なることから、稚魚であるシラスの旬も2度訪れるのです。
カタクチイワシのシラスの旬
産卵は3月と9月がピークです。稚魚となるのは1~2か月期間を要するためシラスとして水揚げされるのは4月頃と9月頃が旬です。春のシラスはプリプリとした食感が特徴で、秋は脂がのった濃厚な味わいです。
マイワシのシラスの旬
産卵は12月~6月と長い期間でシラスとして水揚げされるのは2月~9頃です。2月は海が荒れやすくシラス漁に出にくいため、主に市場に出回るのは3月以降となります。特に秋のシラスは脂がのっていて美味しいと定評です。
骨まで食べられるシラスは栄養満点!
シラスは骨は柔らかく丸ごと食べられる魚なので、カルシウムを効率よく摂取できます。他には肝機能を高めるカリウムやタウリン、貧血予防になる鉄分、がん予防できる核酸といったさまざまな健康維持ができる豊富な栄養素が、あの小さな稚魚には含まれています。
シラスを食べて健康になれる
シラスは栄養満点です。イワシの主な健康に役立つ成分がそのまま小さな体に詰まっているので、イワシ一匹食べるよりも効率よく栄養を摂取できます。
コレステロールを下げるEPAが豊富で血液サラサラ効果が抜群で健康維持に効果的です。
シラスは名前がたくさんある
シラスには、生シラスの他に釜で茹で上げた釜揚げシラス、天日干ししたちりめん、完全に水分を飛ばしてカリカリにしたちりめんじゃこといった加工によって名前が異なります。
イワシの目利きについて
鮮度が落ちやすいことから漢字では魚に弱いと書いて鰯です。デリケートな魚だからこそ、美味しくいただくためには鮮度を見極める目利きが必要です。より新鮮で美味しいイワシを簡単に厳選できるコツをご紹介します。
鮮度のチェック
鮮魚ではやはり鮮度が命です。新鮮だからこそ身がプリっとしていて引き締まっていて良質な脂も堪能できます。そのために自分で厳選できる目利きを身につけましょう。まず最初にチェックしたい3つのポイントです。
- 目が黒いこと
- 体全体にツヤとハリがあること
- (エラが見られる場合)鮮やか赤色であること
頭が小さいもの
上記の3つのポイントをクリアした鮮度抜群さを、より厳選するために次にチェックしたいのが頭です。全体を見て頭が小さく見えるイワシは脂がのっている証拠です。
これは体が丸々としているために頭が小さく感じるのです。丸々とした体には脂がのっています。
身がふっくらとして厚みのあるもの
最後は目利きの上級編です。これをクリアすれば確実に鮮度が良く美味しいイワシをゲットできます。脂がのっている身は引き締まっていて、厚みもあります。
スーパーでトレイに入っているイワシの見極め方は、トレイから体ができるだけ盛り上がっているものを選ぶことです。
イワシの骨を時短で柔らかくする方法
小骨が多いので調理に時間がかかるというイメージが強いのですが、梅干しと一緒に調理をすると骨が柔らかくなりやすいです。梅干しの酸が骨まで柔らかくする働きをします。
お酢も同じ効果があるので、うまく調味料を使ってイワシを丸ごと美味しくいただきましょう。