ホタルイカって?
酢みそ和えや沖漬けなど、ホタルイカを食べる機会は結構多いと思います。ですが、意外とホタルイカのことは知らなかったりしますよね?
まずは、ホタルイカがどういう生き物でどこに生息しているのか、我々の食卓に並ぶ前にどういう方法でホタルイカは採られているのかというところからご紹介したいと思います。
ホタルイカの生態や特徴は?
ホタルイカはご存知の通り、全長7cm程度の小さいイカです。なぜホタルイカと言うかというと、蛍のように光を放つためその名前で呼ばれています。
ホタルイカには腕、皮膚、目に数百もの発光器を持っており、そこから青白い光を放つことができます。この光によって、外敵から身を隠したり、外敵を撹乱したりする効果があります。
ホタルイカと同じような小型のイカであるヒイカについてはこちら。
ホタルイカの生息地域は?
ホタルイカは日本海全域の水深200〜1000mの深海に生息しています。春先になると、産卵のため海岸近くまでやってきます。そして、夜になると一斉に浮上します。
産卵後にはホタルイカは浅瀬に打ち上げられ、数百万匹のホタルイカが一斉に発行する現象が見られます。この現象は「ホタルイカの身投げ」と呼ばれています。
ホタルイカの主な漁法とは?
ホタルイカについては、ホタルイカの習性を利用した漁法が一般的に知られています。定置網を配置し、夜中に産卵のため海岸に接近してくるホタルイカを捕らえます。
また、ホタルイカが浅瀬に打ち上げられることから、一般の人にもホタルイカを獲るチャンスがあります。打ち上がる海岸は毎年決まっているので、シーズンになるとタモ網を持って「ホタルイカすくい」に人が集まってきます。
「ホタルイカすくい」に使えるオススメのタモ網はこちらをどうぞ
ホタルイカの旬は?
ホタルイカの漁法についてお話ししましたが、その漁法はホタルイカの産卵時の習性を利用したものなので、1年中獲れるわけではありません。ここでは、ホタルイカ漁のシーズンとホタルイカが美味しい時期についてご説明します。
1月下旬から6月までがホタルイカ漁の最盛期
ホタルイカ漁については、漁場にもよりますが、1月下旬から6月までが最盛期となっています。ホタルイカ漁には解禁日があり、その時期以外にはホタルイカ漁をしてはならないことになっています。
ホタルイカが種として少なくなってしまわないよう、産卵前のホタルイカを獲らないという配慮から漁のシーズンが決められています。実際にホタルイカ漁の際も産卵後の個体を狙うように、定置網を配置して漁が行われます。
最もおいしいのは4月と5月
ホタルイカ漁が行われる時期のうち、ホタルイカの旬はいつ頃なのでしょうか?答えとしては、ホタルイカ漁の終盤である4月〜5月に獲れたホタルイカが身が詰まって美味しいと言われています。
ただでさえ産卵のために栄養をたっぷりと貯めこみ、身がふっくらとして美味しいのですが、産卵シーズンギリギリまで栄養を貯めこんだホタルイカはまるで別格の味わいだと評判です。
地域によって漁解禁日が違う?
ホタルイカの漁場は色々ある、とお話ししましたが、実際にどこでホタルイカ漁は盛んなのでしょうか?ここではホタルイカ漁で有名な漁場についてお話ししていきます。
ホタルイカの2大産地
ホタルイカの2大産地としては、富山と兵庫が有名です。富山については、ホタルイカ漁ツアーなども行われているため、知っている方も多いですが、意外と兵庫県がホタルイカの産地であることはあまり知られていません。
漁獲高は2018年のデータとして、富山が千数百トンであるのに対して、なんと兵庫は五千トン台で6年連続水揚げ日本一に輝いています。個体としては兵庫のホタルイカの方が小ぶりですので、今度買い物に行くときに産地とともにご覧になってみてはいかがでしょうか。
富山県の場合
富山県のホタルイカ漁は3〜5月に行われます。先にお話しした通り、産卵後のメスの個体を主に獲っているため、一匹一匹が大きく身もパンパンに詰まっています。
兵庫県の場合
兵庫県のホタルイカ漁は底引き網漁であるため、富山より早く始まり2〜5月に行われます。兵庫県産のホタルイカについては、小ぶりであっさり気味の味をしていますが、弾けるような食感があると評判です。また、安価で手に入るのもこちら兵庫産のホタルイカの特徴です。
旬のホタルイカの注意点!
食べると美味しい旬のホタルイカですが、その際に注意事項があることをご存知でしょうか?ここではあまり知られていないホタルイカの注意点についてお話ししていきます。
肝は生で食べることが出来ない?
ホタルイカを生で食べる時には、肝を必ず取り除かなければなりません。なぜかというと、ホタルイカの肝には寄生虫がついている可能性があり、それを食べてしまった際には、嘔吐、下痢、腸閉塞などを発症してしまう可能性があります。
腸閉塞は入院して、数日間の絶食で快方に向かうこともケースとしては多いのですが、最悪の場合は手術になってしまいます。生食用のホタルイカのラベルに注意書きとして書いてあることも多いですが、自分でも肝は取り除くことを覚えておくのをオススメします。
この寄生虫については、高温もしくは極端な低音に弱いため、加熱処理したものか、−40℃から−30℃にて凍結処理(−40℃の場合40分、−30℃の場合は4日間)を行ったものについては、安心して食べることができます。
旬のホタルイカの選び方!
ここまでで旬のホタルイカについてお話ししてきましたが、ホタルイカを購入する際には旬の中でも特に美味しいものを選びたいですよね。ここでは美味しいホタルイカの選び方についてお話ししますので、ぜひ買い物の参考にしてください。
生のホタルイカの場合
富山などの産地以外ではあまり見かけることのない生ホタルイカです。もし運良く見かけた時にも珍しいからといって買うのではなく、色々なことに気をつける必要があります。
サイズ等もホタルイカの美味しさにとって重要な要素なのですが、何と言っても生ホタルイカに大事なのは鮮度となります。鮮度を見極める上で重要なのが、身の透き通り具合となります。内臓が透けて見えるくらいのホタルイカが新鮮ということができます。
身が白っぽく変色してしまっているものについては避けた方が良いでしょう。また、目が濁っているものについても鮮度が疑われますので、避けましょう。
それらの基準をクリアし、生ホタルイカを購入した際には、鮮度が落ちてしまう前に早めに調理してください。少しでも美味しい状態のホタルイカを食べたいですね。