大事故!オイルマッチと世界的に有名になったネット配信者
なんとこの事故を引き起こしてしまったのは「だーすけ」と名乗る日本人男性。数あるネット配信動画の中でも非常に稀な放送事故となり、今もなおネット上で話題が尽きない事例となりました。その「だーすけ」とは一体どんな人物なのでしょうか。
「だーすけ」とは
「kukuluLIVE」という動画生放送サイトでオンラインゲームなどの動画放送を行っていたという生放送動画配信者で、比較的有名な「ニコニコ生放送」という動画配信サービスでも生放送を行っていたのだそうです。事件発生当時は40歳だったと思われます。
配信中にオイルマッチで炎上
自分の部屋でオイルマッチを使用する動画を生放送中でした。着火の方法がわからず四苦八苦していたらなんと、本体に引火してしまい大慌てのだーすけさん。そこからこの大惨事が始まったのです。「マッチ1本火事のもと」を言葉通りにしてしまったんですね。
世界的おバカニュースに!
大火事に至るまでの過程を全て生放送してしまい、その後YouTubeでこの録画が複製され国内に一気に拡散されてしまいます。すると、イギリスのデイリーミラー紙の報道をきっかけにして彼は世界的な有名人となってしまいました。全世界の人々を目撃者にしてしまったわけです。
だーすけさんが犯した痛恨のミスとは!?
なぜいい大人がマッチ1本の火事を防げなかったのでしょうか。なぜこんなにも世界で有名になるほどおバカな事故を起こしてしまったのでしょうか。そこには「だーすけ」さんの数重なる重大なミスが・・・。実際の動画をもとに検証した原因を一つ一つご説明していきます。
引火性のオイルマッチを使いながらのくわえタバコ!
動画の頭から考えられない行動をとっていました。タバコを口にくわえたままオイルをマッチ本体に補充していたのです。たたでさえ引火性のあるオイルを、あろうことかくわえタバコでいじくるという非常識さですね。しかも、オイルマッチを自分で買ってきたのに使い方を全く知らなかったんです。
オイルをふき取ったティッシュに火のついた芯棒を投入!
その後、ティッシュで軽く適当に拭いただけのマッチ本体を使ってどうにか着火します。どうなるかは想像できますよね・・・。そう、芯棒だけではなく見事オイルまみれのマッチ本体にも引火してしまいました。燃える本体を床へ投げ捨てた次の瞬間、燃えている芯棒をたっぷりオイルを含むティッシュが大量に捨てられたゴミ箱へポイ!
「火に油」ではなく「油に火」を注いだ
たばこを吸っているのだから、普通は近くにあるだろう灰皿へ置いてしまえばこんな騒動にはならなかったでしょう。でも、本体に引火してビックリしていたとはいえ、いくら何でもオイルまみれのティッシュが入ったごみ箱へ火を投入するとは・・・。
「だーすけ、うしろー!!」
落下した本体ばかり気にしていた為、視聴者からの「うしろー!!」というコメントでようやくごみ箱の状態に気付く始末。まだこの段階なら、お風呂場に持っていくなりで直接水をかければ消火できたと思います。さぁ、そして悲劇はまだ繰り返されます。
火のついたごみ箱を燃えやすい段ボールの山に投げ込む!
我を忘れた様子のだーすけさん。どうあっても火を消さなければと、少しずつ火が燃え移っていくごみ袋を段ボールの群れの中にドーン!当然段ボールは紙ですから、燃えているゴミ袋に燃材を追加してしまったことになります。しかも次から次へと上から段ボールを重ね、何とかして火の勢いを止めようともがきます。
火のついた段ボールに酸素を送りこみ火力が増す!
だーすけさんの作戦は見事に失敗!上へ上へ燃え上がる火になんと次は風の力で対抗します。火を弱めようと段ボールを使って扇ぎ出したのです!火を消すときには空気を遮断しなければ、酸素が燃焼を加速させてさらに火力を増してしまいます。そしてついに火はだんだんと部屋の壁にまで燃え移らんばかりに成長してしまいます。
火には水だ!
酸素を得た火は、風に舞ってもう部屋いっぱいに燃え広がってしまいそうなほどの威力に成長してしまいました。そしてようやくこの段階で「火には水」という発想が出てきた模様です。やっとまともに火の力を弱め、消火に至らんと勇み足で水を取りに行ったまでは良かったのですが・・・。
洗面器一杯の水
あろうことか持ってきたのは洗面器。これではまさに「水を差す」程度の威力しか発揮できず、何往復も洗面器で水を運びますが作戦失敗!火はある程度まで燃え広がってしまうと温度が異常に高くなるので少量の水ではすぐに蒸発してしまい、消火することができないんですね。
知識不足であえなく敗戦、世界的な有名人に
だーすけさんのこうした行動によって火は勢いをとどめることなく燃え広がり、木造2階建ての自宅2階部分が焼失、放送はパソコンが動かなくなるまで配信され続け、当時はyahooのトップニュースにも上がり大変な話題になりました。
オイルマッチとは?普通のマッチとの違い
オイルマッチとは一体どのような構造や特徴を持ったものなのでしょうか。きっとだーすけさんも、この記事を読んでから使用していれば安全に動画配信ができたはずです。では、この事故の引き金になったオイルマッチについてお話していこうと思います。
オイルマッチの構造
普通の火薬マッチとは違い、オイルで着火するので金属製のものが多いです。ライターと間違える人もいますが、マッチのように先端部分を本体の側面にある火打石に擦って火をつけるので、マッチというくくりになっています。
半永久的に使える
普通のマッチは1回使い捨てですが、オイルマッチは部品を交換すれば半永久的に使用することができます。当然、木製のマッチでは実現することができないこの特徴は金属製であることの大きな強みですよね。
オイルマッチの用途
普通のマッチは木材を使いますし燃えカスがゴミになりますが、どちらも無縁なオイルマッチは地球環境にやさしいのでアウトドアやキャンプにも適した発火器具です。クールでお洒落な印象も強く、人とは違うスタイルでちょっとしたステータスに浸れるのも魅力です。
オイルマッチを使うメリット
そんな環境にやさしいオイルマッチ、芯棒を火打石で擦って火種を作るのには結構慣れが必要です。だーすけさんも始め着火するのにとても苦戦していましたからね。メンテナンスにも少々手間がかかるので一見使いづらそうな印象を受けてしまいます。オイルマッチを使用するメリットとはどのようなものなのでしょうか。
金属製なので折れにくい
普通のマッチは芯が木製なので、着火するときに折れたりします。最近はほとんどのマッチの芯に使われる木材はあまり質の良くないものが多いらしいです。その点オイルマッチは金属製ですから、よほどのことがない限り折れたりはしません。
天候に左右されない
普通のマッチとは違い多少の雨や風に打たれても消えづらいというメリットがあります。やはりアウトドアシーンにも向いているといえますよね。それぞれを比較したときに一番の強みといえるのが、この特徴ではないでしょうか。
安定した火力
普通のマッチは着火した瞬間に火薬部分が勢いよく燃えますが、その後は木材に火が移ってきます。だんだん火力も弱くなってしまいますし、使用できる時間もせいぜい15秒くらいでしょう。一方のオイルマッチは綿に含まれたオイルが常に一定の火力を保ち続けてくれるのです。
しっけないため災害グッズとしても便利
しまっておいたマッチがしっけてしまい使い物にならなくなってしまった、なんていうご経験もあるかと思います。雨に強いオイルマッチは湿気にももちろん強いですから、いざという災害時なども活躍できるんです。
オイルマッチを安全に使うための注意点
使い方によっては事故にも繋がりかねないオイルマッチ。だーすけさんの動画に関しても決して笑い話で済ませてはいけない、ある意味注意喚起にもつなげなければいけない大切なことです。今回の動画をもとに、オイルマッチを使用する際の注意点をご説明します。
オイルはきれいに拭き取る
まず彼が一番最初に怠った「本体に付着したオイルをしっかりと拭き取る」ことです。これにより本体への引火を防ぎます。拭き取るときはティッシュのような燃えやすい紙ではなく、雑巾や手ぬぐいなどの方が比較的好ましいです。
周りに引火しやすいものを置かない
次に「引火性のものを周りに置かない」ことです。彼の場合はくわえタバコをしながら使用していたので言語道断ですね。オイルを拭きとった紙や木綿だけではなく、オイルそのものや塩化ビニールなども引火しやすいので使用する際は遠ざけましょう。
屋内では使用しない
この記事を読んで、火を屋内で使うことに少しでも抵抗を感じて頂けたかと思います。またオイルマッチは、一定の炎が長時間持続するので「屋内での使用」はしないで下さい。今回の動画の大事故は、これら3つの注意点を守ってさえいれば絶対に防ぐことができたはずです。
オイルマッチの使い方
これらの注意点に気を付けたうえで、正しく安全な使用方法を知っておくことも事故やケガを防ぐための大きな要因になります。購入したばかりの未使用オイルマッチへの対処やオイルの注入、着火・消火のそれぞれについてご説明します。
オイルの注入方法
まず芯棒を取り外し、本体にオイルを注入します。中が見えにくいので芯棒を戻したときにオイルが溢れてしまうこともありますが、しっかり拭き取ればOKです。その後しばらく放置して本体を乾かしましょう。溢れたオイルが気化するので安全に使用できます。
オイルマッチの付け方
本体側面にある火打石にマイナスドライバーのような形をした芯棒の先端を合わせて擦りつけます。火花は出るけれど着火しないという場合は芯棒の綿にオイルが浸透していない可能性もあるので、本体に一度戻してから再度行ってみましょう。
初回はコーテイングを削る
購入したばかりのオイルマッチは、出荷などの摩擦で事故が起こらないよう火打石がコーティング剤で保護されています。このコーティング剤を削らなければ火をつけることができません。専用の器具がないので、目の細かいサンドペーパーなどを使用しましょう。
つけるときにオイル口をふさぐ
着火するときに本体のオイル注入口をしっかりと押さえずに着火すると、オイルが漏れてしまい本体や衣服に付着してしまいます。もしそうなっても、決してその状態のまま再び着火せずしっかりと拭き取ってから使用して下さいね。
オイルマッチの消し方
着火方法には色々とコツがありましたが、これでスムーズに行えると思います。着いた火はしっかりと消さなければいけませんので、次は消火方法をご説明します。着火ほど難しくないですが、若干勇気の必要な消火方法もあります。