体はヌルヌルとした粘液で覆われていて黄色味がかった茶色をしています。鱗は小さく、体側中央に黒い斑紋があります。タカハヤに比べて尾びれのくぼみが深い点や、頭部の幅もやや狭くてスマートな点、鱗が細かい点などで区別できますが、これらの特徴も個体差が大きいため間違いやすいようです。
アブラハヤの地方名
ハヤ、ヤマガオ、ドロクソ、クソッパヨ、ニガザコ、アブラッペなど、地域によって数々の異名を持ちます。「クソ」などあまり良い呼ばれ方をしていないのは、餌を横取りする邪魔者として釣り人から毛嫌いされていたためです。しかし現在では子供でも簡単に釣ることができるため、釣りの対象として人気が出てきています。
アブラハヤの生息地
アブラハヤは湖沼や河川の中で比較的水温の低い場所を好み、中流から上流の淵など、流れの緩いよどみに生息することが多いです。成魚は岩や柳の下などに隠れ場を持っており、基本的に群れで行動します。中部地方でタカハヤと共存している場合は、タカハヤが上流側に、アブラハヤが下流側に棲み分ける場合が多いです。
アブラハヤの分布
国内では、日本海側は青森県から福井県にかけて、太平洋側は青森県から岡山県にかけての本州にのみ分布しています。また国内のみならず、朝鮮半島の日本海側と中国東北部にかけても分布します。