即ち強度のある結び方の場合は、根掛りした時にリーダーや鯛ラバ等をなかなか切ることができません。本来は切れないのが強みですが、この場合はロッドをそのままにしていると折れてしまいますし、あるいは焦って糸を素手で切ろうとして手を切るなど怪我をしてしまいます。
Contents
電車結びの結び方の手順を解説!
ここでは、電車結びの実際の結び方を5つのステップに分解し順に解説していきます。
電車結びの結び方: 手順①
上図のとおり、結びたい2本[赤と白]の糸を、両者の端間隔を15cm程にして並行に揃えます。
電車結びの結び方: 手順②
上図のように、赤糸の端を持って赤糸と白糸の手前で下から上に向かって時計回りにぐるっと一周ル-プを作ります。
電車結びの結び方: 手順③
上図のように赤糸の端を持って、最初につくったル-プの範囲内にて、赤白2本の糸を一つとみなし、その背面側から手前へくぐらせるという動作を3~5回ほど繰り返し、最後に巻きつけを軽く締めて終わります。すると各結び目のところで3~5個のコブができたように見えます。
電車結びの結び方: 手順④
上図のように、今度は白糸の端を持って上から下へ向かって、やはり時計回りにル-プを作り、上記手順②と手順③と同じことを対称的な形で繰り返します。こちらも最後は、巻きつけを軽く締めます。
電車結びの結び方: 手順⑤
最後に結び目を少し濡らし、赤糸と白糸を左右にゆっくりと引っ張り締める。余分な糸は切り取って完成です。注意点は、締め込む時は徐々に力を加える点と、最後のカットは先端を長めに残すことです。いきなり力を入れて締め込むと切れる恐れがあります。又、ギリギリにカットすると、締め込みが緩い場合はスッポ抜けることがあります。
もっと詳しく知りたい方はこちらもご覧ください
電車結びはPEラインでも使える?
現在釣り糸の中でも主流をなしよく使われるPEラインと電車結びは相性が悪いと言われますが、両者を組み合わせて使える場面はないのでしょうか?そのあたりを少し説明しておきたいと思います。
PEラインのメリット
ここで少し「釣り糸素材」の話をします。現在では、以前主流だったナイロンやフロロカーボン素材のものに代わって、「PEライン」が主流になっています。これは、ポリエチレン[Polyethylene]素材の細い糸を数本編み込み作られる撚り糸です。
他素材の釣り糸に比べ多くのメリットを持ちます。まず、ナイロン糸と比べ約3倍程の強度があるなど、現在の釣り糸の中ではダントツの強度を誇ります。又、強度が強い分細い糸を選択することも可能となります。さらに、伸びがほとんどないことから、「高感度で吸水性がなく紫外線劣化も極めて低い」というメリットも持ちます。
PEラインのデメリットと電車結びとの相性
一方、デメリツトですが、耐摩耗性が極端に低く、引っ張ってもなかなか切れないものの、キズにより簡単に切れてしまうことです。「電車結びとPEラインの相性」という視点で見ると、先述したように電車結びでは、「結び目が大きくなりやすくここで切れやすい」というデメリットがあることを考慮すると、相性はあまりよくないようです。
逆にPEライン側から言えば、「FGノット」や「ミッドノット」など摩擦系ノットと呼ばれる、 非常に高い結束強度をもち結び目がコンパクトな結び方が合っていると言えます。但し、この結び方の難易度はやや高く、釣り初心者向きとは言えません。
結局、電車結びは初心者向けでベテランには不向き?
これまでの説明から、結局のところ電車結びというのは初心者向けであって、大物狙いやベテランの釣り者には役に立たないものに思われますがそうなのでしょうか?決してそうではないという電車結びの名誉挽回のお話をしておきます。
ひと手間かければ十分使える
簡単、迅速に結べるという電車結びのメリットは、勿論初心者のみならずベテラン者にとっても魅力的です。特に頻繁に魚釣に出かける方や実践派と言われる方ほど有効なやり方と言えます。従ってやや大型魚釣りで、PEラインとリ-ダ-の結束に電車結びを使うベテラン者は少なくありません。
但し、電車結び単独では強度という点で問題がありますので、電車結びで結んだあとにハーフヒッチ[編みこみ]を10回ほどやっておくというひと手間かけて補強する必要がありますが、これで十分いけるようです。
魚釣り以外でも使える電車結び
電車結びが役立つのは、何も魚釣り場面に限った話ではありません。日常生活で、短い二本のロ-プを結んで長い丈夫なロ-プにしたい場面に遭遇したら、これは役立つ知恵に違いありません。
例えばキャンプ場へ行って、テントを張ろうしてロ-プの長さが足りなくなったとか、あるいは荷造りをしていて縄をかけようとして長さが足りなくなったとかあるでしょう。そんな時に、他種類のロ-プでもあればそれを使って、先に説明した電車結びの結び方の手順で一本の代用品ロ-プを作りねピンチを脱することもできましょう。
釣りをするなら, 電車結びは必ず覚えておこう!
電車結びは、確かに摩擦系ノットに比べ結束強度面で劣りますが、初心者にも構造がわかりやすく、簡単に覚えることが出来、いざというとき素早く結べることから、タイミングを失することがない結び方です。従って、急激な負荷がかかる大物釣りには適しませんが、エギングやアジング、メバリングなどライトゲ-ムの釣りには向いています。
前節で、電車結びとPEラインの相性はよくないと言いましたが、それでもエギングなどの沖釣りなどでは、太さに違いのあるPEライン同士や太いフロロカーボン製リーダーとPEラインの道糸を結ぶ際に有効など汎用性が高いので、釣り初心者にはまず覚えてもらいたい結び方です。
電車結び入門編はこちらをご覧ください
PEラインについてはこちらをご覧ください