ポヴェーリア島は幽霊に呪われた島?忌まわしい歴史と島のゆくえ

イタリア・ヴェネツィアの南に位置する島、ポヴェーリア島。2014年、イタリア国家はこの島を99年間の貸与という条件で競売にかけました。「世界一危ない島」「呪われた島」、そう呼ばれているこのポヴェーリア島とはいったいどんな島なのか?呪いの真相を調査しました。

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ポヴェーリア島とは?ただの島とは呼べないその歴史と事件

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イタリアのヴェネツィア沖にある小さな島がポヴェーリア島です。この島は歴史が古いですが、19世紀ころから普通に島民が住む状況ではなくなりました。この島の歴史とこの島が恐れられるようになった事件を追ってみます。

9世紀ごろは人々が暮らしている島だった

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この島はヴェネツィアの潟(ラグーナ)の中にあります。ヴェネツィア本島から見ると南方向のそう遠くない所にあります。面積は約17エーカーで東京ドームが2個ほどの広さです。421年にまとまった人が入った記録があります。その後、9世紀にはヴェネツィア共和国の管理下に入り、人口も多くなっていきました。

無人島からペスト患者の隔離収容施設用の島へ

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ヴェネツィアの宿敵であるジェノヴァ共和国の艦隊の攻撃を受けたこの島に、要塞が建設されたのは1379年です。この時、住民は強制的に追い出され、その後無人島となりました。島は1776年にヴェネツィアの公衆衛生局の管理下になり、出入りする船の検査所となりました。

1793年になって、ここに立ち寄った2隻の船にペスト患者が発見されたことから、島は隔離収容施設になりました。折からのペストの流行により、島へは患者が隔離目的で次々に送り込まれるようになりました。

島の写真

島は3つのパートから成り立っています。南の島には病院や教会があります。水路をはさんで、北の島があります。ここには建物はなく、木立がありあとは野原になっています。二つの島は橋で行き来ができます。南の島の隣には要塞があり、ここには橋がかかっていないので、行けません。

ポヴェーリア島の土の半分は遺灰?見つかった人骨と死者の数

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この小さな島には、驚く程の数の人骨が埋められているそうです。もちろんこの島までわざわざ人骨を運んで来て埋めたのではありません。この島に来るときは生きていた人間が、この島で亡くなったのです。

数世紀にわたり死者は16万人を超える

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この島はペスト(黒死病)が14世紀に大流行していた頃には、ヴェネツィアの海上検疫所になっていました。当初30日だった留置が後に40日に延長されました。この間にも死に至る人の数はおびただしくなり、この島で命を落とした人は数世紀で16万人に上るといわれています。このため、足を踏み入れてはいけないとも言われてきました。

島中に遺体が埋まっていると言われている

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