ブレサリアンという生き方
人間が生命を維持しながら生きるためのスタイルは人それぞれ違います。そんなひとつのスタイルとしてブレサリアンというがあることをみなさんはご存知でしょうか。あまり聞いたことがないという方のほうが多いとは思いますが、あらゆるスタイルの中の一つとしてブレサリアンがあります。
ブレサリアンとは?
このスタイルを簡単に説明しようとするならば、食事をしなくても生命維持を行うことを可能にする人の事をいいます。語源はbreath=呼吸、-arian=何かをする人、つまり「呼吸をする人」と言われています。
呼吸をするということは生物が生きるための過程において当たり前のことですが、私たちが食物を口にするのと同じく、呼吸による空気を食事と置き換え生命の維持をしている人なのです。
ブレサリアンは太陽光から栄養を摂る
道端に生えた雑草や花はなぜ人間が手を加えなくても成長するできるのでしょうか。それは、自然界から与えられた力によって成長することができるからです。それと同じ方法で、植物と同じように太陽から光によって栄養を得る(光合成)ことにより生命の維持を可能とします。
ブレサリアンは全くの健康体!
ごく普通のことですが我々は、健康的な体を維持するために食事をすることでエネルギーを摂取しています。もし、食事をしなければどうなるでしょう?栄養失調に陥り死に至ってしまうと思われますが、彼らは食事をしなくても健康な体を維持しているのです。
ブレサリアン以外にもたくさんある!食事スタイル
ブレサリアンという分類が生きるための食事スタイルのひとつとされるのであれば、人間には多種多様の食事スタイルがあります。信仰上の違いもありますが、私たち人間が生きるための食事スタイルにはその他にどんなスタイルがあるのでしょうか。
ベジタリアンとヴィーガンの違い
菜食主義者として知名度の高いのがベジタリアンです。しかし、単なるベジタリアンだけではないことをご存知でしたか?それが、ヴィーガンです。肉や魚は食べず、野菜や卵、乳製品を食すのが一般的なベジタリアンです。
ヴィーガンはベジタリアンの食事スタイルから卵や乳製品といった動物性食品も食さないといった徹底した完全菜食主義者なのです。
フルータリアン
その名の通り、果物や種といった食物のみを食す果物主義者がフルータリアンです。フルータリアンは動物の生命を奪ってしまう動物性食品に加え、植物の生命を奪う行為ともなる植物をも摂取することを行いません。
殺生をせずに自分の生命を維持するというベジタリアンやヴィーガンよりも厳格であるとも言えます。
リキッダリアン
固形物を食することなく、水や液体食だけを摂取するというスタイルがリキッダリアンです。固形物を摂取しなくても生活することができるのはなぜか?という疑問を持ってしまいますが、果物や野菜を液体化した物から栄養を摂取することで健康的に生活ができるのです。
ブレサリアンは世界に数千人いる
不食の生活を送るということは食事をする私たちからは想像を絶するでしょう。しかし、私たちが住む地球上にはそのような謎めいたスタイルで生活を送っている人が1人や2人ではなく数千人ほど実在していると言われています。
ブレサリアンという生き方は可能?
過剰なダイエットによって拒食症になってしまったという人を見たことがありませんか?体が皮と骨のように瘦せこけてしまい、髪の毛が抜け落ち肌はボロボロになるという症状に苦しみます。
食事をしないという生活を送っているブレサリアンは実際に生きることが可能なのでしょうか。体に悪影響を与えることはないのでしょうか。
人間が生きるために必要な栄養素
人間にとってタンパク質、脂肪、炭水化物は三大栄養素として不可欠となります。それは食事から摂取をすることができます。栄養素がなければ人間は病気になり、精神状態も不安定になってしまい生命の維持に危険をさらします。
しかし、食物を通して栄養を摂取することがなくても生き続けることが可能であるという、生命維持とは矛盾をした生活を送っています。
ブレサリアンは食べる必要がない
私たちは食事をしなければ生き延びることは不可能という考えを持っており、それが当たり前の生活です。それに対し、食物をしなければ死を招き入れるという固定観念がないのが大きな違いです。
つまり、意識的に食べることを我慢しているわけではなく、食べる必要がないのです。
70年ブレサリアンを貫くヨギ「プララド・ジャニ氏」
実在するブレサリアンは一体どこにいるのでしょう。インドには70年という長い歳月をブレサリアンとして生活を送っているヨギ(ヨガ信者)のプララド・ジャニ氏という人物がいます。
70年間のベテランブレサリアン
ブレサリアンの神とも言われるプララド・ジャニ氏は、70年前から断食生活を送っています。彼は1940年、11歳の時にカリ、ラクシュミー、サラスワティーという3人の女神のお告げにより断食を始めたのです。
インドで病院に軟禁され24時間監視される
本当に不食の生活を送っているのに生き伸びることが可能なのかという事で、2003年に彼はインドの病院に軟禁され30人もの医師に15日間という期間24時間の完全なる監視が行われました。
食事も排泄もしないことを確認
多くの医師が疑い監視を続けましたが、結果として監視期間中に食事を摂ることも排泄をすることさえもしなかったと言われています。唯一液体と接触することがあったのは、うがいをする時とお風呂の時間だけだったとの実験結果が証明されました。
アメリカのブレサリアン夫婦
アメリカには夫のアカヒ・リカルドさんと妻のカミラ・カステロさんが夫婦でブレサリアンとして生活を送っています。10年以上もの間、夫婦でこのようなスタイルを送っているという事は大変珍しいですが、彼らは一体どのような生活を送っているか気になります。
結婚後に始めたブレサリアニズム
お二人は元々、普通の食生活送って生活をしていました。2008年に結婚をし、お互いの友人を介してブレサリアニズムを知ることとなりました。その後、彼らの食生活は週に数回の野菜スープを飲み、フルーツをひとかけ口にするだけなのです。
そんな生活を送っていて大丈夫なのかと心配になってしまいますが、食事をしないことにより健康面もメンタル面も安定し、食費を節約できる分旅行などを楽しむ生活ができると語っています。
ブレサリアンを貫いた妊娠生活
夫婦にはお二人のお子さんもいらっしゃいますが、妻のカステロさんは妊娠中であっても生活スタイルを変えることはしませんでした。妊娠中は自分の体だけではなく胎児への栄養不足による影響も心配されますが、カステロさん曰くお子さんがお腹の中で育つための栄養は母親の愛があれば十分とのことです。
お二人のお子さんは、定期検査でも異常がなく普通に生活を送っている妊婦さんと同じようお腹の中で成長し元気にこの世に生まれてくることができました。
子供たちは普通の食生活
この夫婦のもとに生まれたお子さんたちですが、この夫婦はお子さんたちにブレサリアンを強要していません。お子さんたちは好きな物を食べたり、ジュースを飲んだりと普通の食生活を送っています。
お子さんたちはブレサリアニズムについて理解はしているようですが、お子さんたちの成長の過程において食べ物との関係性を尊重しているようです。
ブレサリアンになる方法
普通の食生活を送っている私たちからは、食事を断つということはあり得ないこととしか思えません。では、もし私たちがブレサリアンとして生きていくためにには、どのような過程を辿っていく必要があるのでしょうか。
徐々に体をブレサリアンに慣らしていく
何事をするにして同じですが、最初からパーフェクトに何かをすることは不可能です。スポーツや勉強など食事に関わらないことであっても、段階を踏んで自分の身についてきます。
それと同様に、最初から不食の生活を始めるわけではありません。最初から完璧に食事を断ってしまえば生命を危険にさらしてしまいます。徐々に食事をせず生活をすることに体に慣らしていかなけらばいけません。
21日間のブレサリアンプロセス
ブレサリアンになるための期間として、21日間のプロセスが必要不可欠になります。まず、最初の1週間は浄化の週として空気以外の口にすることをしません。静寂に時を過ごします。その後、次の2週間で水と薄めたジュースを飲みます。
しかし、このプロセスは最初から行うのではなく下準備としてベジタリアン→ヴィーガン→フルータリアンとゆっくりと食生活を変化させていく必要があります。
専門家の指導のもと行う
現代社会はインターネットなどで簡単に情報を得ることができます。プロセスに関してもネットを介せばわかることが可能です。しかし、ここで注意すべきこととして、そういった情報のみを信じ理解したと思わないことです。
人間の心理として一度見た情報を理解したと勘違いしてしまいがちです。専門的な知識がないまま個人でプロセスを開始するのは危険と隣合わせになってしまいます。必ず専門家の指導のもとに行いましょう。
ブレサリアンになる過程で死亡するケース
このスタイルが必ずしも成功するとは限りません。ブレサリアンの成功例を見ると徐々に食事を減らすだけという簡単な方法に思えてしまいますが、安易なことではないと知るべきなのです。安易な考え=死亡に繋がるという事も理解することが重要になります。
スイス人女性の餓死事件
食事とは人間が生きる糧として必要不可欠ということは誰しもが理解しています。しかし、宇宙からのエネルギーで生活をしている人物が実在しているということをドキュメンタリー映画や書籍で知ったスイス人の女性がいました。
その女性は書籍をもとに個人的にプロセスを開始しました。しかし、女性の体は健康になるどころか衰弱の方向へと向かいました。家族が中止を求めましたが、プロセスを貫いた結果として餓死という痛ましい結果になってしまったのです。
ブレサリアン実行で4人の死亡が確認されている
死亡例に関してはスイスの女性だけではありません。現段階で報告されているだけでも、4人の死亡例があります。もしかしたら、報告がないだけでもっと多くの死亡例があるかもしれません。