ナメクジを食べた男性が死亡
ナメクジを生で食べた男性が8年間の闘病の末29歳という若さで亡くなりました。このニュースを報じたのはオーストラリアの現地メディア「9NEWS」です。メディアによるとナメクジを食べたのはサム・バラードさん。ナメクジを食べた当時は体格も立派なラクビーの選手だったといいます。彼はナメクジによって人生を壊されてしまいました。
ナメクジを食べたオーストラリア男性
彼がナメクジを食べたきっかけはちょっとしたおふざけ。友人とのバーベキューの最中にテーブルの片隅をナメクジが這っていたといいます。「食ってみろよ」という話題になり、お酒の酔いも手伝って彼はナメクジをそのまま飲み込んでしまったそうです。
昏睡状態420日間
彼の体は、ナメクジを飲み込んだ直後には特別な症状はありませんでした。ところが数日たつと体に異変が現れました。脚に凄まじい痛みが襲いかかったのです。あまりの痛さに恐怖を覚えた彼は直ぐに病院で診察を受けます。診察の結果は、ナメクジを食べたことが原因による症状だとわかりました。
病院で420日昏睡、退院できたのは3年後
彼は病院で治療を受けましたが、残念ながら昏睡状態になるまで病状は悪化してしまいます。昏睡状態とは、外部から刺激を与えても反応がない状態です。そんな状態が何と420日に及びました。その後奇跡的に意識が回復し、3年後には退院することが出来ました。
意識は回復したが体はマヒ
意識が回復しましたが彼の体には重度のマヒが残り、24時間の介護が必要でした。8年間の闘病生活。退院してからは車いすの生活が続きます。そして、2018年ナメクジを食べ、そこに寄生していた恐ろしい寄生虫が原因で29歳の若さで悲痛の最後を迎えました。
ナメクジにいる寄生虫とは?
サム・バラードさんの死因はナメクジを「生」で食べたことによるものです。あの小さくてぷにょぷにょした生物の何処に人間を死に至らしめるような攻撃力が隠されていたのでしょうか。彼を攻撃したモノはナメクジよりも小さな生物でした。
男性が亡くなった理由は広東住血線虫
ナメクジに寄生し人間を殺してしまうほどのパワーを発揮するのが「広東住血線虫」です。約20~30mmの線上の寄生虫でネズミの体内にいます。血管の中で産卵される虫卵は、血管の中で幼虫に孵化します。この幼虫は胃や腸を経て体外へ「糞」となって排出されます。
人間の体内に入るとどうなる?
この寄生虫が人間の体内に入ると髄膜脳炎と呼ばれる症状をひきおこします。適切な治療を受ければ、ほとんどの場合は重い症状にならずに快方に向かいますが、過去には日本でも死亡例があり安心できません。
広東住血線虫はもともとネズミが宿主
ネズミの体内に生息する生物がなぜナメクジに潜んでいるのでしょう。寄生虫には中間宿主と呼ばれる別の生物に潜んでいる時期があります。その時期がナメクジやカタツムリ。ネズミの排泄物に含まれた幼虫がナメクジやカタツムリに一時的に潜んでいるのです。このナメクジに触わったり、食べたりることで人間にも感染します。
広東住血線虫の生息域
この寄生虫は、東南アジアの熱帯や亜熱帯に多く生息しています。ナメクジやカタツムリの他に、カエルやタニシやエビからも広東住血線虫が検出され、中間宿主になっていることが分かっています。日本でも全国の港湾のネズミから広東住血線虫が検出されています。
日本にもナメクジを食べて感染した例がある
我が国で最初に広東住血線虫に感染した症例が報告されたのは1964年の沖縄でした。その後現在までに広東住血線虫に感染して国内で治療を受けた人数は54名です。そのうち1名が亡くなっています。亡くなったのは沖縄在住の7歳の女児です。
安全にナメクジを食べる!その方法とは?
ナメクジには死を呼ぶ細菌が潜んでいる可能性があります。だからと言って食べれないわけではありません。適切な調理をすれば食べても大丈夫です。もし、あなたがナメクジを食べるのなら必ず守らなければいけないことがあります。それは「加熱」するという事です。
ナメクジの内臓は捨てる
ナメクジは内臓は捨てます。内臓に危険な広東住血線虫が潜んでいる可能性があるからです。成虫なら目視もできますが幼虫は目視では判断できません。また、糞があると苦味やえぐみの原因になりますので、食べる前にはナメクジに絶食させ糞を排出させておくことがおすすめです。
ナメクジをしっかり加熱
ゲテモノや昆虫を食べることを「趣味」にしている人は結構たくさんいるようです。そんな趣味を持つ人たちが安全に昆虫を食べるためには「加熱」が非常に重要だと証言します。決して面白半分で生で食べるようなことはしてはいけません。
ナメクジを食べることをおすすめするわけではありません
ナメクジの食べる方法を紹介しましたが、決してナメクジを食べることを推奨するものではありません。昆虫食の専門家には今まで食べなかったものを口にする事は「食のイノベーション」だと主張する人もいます。もし本気でナメクジを食べたいのなら、専門家のアドバイスを受けることを強くおすすめします。
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沖縄では食用目的でナメクジが養殖された時期がある
日本でもかたつむりを養殖していた地域があります。それが沖縄です。沖縄では世界最大級のカタツムリのアフリカマイマイを沢山見ることが出来ます。このカタツムリは食糧不足を解消するために日本へ輸入されてきたものでした。
1930年沖縄にアフリカマイマイがやってくる
1930年大東亜戦争の始める前に沖縄の食糧不足を改善するためにアフリカマイマイが輸入されてきました。約10年間の試験養殖の末、戦争のどさくさにまぎれ野外で繁殖し現在では害虫化しています。食糧不足改善の目的で同時期に日本に輸入された外来生物は意外とたくさんいます。代表的なものをあげてみましょう。
- ブラックバス
- ウシガエル
- アフリカマイマイ
- アメリカザリガニ
- ヤギ
鉄腕ダッシュで害虫化したアフリカマイマイを食べる企画が放送
人気テレビ番組の鉄腕ダッシュでは、厄介な生物を調理して食べるという企画の中で沖縄のアフリカマイマイが取り上げられました。番組では「死のカタツムリ」とアフリカマイマイの危険を説明しながら、最終的には調理して食べました。非常に反響が大きくネットでも大きな話題となりました。
そもそもナメクジって?実は巻貝の一種
ナメクジは貝殻がありませんが実はれっきとした貝類の仲間。肺もあって空気を呼吸しています。子供たちに人気のカタツムリと同じ仲間になります。見た目はぬるぬるして気持ちが悪く、危険な寄生虫を宿し、農産物を食い荒らす害虫でもあります。