シャグマアミガサタケは毒抜きできることをご紹介しましたが、海外では食用として料理の食材にしている国があります。グロテスクな見た目からはちょっと信じがたいですが、どのように食べられているのか、食材として手に入っても気を付けなければいけない点をご紹介します。
フィンランドではよく食べられる高級食材!
ヨーロッパの一部では、シャグマアミガサタケを毒抜きして食べられています。特にフィンランドでは、様々な料理によく使われる高級食材として知られています。うま味が濃いため、バターソテーなどの炒め物や肉料理、オムレツなどにも合うので、とても万能な食材です。
毒性があるけれど、食べられるものといえばフグも思い浮かびます。ハコフグも毒はありますが、美味で高級な食材として大変人気です。こちらの記事に詳しく書かれていますので、興味のある方は読んでみてください。
記載を注意深く確認すべき !
ヨーロッパではシャグマアミガサタケが缶詰でも販売されています。その際に注意してほしいのが、毒抜きされていないものも売られているということです。毒が含まれることを明示し、毒抜きの方法を記載すれば、そのまま販売することが可能なのです。購入する際には必ず缶詰の記載を読み、毒の有無と毒抜き方法についてきちんと確認してください。
シャグマアミガサタケを使ったおすすめ料理
ヨーロッパの一部地域ではシャグマアミガサタケが食べられていることをご紹介しましたが、では実際に食べる際はどのように調理するのがいいのでしょうか。いくつかおすすめの料理をご紹介したいと思います。
おすすめ料理①
まずはシンプルにソテーしてみるのがおすすめです。バターソテーももちろん合いますが、シャグマアミガサタケはうま味の強いので、オリーブオイルと塩だけでも十分味わえます。バターソテーにする場合は、ほうれん草や小松菜と合わせ、サラダ油と塩胡椒で炒める場合は、玉ねぎやベーコンと合わせるととても相性がいいです。
おすすめ料理②
先ほどはシンプルに炒めましたが、甘辛炒めもとてもおすすめです。まずは鷹の爪を刻んで、フライパンで生姜と一緒に熱します。そこにシャグマアミガサタケと玉ねぎ、豚肉を加えてごま油で炒めてみましょう。濃い味の炒め物にも合うので、にんにくを加えてもいいでしょう。
おすすめ料理③
次におすすめするのは、クリームパスタです。玉ねぎやほうれん草、ベーコンなどお好みの具材と一緒にシャグマアミガサタケを炒め、牛乳と生クリームでホワイトソースを作ってみましょう。そこにゆでたパスタを混ぜたら、できあがりです。粉チーズやブラックペッパーをお好みで振りかけてもいいでしょう。
おすすめ料理④
最後はフィンランドでも食べられているオムレツです。シャグマアミガサタケを玉ねぎやソーセージなどのお好きな具材と一緒に炒めます。この際、食材はなるべく細かく切っておきましょう。卵で包む際には、ピザ用チーズなど溶けるチーズを混ぜるとお子さんも喜ぶ味に仕上がるのでおすすめです。
名前の似ているアミガサタケとの違いは?
シャグマアミガサタケと名前の似ている「アミガサタケ」というキノコがあります。名前からは仲間のような気がしてしまいますが、こちらは毒性はなく食用キノコです。シャグマアミガサタケとアミガサタケの違いについてご紹介します。
共通点
生息地はどちらも北半球の温帯以北で、発生する時期も春で同じです。アミガサタケの方が日本で見られる場所が多いでしょう。見た目は、アミガサタケも柄の部分は白~クリーム色、笠の部分は赤褐色などの茶系のため、色はシャグマアミガサタケと近いです。全長も5~10cmと同じくらいで、共通点も多いです。
相違点
名前はかなり似ていますが、この2つのキノコはともに「チャワンタケ目」ではあるものの、そこから先の分類は異なるため、「仲間」というほど近くはありません。また、アミガサタケの笠は名前の通り網目状でハチの巣のようになっています。笠の模様を確認すればシャグマアミガサタケと見間違えることはないでしょう。
他にはどんな毒キノコがあるの?
シャグマアミガサタケのように毒を持ったキノコは他にもたくさん存在します。その中でもシャグマアミガサタケと同じように場合によっては死に至ってしまうような毒性の強いものや食用にもなり得る毒キノコをご紹介します。また、毒性を持つ生物はキノコだけではありません。こちらの記事では猛毒のクラゲに関して書かれています。
危険度の高い毒キノコ
世の中にはシャグマアミガサタケよりも毒性の強い毒キノコが多数存在します。その中でも「猛毒キノコ御三家」と呼ばれている危険度の大変高い3種類をご紹介します。特徴をおさえて誤って摂食することのないように注意しましょう。
ドクツルタケ
最も危険と言われているのが「ドクツルタケ」です。真っ白な見た目で、柄の部分がささくれで覆われているのが特徴です。潜伏期間が長いと1日で、その後に腹痛や下痢の症状が現れますが、それも1日でおさまることから、気付きづらいことが死につなげてしまいます。その後、肝・腎臓機能障害を起こし、処置をしないと死に至ります。
カエンタケ
他には「カエンタケ」も有名です。その名の通り火炎のような見た目で、こちらは食さなくても触っただけで皮膚が爛れます。食した場合は、皮膚だけでなく呼吸困難や多臓器不全、小脳の萎縮により後遺症が残る場合もあります。
タマゴテングタケ
最後は「タマゴテングタケ」です。見た目はあまり毒キノコのようなイメージはなく、笠がオリーブ色です。摂食すると約1日の潜伏期間を経て、激しい嘔吐や下痢の症状が現れ、のちに臓器の細胞が破壊されてしまい、死に至ります。
食用になる毒キノコ
シャグマアミガサタケのように食用になる毒キノコは大変珍しいですが、他に食べられる毒キノコで有名なのが「ベニテングタケ」です。見た目は、毒キノコと言われて思い浮かぶイメージの通りで、赤い笠に白いイボがあります。こちらも旨みが濃く、とても美味しいと言われていますが、毒抜きは抜かりなく行ってください。
シャグマアミガサタケは十分注意して食べるべき!
いかがでしたでしょうか?シャグマアミガサタケは猛毒のキノコなので、扱いには十分に気をつけてください。ですが、とても美味しいというのも事実であるため、一度試してみてもいいと思います。毒抜きだけはしっかりと行うようにしましょう。
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