シャグマアミガサタケは猛毒キノコ!毒抜きすれば食べられて美味って本当?

猛毒が含まれているシャグマアミガサタケが食べられることを知って、驚く人がたくさんいます。ただし、食べる時には必ず毒抜きが必要です。この記事では、シャグマアミガサタケの毒性、毒抜き方法について詳しくまとめました。

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シャグマアミガサタケとは?

シャグマアミガサタケがどんなキノコかご存知でしょうか。知らずに採取してしまうと大変なことになってしまうので、まずは特徴をよく知っておくために、見た目や有毒成分について詳しくご紹介していきます。

脳みそみたいな猛毒キノコ

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強い毒を持つキノコの一種で、見た目は、柄の部分は白~クリーム色、笠の部分は赤褐色などの茶系のため、食用のキノコと色合いは近いです。しかし、大きな特徴として、笠が脳みそのようにシワシワになっています。そのシワシワな見た目から少し気持ち悪い印象を与えています。

北海道と本州に生息

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生息する地域は、北半球の温帯よりも北と言われているため、日本でも発見されています。主に北海道や東北、関東、中部地方の高山地域で見られ、針葉樹に発生するため、スギやマツ、ヒノキなどの林で発生しています。

ジロミトリンとモノメチルヒドラジンが猛毒成分

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有毒成分となっているのは、ジロミトリンという成分です。ジロミトリンは0.1~0.2%程度含まれていて、沸騰すると加水分解されてモノメチルヒドラジンという成分になります。このモノメチルヒドラジンも強い有毒成分です。

シャグマアミガサタケの大きさと特徴

シャグマアミガサタケがどのようなキノコかわかりましたでしょうか。笠の見た目がとても特徴的なので、見分けはつきやすいかもしれませんが、大きさや発生する時期など、もう少し詳しくおさえておきましょう。

大きさ

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個体によって差はありますが、シャグマアミガサタケの笠の大きさは直径約3~10cmで、柄の長さは約2~5cm、全長は約5~8cmです。そんなに大きいキノコではありませんが、稀に8cm以上の個体も存在しています。

早春から初夏に発生

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発生する時期は、春の初めから初夏頃と言われています。先ほど北海道と本州の高山地域に生息することをご紹介しましたが、今までには富士山や浅間山、白根山など日本国内の有名な山々でも見られています。

シャグマアミガサタケの猛毒の強さとは?

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ここまでで、どんなキノコなのかという特徴をおさえたところで、次は有毒成分についてご紹介していきます。実際にシャグマアミガサタケを摂取してしまうとどうなってしまうのか、どれほど強い毒なのかを知っておきましょう。

強烈な食中毒症状

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生で食してしまった場合、口に入れてから7~10時間は潜伏期間となり、症状は出ません。しかし、この潜伏期間を過ぎると、吐き気や嘔吐をはじめ、下痢や痙攣などの極度の食中毒症状が現れはじめます。

最悪な場合は死亡することも!

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重症になると、食中毒症状だけでなく、肝障害を起こします。その結果、眩暈や発熱とともに脳浮腫、意識障害まで発生します。また、最悪の場合は胃や腸の臓器での出血を引き起こし、2~4日で死に至ってしまうこともある、大変危険なキノコなのです。

そのまま食べてしまった時は

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シャグマアミガサタケがとても危険な毒を持っていることをご紹介しましたが、万が一そのまま摂取してしまった場合はどうすればいいのでしょうか。自分でできる対処方法から医療系での治療方法についてご紹介します。

そもそもなぜ毒を持っているのか

動物界ではよく自分の身を守るために、捕食されないための性質を身に付けていくことがありますが、キノコは植物なのでこのような動物とは違った理由があるのではないかと考えられます。しかし、キノコがなぜ毒を持っているか、その答えは明らかになっていません。その謎を抱えた雰囲気に惹かれ、手を出したくなってしまうのかもしれません。

まずやるべきこと

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症状が現れるまでに時間がかかるため、しばらく気付けない可能性が高いですが、もし症状が出る前に食べてしまった可能性があることに気付いた場合は、食べたものを吐き出し、胃洗浄をしてください。また、肝・腎検査を受けてください。

症状に気付いたら

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先ほどもご紹介した通り、まずは吐き気や嘔吐、下痢が症状として現れます。この時点ですぐに病院で受診してください。その際、食したと疑われるキノコが残っている場合、持参していくことをおすすめします。対処法がわかるまでの時間を短縮できるため、手遅れになる可能性を低くできます。

治療方法

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前半にシャグマアミガサタケの有毒成分はジロミトリンであるとご紹介しましたが、これが胃でモノメチルヒドラジンに変化し、これが必要な酵素作用を妨げ、中枢神経系に欠かせないアミノ酸を低下させてしまいます。

また、ジロミトリンはメチルホルミルヒドラジンという成分も生みますが、これが肝臓で酸化されることで肝障害につながると言われています。医療機関ではビタミンB6の投与や、メトヘモグロビン血症の治療で使用されるメチレンブルーの投与が考えられます。

シャグマアミガサタケの毒抜きをする方法!

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これだけ猛毒を持っているシャグマアミガサタケですが、毒を抜く方法があります。ただし、毒性が強いので、毒抜きをする際にも注意が必要です。手順や注意事項をしっかりと認識したうえで、毒抜きを実施してください。

沸騰させる

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まずはたっぷりの水を用意して、沸かしてください。その中にシャグマアミガサタケを入れて5分以上沸騰させましょう。沸騰中にも有毒成分が発生するため、水の量はキノコ1に対し3以上の多めに準備するのがポイントです。

水で洗い流す

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5分以上茹でたら、お湯を捨てて、たっぷりの水でよく洗ってください。煮汁の中にも有毒成分が含まれているので、しっかりと洗い流してください。毒を完全に抜くためにも水は惜しむことなく使いましょう。

同じ過程を繰り返す

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水で流した後は、再度5分以上煮沸して、水で洗い流す工程を繰り返します。そのあとは水にさらしてください。また、前半でご紹介した通り、ジロミトリンは沸騰するとモノメチルヒドラジンに変わり、気化します。そのため、煮沸中は有害ガスが発生しますので、水蒸気を吸わないように気を付け、屋外など必ず風通しのいい場所で行ってください。

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