カメノテってどんな生き物?
なんとなく聞いたことはあるけど、よく知らないことの方が多いのではないでしょうか?謎の「カメノテ」はどんな生き物なのか、貝なのか?カメなのか?気になるその辺りを、詳しく調べましたので、紹介します!
カメノテの生態
体長はだいたい3cmから4cmくらいで、大きいものは7cmから8cmほどの大きさまで成長します。雌雄同体といって、雄の生殖器官と雌の生殖器官をひとつの体に持っていますが、交尾は他の個体を対象とします。カメノテの餌は、海の波にのって流れてくるプランクトンを、萬脚(まんきゃく)といわれる触手を出して、捉えて食べます。
カメノテの生息域と地域
カメノテの生息地域は、北海道から沖縄、マレーシア諸島などの海外まで、波に乗って、港や岩場、テトラポットの溝など、あらゆるところに付着して生息しています。ある程度集合してくっついているので、カメノテが居れば、すぐに見つけられますよ。
カメノテの特徴
上部の爪のような殻は、4つから5つ程度あって、大きさについては、それぞれの個体で異なっています。下部はうろこ状の皮に覆われており、見た目が「亀の手」を連想させるため、名前の文字通り「カメノテ」と呼ばれるようになりました。
どうしてカメノテは食べられるの?
見たことも、食べたこともない人からすれば、結構グロテスクな見た目の「カメノテ」ですが、これが本当に食べられるのか?どんな味で、どこの部分が食べられるのか、こちらも詳しく調べたところ、意外なことがわかりましたよ。
実はカニの親戚!
岩場や、テトラポットに吸着してからは、動かずそのまま一生を終えるというカメノテは、ミョウガガイ科というのに属する種類です。一見、貝の仲間だろうな、と思う方は多いはず。しかし、実はエビやカニの仲間で、甲殻類の一種なんだそうです。
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味もエビ・カニに近い
エビやカニの仲間なだけあって、味もそれらに近いようです。知らない人からすれば見た目はちょっと食べる気になれませんが、カメノテはとても美味しいのです。昔は漁師や海沿い地域の人しか食べられていませんでしたが、味が良いので、近年では注目されてきているんですよ。
食べられる箇所
うろこ状の部分と爪の間あたりをぽきっと折って、うろこ状の殻をスポっと抜き剥くと、貝のような白っぽい身が出てきます。そこが食べられる身の部分になります。萬脚の爪のあたりの黒い身の部分は一般的には食べられていません。
人によっては、食感の不快感を感じる人が居たり、砂浜近くにくっついていたカメノテの萬脚には特に、砂が噛んでいるのもあり、食べないことが多いようです。
カメノテの食べ方基本編
カメノテはどのように調理して食べるのか、知らない人からすれば未知の食材ですよね。そんな方のために、基本的な食べ方をご紹介します。特に汁物は、良いダシが出てすごく美味しいので、とてもおすすめなんですよ。
まずは塩ゆで
鋭い爪に気を付けながら、カメノテをたわしやブラシなどで綺麗に洗い、沸騰したお湯に塩を加え、カメノテを加えます。再沸騰してから5分から10分程度茹で、ざるにあげ粗熱をとれば出来上がりです。
こちらが一番基本的で、食べられている地域では、よくある調理法となります。まずは塩ゆでして食べてみましょう。
ダシも美味しい酒蒸し
上記と同様に、カメノテを綺麗に洗い、酒を入れて5分くらい蒸せば出来上がりです。カメノテがもともと塩分を含んでいるので、塩を入れる必要はありません。
白ワインで蒸したり、その時はオリーブオイルとニンニクを加えたりするのも良いですね。煮汁にはとても良いダシが出るので、スープもぜひ一緒に味わってみてください。
お味噌汁
同様に、よくあらったカメノテを、水を張った鍋に入れ沸騰させ、アクをとりながら5分程度煮ます。火を止め、味噌をとき入れて、再度温めれば、出来上がりです。とても美味しいダシが出るので、汁物にするのは特におすすめですよ!
スペインやポルトガルでもペルセベスの名前で人気!
日本では「カメノテ」と呼ばれていますが、スペインやポルトガルでは「ペルセベス」と呼ばれ、高級品として人気のある食材となっています。日本のモノと比べると、少し異なるようで、食べる身の部分がペルセベスの方が少し多く、色味なども少し違うようです。
さっとゆでて食べる高級食材
スペインでは高級食材となっているカメノテ改め「ペルセベス」は、海外でもさっと塩ゆでが一般的なようです。時期などによって違うようですが、マーケットではだいたい、1キロ1万円程度で売られていて、クリスマス時期になると1キロ3万円くらいするのだとか。
スペイン風にパエリアはいかが?
ペルセベスは、魚介のダシが美味しいので、パエリア風に調理しても良さそうですね。エビなど魚介の代わりに入れて、フライパンや炊飯器で簡単に作れますので、お好みの味付けで試してみてはいかがでしょうか?
ブイヤベースもおすすめ!
トマトやニンニクやオリーブオイルと魚介を一緒に煮込む、フランスを代表する料理、ブイヤベース。こちらも魚介の代わりに、ペルセベスをぐつぐつ煮込んで、ペルセベスの絶品のお出汁が相性よさそうなので、良ければお試しください。
大変だけどカメノテを剥いて料理!
殻ごと食卓に並ぶことの多いカメノテですが、剥いてあげると料理の幅が広がり、小さなお子様でも食べやすくなりますよ。カメノテの殻を、ひとつひとつ剥くのは少し面倒ですが、かなり食べやすくなるので、お時間ある時には試してみて下さい。