アミエビとは
釣り餌でおなじみのアミエビとは、ツノナシオキアミです。ツノナシオキアミは、エビにとても似ていますが、プランクトンの仲間でエビとは遠い生き物とされています。軟甲綱オキアミ科に属しています。また、食品として販売されているアミエビは、アキアミという桜エビの仲間で、完全に別種の生き物です。ツノナシオキアミとよく混同されています。ここでは釣り餌としてよく流通しているアミエビ(ツノナシオキアミ)についてお話します。
アミエビの特徴
アミエビ(ツノナシオキアミ)の体色は透明で、大きさは15~40ミリ程度です。また、名前の特徴でもありますが、エビにみられるようなヒゲを持ちません。エビとの違いは、胸部に歩脚や鋏足を発達させることはなく、二又に別れる細い足が並んでいます。胸の脚の付け根に外に向けて発達した樹枝状の鰓(エラ)があります。エビの鰓は胸の殻の内側にあります。
アミエビの生息地と分布
日本では三陸沖の太平洋海域、海外では中国や、南極海付近にに生息しています。2月下旬に岩手沖で漁が始まります。徐々に南下しながら4月下旬には常磐沖まで出て漁獲を終えます。三陸沖ではイサダとも呼ばれています。年間漁獲高は、3~5万トンです。生きているときは体色は透明ですが、水揚げ後には、赤みが増します。漁獲されるアミエビの約半分が養殖魚、海釣り用のエサとして流通しています。その他は加工食品として利用されています。
アミエビの生態
軟甲綱 真軟甲亜綱 ホンエビ上目 オキアミ目に属しています。漁獲後は鮮やかな赤みの強い桜色になりますが、生体の体色は透明です。南極オキアミを小さくしたような姿をしています。海で生育し、海の流れに合わせて遊泳して生活するプランクトンです。幼生はやや海の表層で生活し、成熟していくにしたがって徐々に深いところへ移動する傾向がありますが、日周鉛直移動をし、夜間に表層に出てプランクトンを捕食しています。
アミエビの捕り方
通常2月下旬頃より三陸沖で漁獲が開始されます。すくい網漁業にて、漁獲されます。木またはFRPの長い二本の棒を組み、その先に袋状の網を取り付けてアミエビ(ツノナシオキアミ)が濃く集まったところをすくい獲る漁法です。平成3年より、網を曳いてアミエビを獲る、オキアミ船びき網漁業が許可漁業として認められています。アミエビ漁は、岩手沿岸の春の風物詩です。