アメフラシってどんな生き物?その生態や飼育方法、食べ方までをご紹介!

アメフラシ。ドラゴンクエストのモンスターではなく、現実の生き物であるアメフラシをご存知ですか?今回は海水浴などでたまに見かけることがあり、触れると紫色の液体を出すなど、見た目と相まってなかなか好む人がいないアメフラシを詳しく解説します。

この記事をかいた人

彼にはもう八十四日間も一匹の魚も釣れない日続いていた。 釣れない時は、魚が考える時間を与えてくれたと思えばいい。
Array

そもそもアメフラシとは?

Pexels / Pixabay

この名詞を聞いて、どんな生物か思い浮かぶ方は多くないかもしれません。ここでは、どのような種に属するか見ていきます。また、日本ではどのような漢字が当てられているでしょうか。地域によっては違う呼び名もあるので、そちらも添えて紹介していきます。

貝の仲間の軟体動物

Hans / Pixabay

アメフラシとは、腹足綱後鰓類(ふくそくこうこうさいるい)の無楯類(むじゅんるい)に属している軟体動物の総称のことを言います。無楯とは楯を持たないという意味になり、ここでは貝殻を持っていないという意味でそう呼ばれています。

漢字で「雨降」や「海虎」と書く

ROverhate / Pixabay

アメフラシが海中のいる時に液体を出すと、雨雲が現れると言われていてそこから「雨降」と漢字で書かれるようになりました。海の虎と書いて一文字ならば鯱(しゃち)になりますが、分けて書くと「海虎」で「あめふらし」となってしまいます。

地域ごとの呼び名

MabelAmber / Pixabay

鳥取県では「うみしか」、島根県では「べこ」、千葉県では「ござら」などに属するそれぞれのある地域では、このように呼ばれています。他には、ウミウシと呼ぶ地域まであります。どちらにしても、角のある生き物になぞらえて名前が付けられている傾向があります。

アメフラシの種類

さらに詳しく、アメフラシの種類にはどのようなものがあるか紹介していきます。分類には大きく分けて二種類あり、アメフラシ科とウツセミガイ科があります。それぞれの特徴とその科の中でも、特に代表となる生物について述べていきます。

アメフラシ科

どちらかという体が大きなものの大部分はこちらの科に属します。代表的なものに、ジャンボアメフラシとクロヘリアメフラシがいます。こちらの2種は、画像を紹介しながら、どこに棲息するのかなど、特徴を交えて述べていきます。

ジャンボアメフラシ

大きさはなんと75センチメートルもあるものまで発見されています。しかし、通常は十分大きいですが35センチメートル前後です。画像からもわかるように、殻を持たない、カタツムリのようなルックスをしています。主に、メキシコの北部、カルフォルニア、フロリダなどの海に生息しています。

クロヘリアメフラシ

見かけは、体の各部分に黒い縁取りがあるのが特徴です。こちらは、アメフラシの中でも小さい部類にはいり、体は6センチメートルと非常に小柄です。日本において、北から南までの全域の浅瀬で目撃しやすいです。生息してる場所は、主に熱帯から温帯域の暖かいところです。

ウツセミガイ科

こちらは、巻貝に分類されます。体は小さく、前後に長いものが多く、樽のような形の薄い殻などを有しています。ここでは、画像を交えながら、ウツセミガイ科のウツセミガイについて、特徴と生息範囲についてご紹介していきます。

ウツセミガイ

殻に関しては、大きいものでも40ミリメートル程度で、通常は25~30ミリメートルぐらいです。とても薄くて軽い殻になっています。インド洋では、南アフリカやマダカスカルやタンザニアまで生息しています。太平洋では、日本からオーストラリアまで生息しています。

アメフラシの名前の由来

blickpixel / Pixabay

ここでは、実際になぜアメフラシと呼ばれるようになったのかについて述べていきます。それは、容姿からなのでしょうか、それとも雨と密接に関係する生物なのでしょうか、紐解いていきます。また、似た生物にウミウサギガイという生物がいます。

紫色の液体が雨雲の様だから

O12 / Pixabay

まず第一に、アメフラシの行動からその名が付いたという話があります。その行動とは、つつくなどしてなんらかの刺激を与えると、紫色の液体を吐き出します。また、その様はまるで雨雲のようにも見えるため、アメフラシと付けられたという説があります。

雨が降る時に集まると言われている

jeffjacobs1990 / Pixabay

場所によっては、雨が訪れる時に岩場などにアメフラシが集まるという説まであり、そのためにアメフラシと付けられたのではないかと言われてもいます。名前の由来には、見かけ通りのミステリアスな理由までもあったりします。

ウミウサギガイとの違い

アメフラシは英語では「Sea hare」、中国語では「海兔」と呼ばれています。さまざまな地域で、ウサギに例えられていて、日本においては別なのは興味深いところでもあります。また、和名ではウミウサギという貝が別にいるので区別が必要です。見た感じウミウシのように見えなくもないですが、白い殻で覆われた小型の貝です。

生態①アメフラシの短い生涯

annca / Pixabay

外見からすると、長く生きそうにも見えますが、果たして寿命はどのくらいになるでしょうか。そして、ある行為を行うと死に至ります。実は、交尾に関しては生き物の中でもあまり類を見ないスタイルをとります。アメフラシの一生はとても興味深いです。

寿命は1~2年

moritz320 / Pixabay

アメフラシの一生は短く、たったの1~2年で死んでいます。貝類などに近いアメフラシですが、短命と言えます。貝類の中には、ミル貝などは最低で160年くらいで、アイスランド貝などは500年近くまで生きてしまうものまで存在します。

珍しい連鎖交尾を行う

通常生き物は人間を含め、1対1で交尾を行うものが大半ですが、なんとアメフラシはこの画像のように複数で交尾を行うことのできる生き物です。雌雄同体の生き物は他にもいますが、1対1でなくそれ以上で同時に交尾を行う生き物はかなり珍しいです。

卵を産んで生涯を終える

だいたい、4月から6月くらいに産卵を行うものが多く、そして大半は7月から8月を迎える頃には役目を果たしたかのように死んでしまいます。産卵と言えば、ピパピパというカエルをご存知ですか。ただし、刺激が強いものが苦手な方は注意が必要ですが、この生き物の産卵は衝撃的なので興味のある方は是非こちらをご覧ください。

生態②アメフラシが食べるもの

congerdesign / Pixabay

ここでは、実際にどんなものを食べて生きているのかについて迫っていきます。おとなしそうな見た目をしてはいますが、見方によってはおどろおどろしい感じもするアメフラシですが、果たして肉食なのか草食なのでしょうか。

海藻を食べている

asjjuni0 / Pixabay

主に食べるものは、ワカメなどの海草類になります。しかし、海草が尽きてしまった場合は、アメフラシ自ら穴を掘ってエサを探しまわるという、変わった行動をします。ちょっと変わった生き物と言えばサルパをご存知でしょうか。こちらもとても不思議な生き物なので、興味のある方は是非こちらをご覧ください。

アメフラシが出す紫色の汁の正体は

3dman_eu / Pixabay

この生き物は謎の液体を出します。色はムラサキ色をしていて、いかにも危険で不気味な雰囲気を有しています。この液体の成分はどんなものでしょうか。そして、色的に見ても実際に毒物のような成分が入っているのでしょうか。

紫汁線で作られる

アメフラシの名前の由来の一説でもある、触れたり刺激すると出す紫色の汁は、紫汁線で作られます。基本的に、この汁の役目とは、他の外敵から身を守るために用います。接触されないようにするためや、相手が食欲をなくす効果があります。

主成分はフェコエリスロビリン

crsssteve / Pixabay

この紫色の成分には、ある二つの成分が含まれています。それは、フェコエリスロビリンとアプリシオビオリンというものになります。また、この紫の液体には制癌作用がある可能性があり、研究が進められているという希望の液体でもあります。

毒はあるのか?

qimono / Pixabay

汁には毒素があったりします。しかしこの毒といういうのは、自身から生れ出るわけでなく、食すエサの持つ毒から来ています。このような毒の有し方をする生き物で有名なものにアオミノウミウシがいます。こちらも猛毒の生き物が好物です。気になる方は、是非こちらの記事も合わせてご覧ください。

NEXT 毒はあるのか?