妖怪ってどんな存在?
日本にはいるかどうかは定かではありませんが、有名な妖怪はフィクションの世界を始めとして昔からたくさん存在しているとされています。では、そういった存在というのは具体的にどのような実態をしているのでしょうか。ということで、まずは妖怪の概念から見ていきましょう。
人間の理解を超える存在
まずもっていえることは、私たち人間とは一線を画している、いわば理解を超えた存在であるということです。人間の形をしているけれどその様は全く普通の人間とは異なっていたりしており、人間ではできないようなことはすべてそういった存在の仕業と考えられてきました。
様々な分類の妖怪が存在する
一口に妖怪といっても、その中には様々な種類のものが存在しています。例えば本体が人間に似ているのか、植物や他の動物に似ているかで分けられたり、またはそういった存在が出現する場所別に「山の怪」や「水の怪」といったように呼ばれ分けられることもあるのだそうです。
様々な書物で伝承として残されている
古来よりこういった存在は存在していると信じられており、非常に有名な文献で言えば「古事記」だったり「日本書紀」といったような書物の中にも妖怪の存在が記されています。これは、それだけ以前から人間の理解が及ばない事象が観測されたということの裏返しとも推測できます。
日本は古くから妖怪が身近に存在した
皆さんはこういった存在として一番最初に何を思い浮かべるでしょうか。前述しました通り様々な分類に分けられる存在が様々な古来より伝わる書物にも記されているため、誰もが知っているようなメジャーなものから専門家レベルのマイナーなものまでいますね。
鬼や河童などが有名
例えば、鬼や河童、一つ目小僧といった存在は誰しもその名前を聞けば角を持った人型の化物だったり、頭に皿を乗せた緑色の水生生物などすぐに思い浮かぶであろう非常に有名な妖怪であるかと思われます。節分など季節の行事にもそういった存在が登場しますね。
古くは神話の時代から登場する
こういった存在がいつからいたかというのをさかのぼってみると、前述した人間の営みが確立されている時代よりもはるかに前、神話の時代から存在したとされています。日本で言えば日本武尊とヤマタノオロチ、そして草薙の剣の関係などは中でも有名な逸話でしょう。
時代と共に新たな妖怪が生まれていった
こういった神話の存在はゲームにも登場することが多いですが、近代になって夜間道を歩いていると容姿を訪ねて裂けた口を見せる口裂け女、学校のトイレにいるとされているトイレの花子さんといったように現代になっても新しい存在が生まれているのです。
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がしゃどくろってどんな妖怪?
ということで、今回ご紹介する存在の概念などについて簡単にではありますがご紹介しました。では、そんな中で今回メインでご紹介していくがしゃどくろというのはどんな存在なのでしょうか。まずはその存在から見ていきましょう。
死者の怨念から生まれた妖怪
まずこの妖怪は、現世で亡くなった死者で埋葬されることなく、この世に何らかの未練があったり宿っている怨念が寄り集まって、形になったのだとされています。漢字では「飢者髑髏」と書き、外見は人間をはるかに超える骸骨の巨体をしており、人間を襲うとされているのです。
大きな体で人を握り潰して食べる
前述しました通り、この妖怪は人間の躯体などはるかに超える非常に巨大な体をしています。全身が人間の骸骨となっており、夜中に骨の音をきしませながらさまよっていて、人間を見つけるとその大きな体で人間を捕まえ、握りつぶして捕食するという残虐な行為を行うとされています。
在り方から名前が決まったとか
何の罪もない人間を襲って食い殺してしまうとされているということで非常に恐ろしい存在であることはお分かりいただけたかと思われますが、そもそもどうしてこのような名前が付けられたのでしょうか。
体ががしゃがしゃする髑髏だから
それは、この妖怪のあるがままの在り方が関係していました。前述しました通り夜中に骨の音をきしませて彷徨っており、そのきしむ音が「がしゃがしゃ」と鳴っているどくろの見た目だからこそ、それを繋げて「がしゃどくろ」という名前になったのだとか。
がしゃどくろの起源は?
今回ご紹介する妖怪について外見や生まれた経緯、特徴などについてを簡単にではありますがご紹介しました。何から生まれたのかは分かりますがその起源、どの文献から登場したのかについても気になるところでしょう。ということで、続いては誕生した起源について見ていきます。
実は昭和初期に創作された若い妖怪
妖怪の世界の中では結構有名な存在ですので、それだけ古くから知られている存在なのかと思われるかもしれません。ですが、実はこの妖怪、実年齢で換算してみると結構若いものであることが分かってきました。
この妖怪が最初に登場したのは、山内重昭の著した「世界怪奇スリラー全集2世界のモンスター」という書籍の中です。この書籍が出版されたのが1968年ということで、2019年現在から51年前、つまり人間の年齢にしてみれば51歳ということになるのです。
浮世絵が容姿の参考になった
非常に巨大な全身骸骨姿ということでシンプルでありながらそれ故にインパクトのある容姿をしているがしゃどくろですが、その見た目の参考にされたのは歌川国芳という人間の描いた浮世絵であるとされています。この絵の中では、大きな骸骨姿の妖怪が人間に襲い掛かっているように見えるところが描かれています。