誕生した起源や意外と最近になって登場した存在であることがお分かりいただけたでしょう。普通にこの髑髏の妖怪よりも高年齢の方は沢山いますので、人間よりも年齢だけなら若いことになります。ここで、この存在についてよくされている勘違いに関して正しておきましょう。
歌川国芳『相馬の古内裏』はがしゃどくろではない
前述の起源の見出しの中で、この妖怪の見た目の参考になったのは歌川国芳であるとご紹介しましたが、この浮世絵の中の骸骨の絵をがしゃどくろであると勘違いをされることが多いのです。
確かに見た目はそれを参考にしたのでほぼ同じような外見であることは間違いないのですが、あくまで見た目のデザインを参考にしただけであってこの浮世絵の中の妖怪が本来のがしゃどくろではないというのが、正しておきたいところです。
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がしゃどくろに類似した髑髏の妖怪
起源とそれに関する勘違いについてをご説明しました。参考になっただけあってこの絵が一緒に紹介されることが多いですが、皆さんは勘違いをしたまま覚えないようにしてください。さて、このような骸骨姿の妖怪というのはこれ以外にもたくさん存在しています。
骨女
例えば、骨女という妖怪がいます。これはその名前の通り骨だけの姿の女性の妖怪とされており、例えば生きている間に恋仲に合った男の家に行ってその男にだけは生前の姿のままで見えるようになっていて、性行為にふけるといった事を為すとされています。
また別の話の中では、生前醜い姿をしていた女が死後に骸骨だけの姿となり、その骨だけの状態の方が生前よりも見た目が良いと思いそのままの状態で町中を歩き回ったとも、修行を積んだ高層の前に立つと骨が崩れ落ちてしまうともされています。
狂骨
別の妖怪では「狂骨」という存在がいます。これは見た目は前述の存在と同じように性別関係なく全身骸骨の姿をしており、井戸の中に不本意に捨てられた亡骸が怨念をまとって誕生したものとされ、自分を捨てた人間を呪ったり、居場所を知らせるといった事をするのだそうです。
水木しげるの著書に登場する
その他にも「ゲゲゲの鬼太郎」で有名な水木しげるの作品の中にも骸骨の妖怪が登場します。この中では今回ご紹介しているがしゃどくろに関して「がしゃどくろではないけれど」という前置きを置いて骸骨に関連する話が記されています。
人間に恩返しをした骸骨妖怪もいる
このようにがしゃどくろ本人は特徴の見出しでご紹介した通りでもちろんのこと、類似する妖怪たちも基本的に善行を行うような存在として描かれることは稀です。が、死後人間に恩を返したことのあるものも存在しているようです。
目が痛いと泣いていた
ある男が原っぱを歩いていると、打ち捨てられた髑髏が転がっており「痛い、目が痛い」とささやいていました。見てみると目に当たる穴からススキが生えており、哀れに思って男がそれを取り除いてあげたところ、何らかの形で髑髏が恩を返してくれたとされているのです。
現代でもがしゃどくろは強敵として様々な作品に登場する
様々な類似する妖怪が存在しているということをご紹介しましたが、オリジナルは何度もご紹介している通りの見た目に違わない非常に強力な存在として、現在でもいろんな作品にボスや強力な敵キャラクターなどとして登場しています。
ゲゲゲの鬼太郎
例えば、最近新シリーズがスタートしているゲゲゲの鬼太郎でもしっかりと登場しています。漫画やアニメでも一度ならず幾度となく登場しており、ゲーム作品にも分かっているだけでも3シリーズに出演しているようです。
忍者戦隊 カクレンジャー
続いて、日曜朝のスーパーヒーロータイムで放送されていた「ニンジャ戦隊カクレンジャー」でも登場しています。この作品の中では「貴公子ジュニア」という人間体の姿と、巨大化して骸骨の状態になる2つの形態で登場していました。
妖怪ウォッチ
更には、子供に大人気の「妖怪ウォッチ」でも妖怪が数多く出演するということでしっかり登場しています。ゲームでも何度も巨大な敵キャラとして登場しているほか、アニメでは第54話で日本全国のガシャポンを操作するという地味にえげつないことをしていました。
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がしゃどくろのブロンズ像もある
このように多数の作品でモチーフとなったキャラクターが出演しているわけですが、実は現実でも銅像を見ることができるようになっているのです。
水木しげるロード
それが、鳥取県の境港市にある「水木しげるロード」です。ここではゲゲゲの鬼太郎の作品の中で登場したキャラクターが鬼太郎をはじめたおして銅像になっており、その中に体半分のどくろの像が建てられています。
がしゃどくろの様に常に妖怪は生み出される
ということで、今回はがしゃどくろについてどんな妖怪なのかやどこから誕生したのかなどをご紹介しました。これに限らず、妖怪というのは居るかどうかもわからないものです。そういった存在を生み出しているのは、やはり私たち人間なのでしょうね。
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