ケムール人とは
1966年にTBS系列で放送されいたウルトラマンシリーズの第1作である「ウルトラQ」に登場する怪人の1人です。50年以上経過した今でも様々な新しいシリーズの怪人として登場され子供たちに恐れられ、今だに大人でも怖い感情を抱いていたりするのです。
ウルトラシリーズに登場するキャラクター
この怪人をデザインした成田亨は、怪人を作り上げる上でエジプト絵画の技法を取り入れたと言われています。細い本体にさらにいびつで細長く亀裂が走っている頭と、視覚的にもインパクトの強い体つきの怪人です。
別名「誘拐怪人」
名前の由来は「煙のごとく消える」という発想から来ています。特徴のひとつが触れたものを消滅させ次々と誘拐していくという点です。誘拐してはケムール星へ送り込んでいく事を繰り返すので、この怪人が登場する回は「誘拐星人再び」や「誘拐星人〜〜」とタイトルづけられています。
頭部には無数の目がある
たくさんの人に恐怖感を抱かせる、その見た目の中でも目につくのは頭にある無数の目です。しかし、その他にも左右非対称の顔にある亀裂や、チョウチンアンコウからイメージした突起から不気味な走り方などとにかく見た目が特徴的です。
まさに最終的に仕上がった怪人の見た目は視聴者に恐怖感を抱かせたかったデザイナーの意図通りです。不気味な見た目ですが、その怪人自体は、常に怯えて周囲をうかだっている未来人をイメージして作られていたのです。
ケムール人の初登場はウルトラQ
長い間、愛され恐れられている怪人の1人である「ケムール人」ですが初登場のウルトラQを皮切りにさまざまなシリーズで登場しています。ウルトラQはウルトラマンシリーズの第1作目で大成功をおさめた事でシリーズ化進んでいく大きなきっかけとなりました。
当時から人気キャラクター
登場以来、人間に近い形をしているのにも関わらずに異質な特徴を持つケムール人に当時の子供達も心を惹かれずにはいられなかったようです。何か奇妙なもの、わけがわからないもの、不条理なものがケムール人から感じる感情とリンクしたのでしょう。
ウルトラQ以外にも出演している
彼は、第1作目のシリーズ以外にも様々なシリーズに登場してくる怪人です。有名な「ウルトラマン」から「ウルトラスーパーファイト」「ウルトラゾーン」「ウルトラマンギンガ」「ウルトラマンX」そしてそれ以外に派生して作られた外伝の映画シリーズにも登場しています。
バルタン星人と共に登場した回もある
なんと「ウルトラマン」の第33話の中では、ウルトラマンの怪人(怪獣)の中でも一番知名度があり現在でも愛されているであろうバルタン星人と共に登場してきます。両方とも当時はとても人気があり、この怪人2体の登場で話題になりました。
ケムール人は500歳!
実はこの怪人は500歳という設定になっているのをご存知でしたか?未来人だと言われているケムール人は医学の驚異的な発展によって内臓移植や皮膚の生成を繰り返していくことで500歳という長寿を保っていたのです。
しかし、体力と生命力の衰えを痛感したこの怪人は若い肉体を手に入れるために地球を訪れたとされています。若い肉体を手に入れるために大勢の人を誘拐し捕まえていくというのを繰り返していたというわけです。
運動能力は高い
500歳という歳をとっている怪人ですが、運動能力や身体能力は人間とは比べ物にならないものでした。人間に似たような大きさ、細い体にも関わらず本気で走ると自動車でも追いついて来られないほどの速度で走り抜けていたのです。
走り方が特徴的
まるで大きくゆっくりとスキップをしているような走り方は、当時の視聴者たちの脳裏に強く焼き付いています。また走っている時の効果音と異様な角度に曲がった手首なども不気味さを作り上げています。子供時代にこんな姿をみた日には、夢にまで出てきてしまいそうな姿をしているのです。
消去エネルギー源を操る
頭のチョウチンアンコウのような突起から放出しているのが「消去エネルギー源」といわれるゼリー状をした可燃性の物質です。このゼリーに触れると姿を決してしまい、そのままケムール星へと転送されてしまうのでした。
海外を意識して作られた怪人だった
昭和時代の子供向け特撮番組だったのにも関わらず、子供心に恐怖心を強く植えつけていたケムール人ですが、ウルトラQ自体が作られる段階で国内の消費者目線ではなく海外を視野にいれた作りになっていたと言われています。
高度成長した日本をイメージさせる
例えば番組内に出てくる車は最新の国産車であったり、登場人物は豪邸に住んでいたり、日本はここまで成長したのだという社会の雰囲気を感じとる事ができる作りになっています。お金にまつわるストーリーをよく見かけるのもそれが理由かもしれません。
海外ホラーにいてもおかしくない?
ではケムール人をイメージしてみてどうでしょうか?和製の妖怪のような雰囲気よりもUMAのような未確認な宇宙人のイメージが強くでています。デザイナーがエジプト絵画からヒントを得たのも納得できるポイントの1つですね。和製の妖怪について詳しくはこちらでご紹介します。
実際に海外で話題になっているUMAにも、同じように人型のものが存在しています。同じような姿形でも身体能力などが桁外れで、異様な動きをしながら移動したりという特徴もケムール人に似ている点なのではないでしょうか?よく騒がれるUMAについてもご紹介します。