聖天様とは?
現代だけでなく、昔から天皇家のみならず庶民からも信仰されてきた仏様です。人々に寄り添い、大小様々なご利益をもたらしてくれる神様です。慈悲深い神様で寄り添って願いを叶えてくれる神様ですが、失礼なことをすると災いなどをもたらすなど怖い神様との話もあります。
大聖歓喜天と呼ばれる仏教の神様
大聖歓喜天(だいしょうかんぎてん)様が正式な、正しい呼び名となります。愛称でご聖天さんと呼ぶ人もいて、様々なご利益を授かれたと多くの人が信仰しており、大成功をした偉人なども信仰していました。
象頭人身の神様
聖天様はドイツから伝来された仏様となり、そのお姿は頭部は象のお顔をしており、体は人間の姿をしています。一般的には男女の姿をした2人の仏様が抱き合っている仏像が多いですが、お一人での仏像もあります。
天部の一柱
天部とは、守護神で仏教・仏法を守る神様のグループの1つです。中国風とインド風の2つに大きく分けることができます。他には大黒天様など12名の神様が天部のグループに分類されているといわれます。
聖天様はどんな神様?
仏教において天部の守護神の仏様です。昔から天皇家だけでなく民間にも親しまれている神様です。元は悪神だったと言われているご聖天様ですが、その起源や悪神から善神となったルーツなどを紹介していきます。他にも有名なお稲荷様に関するご利益などに興味がる方は、下記記事をご覧ください。
ヒンドゥー教のガネーシャが起源
起源とされているのはガネーシャ神というインドの神様のお一人です。シヴァ神の父とパールヴァティー神の母の間に生まれています。シヴァ神、パールヴァティー神ともにインドで最高神と言われている神様ですので、息子またインドの最高神の一人です。
十一面観世音菩薩によって善神になった
今まで多くの人々の願いを成就してくれた神様です。中には、誰もが知る偉人も信仰していましたが元は悪神でした。しかし、改宗し善神となり財部と幸運を天部の神様の一人にまでなりました。改宗の手助けをしたのが十一面観世音菩薩です。
密仏とされている
密仏とは、密教の仏様のことです。仏教の最後の訓えとして、生命がもっている性エネルギーの昇華が説かれることが関係しているとの見方がありますので、そのため秘仏として扱われ密仏となっています。
聖天様のご利益は?
聖天様の利益は富・財運に恵まれるや子宝に恵まれるなどあります。他にどのような願いを聞いていただけるのでしょうか。一心に願えば大小問わず願いを叶えてくれるといわれています。ここでは授けていただける利益について解説します。他に日本で唯一とされる髪の神社のご利益に興味がある方は下記をご覧ください。
どんな願いでも叶えてくれる
成就させることは無理だと他から見捨てられたことでも、熱心に信仰し祈り続ければ小さな願いでも叶えてくれる神様です。豊臣秀吉・徳川家康は熱心に祈願したことで天下をとることに成功した。また、巨万の富を手に入れたなどの話があります。
子孫七代の福を一代でとる
有名なお言葉に「子孫七代の福を一代でとる」という言葉があります。この言葉の見解には諸説ありますが、これは自分一人だけが七代分の福を得られるという意味ではないとの見解が多いです。七代分もの福を授けてくださるという見解があります。
男根の神様の一面もある
財運が上昇するや富を得るなど商売繁盛の神様であることが一般的ですが、男根の神様でもあると有名で子宝のご利益もあります。単身の仏像もありますが、双身の仏像が主流であり抱き合っている姿のため、恋愛成就のご利益でも有名です。
聖天様の象徴
ご聖天様のシンボルとして巾着袋・大根がお供え物として多くの寺院に祀られているため、この2つが主な象徴ですが、三叉戟も象徴の1つとなっている寺院もあります。この3つが聖天様の象徴となった由来について順に説明をします。
巾着袋
巾着はお金を入れる袋であることから、財宝や貯蓄を意味し商売繁盛と富の栄や信仰のご利益の大きいことを示していると言われています。財運のご利益をいただけることから、巾着袋はシンボルの1つとなりました。
大根
聖天様を祀っている寺院に男根を表現している大根をお供えしていたことが由来です。また、丈夫な身体にしたいや良縁や夫婦和合などの加護を得られるとのことで2つ目の象徴となっています。
三叉戟
三叉戟とは、先端が3つ分かれている槍のことをいいます。起源は先ほどガネーシャ神であると触れましたが、ガネーシャ神の親であるシヴァ神が三叉戟を武器として使用していたことから、三叉戟もシンボルの1つと言われています。
聖天様にまつわる逸話
祈願したことにより、救済いただいたり財運や勝運を頂いた話や大成功したという話はたくさんあります。ここでは、信心にお祈りされたことでご利益を授かったため、大きな成果を成し遂げた3人の逸話を紹介します。
豊臣秀吉も信仰していた
誰もが知る初めて日本を天下統一した豊臣秀吉ですが、豊臣秀吉も熱心に信仰していた人物です。豊臣秀吉は醍醐三宝院に聖天様の像を寄贈し必死に祈願を続けたそうです。その結果として平民だったにも関わらず日本を天下統一に導く大願を果たしたと言われています。
徳川家康が庶民に信仰を禁止した
江戸幕府を成立させた徳川家康もまた、聖天様を熱心に信仰して江戸幕府300年の礎を築きました。またご利益を自分のみが独占しようとしました。そのため怖い神様と民にふれ回り、庶民には信仰を禁止するという行動にでました。
松下幸之助も信仰していた
松下幸之助は、パナソニック旧松下電器を一代で築きあげた経営者です。松下幸之助もまた、聖天様を信仰し昭和の大恐慌での倒産の危機を見事に乗り越え、経営者として名を残した人物になります。
聖天様は怖い神様と言う噂もある
信頼を込めて信心にお祈りをすれば、身を削って願いを成就してくれる神様ですが怖い神様との噂があります。では、どのようなところが怖いのか。怖い神様と言われる理由について真相を解説していきます。
聖天様は人を選ぶ
心から信頼し祈願した人の中には、大きな成功を遂げた人もいますが、祈願した人間の願いをすべて成就してはくれません。見極めてお願いを聞き入れる人を選ぶと言われています。信仰心を持たずに祈願だけしたり、力を疑ったままただ願い事をする人には願いを聞いてはくれないとのことです。
信仰心を持っている人で、一心にお願いをすればどんなに小さな願い事でもご自身の身を削って叶えてくれますが、ご聖天様を疑う人には願いを聞きいれてはくれずご利益を授かれないという噂があります。
信仰をやめると祟られることもある
歴史に名を残している武将や有名な経営者などが強く信仰していたといわれるだけあり、そのご利益や成功への力はとても大きいものです。しかし、信心を忘れたり、信仰することを続けなかったりすると頂いたご利益とは比べ物にならないほどの罰や祟りを受けてしまうとの噂があります。
- 作法を知らずに参拝した教授が事故死
- 生涯独身でなければいけないと言われている寺院で妻をもらったところ、奥さんは亡くなり住職もほどなくして亡くなった
粗相をすると祟られる
怖い神様と言われている理由はもう1つはあり、願い事が成就されたからと信仰をやめたり、作法をしらないと祟られることです。信仰して多くの富を得ることができたが、その後信仰をやめると不幸が立て続けにおこったなどご利益を頂いたあとに、崇拝する気持ちを忘れると祟られるとのことです。
聖天様は怖い神様という噂の真相はどうなのか?
神様の罰が当たる耳にすることはありますが、聖天様も例外ではなく祟りを受けると噂があります。他の神仏様に聞いてもらえない願いも聞いてくださる神様と言われているのになぜ怖いと言われるのでしょうか。ここでは、本当に怖い神様なのかの噂の真実や、信仰する上で大切なことを説明していきます。
慈愛に満ちた神様
他の神仏が見捨てた信者の願い事も、信仰心を持ち願い続ければその身を削ってでもご利益を授け、叶えてくれると言われている神様です。人々が幸せで歓喜して周りの人も歓喜すること望んでいる慈悲深くとても優しい慈愛に満ちた神様です。
悪人には厳しい
善良な人間には、とても優しい慈愛に満ちている神様ですが、他人に悪いことをする人・神仏や信仰を重んじない人などには厳しい神様となりますので、悪い行いをする人からすれば厳しいだけでなく恐ろしい神様です。
礼節を尽くせば怖くはない
作法など礼儀が正しければ怖くない神様です。参拝時のお経を1文字ずつ大切に読み、作法を守ること、報告とお礼のためにお礼参りをするなど、感謝の気持ちを忘れることなくきちんと守れば決して怖い神様ではありません。
聖天様はどうして怖いイメージになったのか?
ご聖天様は慈悲深く慈愛に満ちた優しい神様ですが、何故怖い神様だとイメージが出てきたのでしょうか。その理由として起源であるガネーシャ神の話や徳川家康の信仰禁止が原因など2つの視点から見ていきます。
ガネーシャは祟り神だった
破壊神シヴァの息子であるガネーシャがご聖天様の由来であり、ガネーシャは嫉妬深く癇癪持ちだったりと少し短気な性格だったそうです。また、疫病をもたらしたり、障害をもたらす神だと言われており元は障害神の神様です。
徳川家康の嘘
怖い神様だとイメージになった理由のもう1つは、江戸幕府将軍徳川家康の嘘が原因でもあります。関西方面では庶民に知られていましたが、江戸ではあまり知られるていません。庶民の聖天信仰を阻むため、怖く祟りを起こす神様であると庶民に広めました。
聖天様を信仰するなら
聖天様を信仰するのであれば作法をきちんと学ばなければいけません。粗相のないように作法や注意事項をしっかりと理解して信仰しましょう。ここでは、作法や参拝での注意事項などを紹介していきます。
作法を学ぶ
信仰を始めるために、作法はとても重要でしっかりと勉強をする必要があります。作法など信仰する上での注意点を教示してくれるなど講習会を開催しているお寺もあります。お住まいの近くにある寺院で作法などの注意点を学び信仰していくのがいいでしょう。
しっかりと参拝を行う
ご縁日はお寺によって少し違いがあります。参拝されるお寺の縁日を確認するといいでしょうか。定期的に参拝をしてご利益を授かったら必ずお礼参りをしてください。毎月1回などご自分の決めてかまいませんので、参拝を続けましょう。そしてお礼参り欠かさないこと。そうすれば何度もお願いを聞いてくださります。
参拝時は真言や経を読む
初めは慣れていないこともあるため、真言でも構いません。真言を一文字ずつしっかりと読むのが大事なことです。「おん きりくぎゃく うんそわか」「おん ぎゃくぎゃく うんそわか」参拝の時もですが、一日に20回以上参拝日以外でも唱えていきましょう。