スピアフィッシングとは
スピアフィッシングの方法
スピアフィッシングというのは、素潜りをして魚を捕獲します。これにはもりを使います。英語でスピアとは魚を突くときに使うヤスのことです。スピアフィッシングの名前の知名度は低いです。しかし最近のアウトドアブーム、自然との共生を推進する傾向がある中、興味を持つ方が増えています。多くの方に海の世界の楽しさや自身で捕らえた生きものを頂くことの尊さを感じてもらいたいのですが、そこに至るまでの安全管理や準備は非常に大切なことです。潜るときは、安全のため一人で潜らずに必ず複数人で行ってください。素潜りで深く潜らないといけないので、お互いの安全性や状況を見ながら行う必要があるからです。潜っているとき危険な魚に襲われたり、岩などで体を傷つけたりしたときに一人では対処できないからです。
スピアフィッシングの道具
ウエットスーツ
ウェイトベルト
ウェットスーツの浮力を消します。丈夫なベルトに1から2キログラム単位の鉛のブロックをつけるのです。たいへん重いですから、腰に巻くときや持ち運びには充分、注意が必要です。もし足にでも落としたら骨折するので気を付けましょう。
グローブ、ブーツ
マスク、シュノーケル
それぞれの顔に合わせてサイズを選んでください。視界がよく開けている水中マスクが良いです。ゴムやシリコンのスカートの部分が黒いものがお勧めです。カラフルな色のものや透明なスカートであると、マスク内に光が入り込み、暗い水の中や穴の中では視界が悪くなるのです。シュノーケリングに関しては男性用、女性用と分かれています。マウスピース部分を各個人の口の大きさに合わせなければならないからです。
フィン(足ヒレ)
手銛(ヤス)
青ヤスと呼ばれる三叉のものがあります。釣具店や海の家などで売っているものです。最初はここから始めます。短く手回しがよいのが特徴です。値段も手頃です。柄が金属のものは中に海水が入り、錆びやすいですから、竹ヤスという柄が竹製のものがよいでしょう。
目串、エラ通し
捕まえた後、締めた魚を腰にぶら下げるための道具です。上記の画像は手作りのものですが、市販のものは10センチほどある棒の中心に穴が開けてあって、丈夫な紐またはワイヤーを通した構造になっています。エラの内側から口へ通すと、T字になっている目串が魚の口でひっかかるようになっています。
水深計付腕時計
フロート
捕らえてたあと締めた魚を確保しておく道具にフロートも便利です。漁網のボンテン(浮き)が海岸などに良く落ちている場合があり、それを使って自分で作ることができます。色は黄色、明るいオレンジなどで目立つものを使いましょう。潜っている場合にも自分の居るところを船にアピールしたり、一緒に潜る人に知らせるのに有効です。
スピアフィッシングのシーズン
スピアフィッシングに適した時期はいつでしょうか?
ウエットスーツを着用して入れる海の温度が約15℃から30℃以上ですのでスピアフィッシングをする為に、海に入る季節は海の海水温が、15℃から30℃以上の季節です。しかし、海に入っても狙う海の生き物があまりいない場合があります。海の水温は季節に応じて変動しています。これを把握して効率良くターゲットの魚を捕らえなければなりません。何度か経験を積んで行きますと、シーズンイン、シーズンオフ、水温が〇〇度でイシダイが陸地に近く来る時期など、魚の習性が分かるようになります。
スピアフィッシングの時間帯
いつ頃の時間帯にスピアフィッシングをするのか?
スピアフィッシングとは酸素ボンベなどは背負わず素潜りで潜り、手もりで魚を射止める遊びです。ですから、海の潮の高さは重要なのです。潮高によってはポイントの水深が変わって、潜水時間が変わるかもしれないからです。引き潮と満ち潮の時間帯を把握した上で潜ることが重要です。
許可されている海で行うスピアフィッシング
スピアフィッシングは許可されている所でなければできません
場所を選ばなければならないのがスピアフィッシングです。釣りに関しても出来る区域と釣り禁止区域が設けられているのと同じことです。そしてこのほかにも重要なことは、争い事や危ないことを避ける場所を選ぶことです。装備が本格的になればなるほど、手軽な磯遊びと思われないので、慎重に場所を探さなければなりません。スピアフィッシングは海洋資源を捕らえることが目的ですので、海の領域と海の漁業資源に関連する各都道府県の条例と漁業権が関連してくるのです。これらのきまりにしたがって、場所を選んでください。
条例とスピアフィッシング
水産庁から各都道府県別に発表されている条例があります。それは漁業調整規則という条例です。この規則にしたがって場所を探すのです。
漁業権の規制とスピアフィッシング
漁業従事者の職を守る「漁業権」というものがあります。ですので漁業が盛んなところでは「共同漁業権」を地域で確保しているため、一般人が魚を捕ることが認められていない海があります。これは密猟者から海の資源を守るためのものですが、スピアフィッシングも漁業関係者から見ると、密漁者と同じように見られています。この規制によって漁業関係者の仕事が守られているので、県の条例より強力なものなのです。県の条例を見てスピアフィッシングができる海であると思っていても、こういった場所の方が実際に厳しいということもあるので気をつけてください。
スピアフィッシングのポイント
スピアフィッシングをする場所はどのようなところがいいのでしょうか?
上記の条例や漁業権の規制も問題のない地域で、よいポイントを探す方法ですが、Googleマップを利用するのがよいでしょう。Googleマップでまずは磯のようなところを探しましょう。次に車が停められそうなところも探します。駐車場があるようであればGoogleマップで見ることが出来ます。それに磯が広いことも条件の一つです。複数人でもぐる場合、探す範囲は広いほうがいいからです。さらに行けそうな離れ磯があればいいのですが、これは無理をしないで、航路、渡船、海況、潮流、バディ、スキルに不安があるようでしたら行くのはやめたほうがよいでしょう。
日本で行われているスピアフィッシング
日本国内においてはどんなスピアフィッシングがおこなわれているのでしょうか?
海外では世界選手権をはじめ、いろいろな規模で競技会が開催されていて、マリンスポーツのひとつとして人気です。日本国内では水中銃を使うことは各地方自治体の漁業調整規則によって、遊漁者の漁具漁法として法律上に認められていない地域もあります。それに漁業者にもほとんど認められていません。ですが、素潜りで手ヤスを使って魚を突いて捕らえることは数多くの自治体で認められています。
スピアフィッシング初心者が狙う魚
スピアフィッシング初心者はどんな魚を狙えばよいか
まずはどんな魚に毒があるのかを、ある程度知っておいた方がいいです。 毒のある種類はいろいろで、ひれに毒があって触った場合は痛みや腫れが出てしまう魚や、内臓に毒があって食べたら毒にあたってしまう魚などいろいろいます。思わず捕らえてしまった時のために正しい知識を持っておいたほうがよいでしょう。毒のある魚の一例をあげますと、まずはアイゴです。腹と背、尻鰭に毒腺があります。刺されるととても痛いです。
続いてアオブダイ、肝臓には、パリトキシンという猛毒をもっている個体がいます
そしてゴンズイ、背びれ、胸びれのとげに毒がある。死後も毒性があります。
このほかにもたくさんいますので、スーパーの鮮魚コーナーなどで、切り分けた身ではなく、丸ごと氷の上に並んでいる魚を見て食べられる魚を覚えることが大事です。そして、姿形を覚えたら、まずその魚を狙うことからはじめてください
まとめ
最後までお読み頂き有難うございました。スピアフィッシングの人気が高まり、初めて見たいと思われる方も多いことでしょう。道具選びについては、失敗して買い替えることのないように慎重にお選び下さい。そして、規制については水産庁の漁業調整規則(http://www.jfa.maff.go.jp/j/yugyo/y_kisei/kisoku/todo_huken/attach/pdf/index-4.pdf)でご確認下さい。漁業権については、各地域の漁業協同組合に電話して詳しく確かめてみてください。各都道府県の農林水産課で管轄の漁業協同組合を教えていただけます。