カスパーハウザーとは何者?謎の出生から特殊な能力、暗殺の謎に迫る

カスパーハウザーに似た症状に野生児という存在があります。なんらかの事情で人間社会と隔離された状態で成長した子供の事例です。世界には動物に育てられたという野生児の事例や、放置、幽閉された子供の事例が沢山あります。

ローマ神話に狼に育てらた野生児が登場する

Engin_Akyurt / Pixabay

狼に育てられた人間の子供という嘘とも真ともいいにくい話がローマ神話にあります。ロームルスはローマ建国者で初代の王様です。このロームルスは狼に育てられたと伝えられ、社会的に隔離された野生児ともいえます。

31人の野生児の特長をまとめた書籍

社会心理学者のルシアン・マルソンは、53のケースを野生児としてまとめています。31人の野生児の特長をまとめた総括表も出版されており、社会から隔離された子供がどのように成長をするのか研究が進められています。また野生児には次のような分類があります。

  • 動物に育てられた子供
  • 孤独な環境に放置された子供
  • 幽閉された子供

カスパーハウザーはバーデン大公後継者?

skeeze / Pixabay

カスパーハウザーにまつわる謎の一つが彼の身分です。ドイツの領邦の一つであるバーデン大公国の後継者ではないかという噂があるのです。世継ぎ問題から彼はこの世から消し去られてしまったのではないかと言われています。

貴族であるバーデン大公に見た目が似ていた

shilmar / Pixabay

彼はバーデン大公国の領主に見た目が似ていました。そこから生まれて間もない赤ん坊を死んだ子供と入れ替えたと噂が広まります。世継ぎで不都合な子供を消し去ったというのです。生れ落ちた子供は城の地下牢で誰にも知られずに生き続けていた。それが孤児になって現れたカスパーハウザーだと。

DNAの一致率が非常に高かった

geralt / Pixabay

現代の科学でカスパーハウザーの出生の謎を解明する研究は着実に進んでいます。しかし、約200年という時間の中に埋もれた謎は簡単に拾い上げることができません。DNA鑑定にしても結果の解釈の仕方で大きな隔たりが生まれています。

彼が着用していたとされるズボン

カスパーハウザーが着用していたとされるズボンを鑑定した結果、彼がバーデン大公国の王子である確率は極めて低いという事実が判明しました。これによって謎の一つは収束を迎えるかに見えましたが…

ズボンに付着していた血液、体毛が別の人物のもの

ズボンについていた血痕と体毛をDNA鑑定すると別人のものだと判明。一度目のDNA鑑定に疑問が投げかけられました。またズボンから検出した「指紋の一部」がバーデン大公の子孫とかなりの部分でで一致することが分かりました。

いまだに真相は闇の中

darksouls1 / Pixabay

彼の出生にまつわる謎はいまだに解明されません。現在のバーデン大公の末裔は検査を受けることを拒んでいます。王族の子孫か、それとも名もなき孤児なのか。歴史に埋もれた陰に光が届くことはあるのでしょうか?

タイムスリップは実現する?現代科学はどこまで迫っているのか!

カスパーハウザー突然の暗殺

sik-life / Pixabay

ヨーロッパに突然現れてブームのように席巻した彼は、やはり突然の暗殺という悲劇によってこの世を去ってしまいます。ようやく言葉を喋り世の中で生活できるようになった矢先の不幸でした。ヨーロッパの孤児と呼ばれた彼は謎だけを残して消えたのです。

家で1人のときに襲撃される

stevepb / Pixabay

1829年10月にマスクをつけた何者かに彼は襲撃されます。こん棒かナイフのようなもので殴られ、額に大きなけがを負いました。自作自演だという噂や出生にまつわる口封じだとも噂されました。彼に対する市民の感情は、好奇心や恐れもあり同情ばかりではありません。

NEXT 1度目の襲撃から4年後に暗殺される