あさりの旬って知ってる?産地との関係や砂抜き&おすすめレシピも

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西日本では三重県が特産地として有名です。とりわけ伊勢湾はその中心とも言える場所で、雲出川や安濃川など数本の川から餌である植物性のプランクトンが大量に流れ込むため、最適な生息環境となっています。

三重県のあさりの旬は3月〜5月と10月

ほぼ他県の旬の時期と大差はありません。春と秋の2回にわたっておいしいタイミングが訪れます。その身はとても柔らかく、ほんのり甘みを有します。

品質が安定して高いことでも有名で市場では高く評価されています。生姜を加えて甘辛く煮付けた「しぐれ煮」にしてご飯と一緒に食べるのが多くの県民に好まれています。

三重県のあさりの漁獲量

近年は若干漁獲量が減少しているため5位以下と低迷をみせていますが、平成20年代前半は2位、3位ほどの漁獲量を実績として残しています。自治体と漁業者が一体となり、良質な漁場を守る取り組みや、資源保護、また肉厚な個体を養殖する研究も行われており、量こそ減ってしまっているものの産地らしく力を入れて対策に乗り出しています。

あさりの砂抜きの方法は?

中には処理を済ませたものも売られていますが、ほとんどの場合は調理をする前に砂を抜くことが必要になってきます。仮にこれをしないと口に入れて噛んだ時にジャリっとしてしまい、せっかくのおいしさも台無しです。ここでは代表的な方法を2つ紹介します。

あさりの砂抜きに必要な道具

「塩水」を使う王道的なものと「お湯」を使う裏技的なものの2種類があります。食味に両者の差はありませんが処理時間に差があります。

「塩水」につけた際は3〜6時間ほどかかるのに対し「お湯」は15分ほどです。がしかし「お湯」は強制的に砂を吐かせる点で否定的な意見もあります。それぞれに必要な道具は以下の通りです。

①塩水で行う場合

  • 塩水、または海水(水温は20度がベスト。前後5度くらいの誤差は可。水道水から作る場合は濃度3%が目安です。500mlの水に対して塩が大さじ1杯)
  • 水切りバッド(貝を浸すために使用します)
  • 新聞紙(暗い環境をつくるため。また潮吹きの水が辺りに飛ぶのを防ぐため)

長くて6時間ほどかかります。特に暑い夏場は傷んでしまう可能性もあるので冷蔵庫に入れて放置します。しかしこの時に吐き出した潮が他に飛び散らないように、新聞紙などで蓋をするなど細心の注意が必要となります。

②お湯で行う場合

  • お湯(50度のものを用意します)
  • 水切りバッド(貝を浸すために使います)
  • 温度計(お湯の温度を測ります)

お湯によりヒートショックを受けたあさりが身を守るために砂を吐き出す、この生態を利用した方法です。しかし43度以下だと菌が発生しやすく、60度近いと火が通ってしまうので温度管理が非常に重要になってきます。

あさりの砂抜きの手順①塩水

3時間〜6時間という長い時間をかけるので、一見面倒なようですがほとんどの時間は放っておくだけなのでさほど手間ではありません。

塩水は海水があるとベストなのでもし潮干狩りなどで採った際は一緒に海水を汲んでくることをおすすめします。もちろん人工の食塩水でも構いません。

①流水で洗う

貝類すべてで必要となる作業です。水道水で構わないので両手に貝を持ち、こすり合わせるように洗いましょう。すり合わせた音が高いものは死んでいる可能性があるので取り除きます。

また腸炎ビブリオ菌を洗い流す効果もあるので必ず流水で行うことと、周りに飛び散らすことを防ぐため台所を避けると安心です。

②塩水を用意し浸ける

海水がない場合は濃度3%の食塩水を用意します。バッドに貝が重ならないように並べて上から新聞紙をかぶせ3時間から6時間置きます。

砂の抜け具合をチェックする時は、重なってしまった下に位置する貝に火を通して食べてみます。きちんと抜けていれば全体も同じように完了したと捉えて構いません。

③再び流水でよく洗う

長時間、水に浸けておくため菌が繁殖している恐れがあります。塩水から引き上げた後は再び流水に当てながら、貝同士をこすり合わせて洗いましょう。

要領は①の工程と同じです。なお、こちらにも詳しくやり方が紹介されています。併せてチェックしてみてください。

あさりの砂抜きの手順②お湯

お湯で行う場合でも流水での洗浄が必要です。では肝心の処理はというと50度ほどのお湯を、バッドに並べた貝が浸るくらいまで入れて15分ほど置けば完了です。温度計があるとわかりやすいので便利です。もしくは沸騰させたお湯に同量の水を入れると50度に近いお湯を作ることができます。こちらにも記事があるので参考にどうぞ。

死んだあさりの見分け方

すべてが砂を吐き出すわけではありません。中には何の反応もなく、すでに死んでしまっている個体が混ざっていることも多々あります。死んでいるものはなるべく食べない方が賢明です。こ

ここでは処理や加熱した際に死んでいる個体をどのように見分けるのかについて解説します。

調理前

  • 流水で洗う際、こすり合わせた時に高い音がするもの
  • 砂抜きの際に水管を出すことなく殻を閉じたままのもの
  • 匂いを嗅いだ時に、ドブ臭いような異臭を放つもの

以上は死んでいる可能性が非常に高いの必ず取り除くようにしましょう。特に異臭は腐敗が進んでいるので食中毒の原因にもなりかねません。要注意です。ある意味で砂抜きは砂を抜くだけではなく、死んだ貝を見分けるための工程であるとも言えます。

調理中、調理後

  • 熱を入れても貝殻が閉じたままのもの

熱を通した場合、当たり前ですがすべて死んだ状態になります。がしかし、いつまでも殻が閉じたままのものは加熱前から死んでしまっていた可能性が大きい個体です。死んだばかりであればまだいいですが、腐敗しているとお腹を壊すこともあるのなるべく避けるようにしましょう。

あさりは腸炎ビブリオ菌に注意しよう!

暑くなる夏場から秋にかけて活発になる細菌で、非常に密接な関係があることでも知られています。その証拠にシーズンになるとビブリオ菌観戦の報告例も増える傾向にあります。

ここではこの細菌の特徴と予防方法について解説します。調理前の処理がポイントになってきます。特に潮干狩りで家に持ち帰る人はぜひ参考にしてください。

腸炎ビブリオ

海水の中に含まれる細菌で魚介類に付着することで知られています。特に海水温が上がる夏場は増殖が盛んになるためもっとも注意を要します。増殖スピードが早いのが特徴です。感染すると下痢や腹痛、嘔吐を引き起こします。

対策

真水で洗うのは菌を洗い流す目的がありますが、その時に他の調理器具に水が付着しないよう台所での作業を避けることが肝心です。砂抜きも吹き上げた海水に菌が含まれている可能性もあるので、必ず新聞紙や布巾で蓋をし、周りに調理器具がない環境で行いましょう。熱には非常に弱いので加熱でほとんどが死滅します。

あさりの砂抜きとおすすめレシピ3選をご紹介

和食洋食を問わず、幅広く活用できるためレシピは数多くあります。今回はその中でも特に人気のある料理を作り方とともに紹介します。なんといってもポイントとなる砂を抜く下準備さえしっかりしてしまえば、調理自体は作りやすいものばかりです。

あさりのおすすめレシピ3選:その①あさりの酒蒸し

定番中の定番料理です。ふっくらとした食感、酒の風味との相性の良い身と、出汁がしっかり出たスープは大人から子どもまで楽しめます。ご飯のおかずや酒の肴にもぴったりです。特に大きいサイズのものだと食べ応えもあり、さらに濃厚な出汁も期待できます。

あさりの酒蒸しの作り方

  • あさり 200〜300g
  • にんにくのみじん切り 一欠片
  • サラダ油 大1
  • 酒 70cc
  • 醤油 小1
  • あさつき 1/3束

(引用:クックパッド)

材料とワンポイントアドバイス

作りかたはいたってシンプルなので簡単に作ることができます。また付け合わせのアレンジも豊富にあり、あさつきを散らす以外にも三つ葉や水菜もよく合います。同じく春の食材であるタケノコや新物のワカメを入れると季節感が前面に出ます。

おいしい作り方

  1. フライパンに油をひき、香りを移すようににんにくを炒めます。
  2. あさりを入れて強火で軽く炒めます
  3. 酒を入れて蓋をし2分ほど蒸し焼きにします
  4. あさりの口が開いたら醤油で味を整えて出来上がりです

(引用:クックパッド)

詳しいレシピはこちら

あさりのおすすめレシピ3選:その②あさりご飯

きっと誰もが一度は食べたことがある、出汁がまんべんなく染み渡ったご飯ものの作り方を紹介します。こちらは冷めてもおいしく食べることができるのでお弁当やおにぎりにも最適です。春の風物詩ともいえる定番料理にぜひ作ってみましょう。

あさりご飯の作り方

材料(4人分)

材料(4人分)

  • お米 2合
  • アサリ 500g
  • 油揚げ 1枚
  • ニンジン 1/3本
  • 醤油 小さじ1(漬込用)
  • 酒 180cc
  • 醤油 大さじ1
  • あさり煮汁 全量
  • 三つ葉 適量
  • 塩 適量

(引用:クックパッド)

材料とワンポイントアドバイス

あらかじめ鍋で一度火を通してから炊き上がったご飯に混ぜ込むようにすると身の柔らかさを保ったままの身を味わうことができます。なお、出汁が入った煮汁は米を炊く時に使うので必ず取っておくようにしましょう。

おいしい作り方

  1. 油揚げは油抜きをし、縦半分から5ミリの幅に刻みます
  2. 人参はいちょう切りにします
  3. 鍋に酒と醤油を入れて沸騰させたらあさりを入れます
  4. 口が開いたら取り出し冷ましてから身を取ります
  5. 米を洗い煮汁を入れてから規定の線まで水を入れます
  6. 他の材料を入れて炊飯します
  7. 炊き上がったご飯にあさりを混ぜ込み出来上がりです

(引用:クックパッド)

詳しいレシピはこちら

あさりのおすすめレシピ3選:その③あさりと菜の花のスパゲティ

春になるとイタリアンやカフェなどでよく見かけるメニューです。オイル系のシンプルな味付けのソースで旬のあさりと菜の花をいただきましょう。柔らかい磯の香りとほんのり苦味のある菜の花が春らしさを感じさせてくれます。

あさりと菜の花のスパゲティの作り方

材料(2人分)

材料(2人分)

  • 菜の花 1/4房
  • アサリ 10個
  • 長ネギ 1/4本
  • スパゲティ150g
  • オリーブオイル 大さじ2
  • にんにく 一欠片
  • 赤唐辛子 1本
  • 白ワイン 50ml
  • パスタの茹で汁 適量
  • 無塩バター 5g
  • 塩 適量

(引用:クックパッド)

 

材料とワンポイントアドバイス

オイル系のスパゲティはフライバンの中のオイルとパスタの茹で汁を使っていかに乳化させるかがポイントです。よって素早くパスタをかき混ぜる必要があるので口の開いたあさりを皿やバッドに避けておくと作業しやすくなります。また身に余計な熱も入りにくくなるのでおすすめです。

おいしい作り方

  1. 菜の花は洗って茎はみじん切りに、葉は食べやすい大きさにカットします
  2. にんにくは薄切り、長ネギはみじん切りにします
  3. フライパンにオリーブオイルを引き、弱火でにんにくを炒めます
  4. 香りが立ってきたら赤唐辛子とネギを入れます
  5. あさりを入れて白ワインを入れ蓋をしたら蒸し焼きにします
  6. 口が開いたら取り出しておきます
  7. 茹で上がったパスタを入れます
  8. 菜の花も入れてよくなじませ、味も整えます
  9. 仕上がりの直前にあさりを入れて軽く混ぜたらできあがりです

詳しいレシピはこちら

あさりの旬を知っておいしく食べよう!

今や輸入物も非常に多く出回っていますが、やはり国産の旬ものが味や大きさの点で非常におすすめです。また貧血や慢性的な疲労に効果があるビタミンB12は貝類の中でもナンバーワンの含有量も誇ります。

おいしいだけではなく身体にもいいあさりを、ぜひ楽しんでください。

あさりの砂抜きに関する記事はこちら

あさり砂抜き「お湯」を使った方法に関する記事はこちら