コタール症候群とは?重度なうつ病に分類される精神疾患
心の病の中には、気持ちが深く沈みこんでしまい心の闇に飲み込まれてしまうモノがあります。
「コタール症候群」と名付けられた精神疾患は、今ではほとんど見られなくなっていた病です。最も重い鬱病と診断される疾患についてご紹介します。
コタール症候群とは“もう既に自分は死んでいる”という思い込み
思い込む力と言うモノは、時には思わぬ方向へと進んでいく事もあるでしょう。良い方向に進んでいけば良いのですが、悪い方向へと進んでいってしまうと、精神に異常をきたしてしまいます。
「既に自分は死んでしまっているのではないか」という思い込みをしてしまう病にも病名が付けられました。
1880年にフランスの神経学者ジュール・コタールが発見
名前が付く一世紀ほど前にも同じような症例がスイスで報告されていましたが、その時には広く知られていませんでした。
精神科医でもあり神経学者でもあるジュール・コタールが、身体の内蔵の一部が無い様に感じたまま生きている女性の症状を報告した事で名付けられたと言われています。
コタール症候群の患者は世界に100人ほど
「脳が溶けている」「血液がない」「身体が透けている」などの様な「自分が死んでいる」感覚に取りつかれてしまい、思い込みや妄想の中で生きている同じような症例を持つ患者は、世界各地に100人ほどしかいない希少な病気です。
精神障害の種類
精神に障害が出てしまう事によって、生き辛くなってしまう事はどんなきっかけで起こるのか、解明されていない疾患は様々あります。
精神障害の種類には聞いた事がある病名もあるでしょう。どのような障害があるのか、種類や特徴をご紹介します。
摂食障害
名称にもありますが、食事に関する障害が起きてしまう事をいいます。食べ過ぎや飲み過ぎ、過度なダイエットという事ではなく、心理的な事が原因で起きてしまう病気です。
「食べ過ぎたと感じ嘔吐する」「石鹸などを食べる」「白い色のモノしか食べない」などが例として挙げられます。
解離性障害
「解離」という言葉からも分かるように、意識が別々の場所にあるように感じ、ある場所での感覚が丸ごと無くなって思い出せなくなってしまう疾患です。
現実であるという感覚がなくなってしまう原因は、感情を「解離」させ心理的な防衛をしなければいけない状況に陥ってしまった事にあります。
睡眠障害
悪い夢を見てしまうといった悩みが三日以上続く場合や、寝ている途中で何度も目が覚めてしまうといった場合には、疑いを持って病院で検査する事をオススメします。
昼と夜が逆転している生活をしていたとしても、深い眠りにつけないというのは病気を疑いましょう。
適応障害
何かの出来事が引き金となってストレスを感じ、不安や鬱になるだけではなく、普段の行動にも支障をきたしてしまう病気です。
誰にでもイライラしたり落ち込んだりする事はありますが、社会的な問題行動を起こしてしまう事もあります。
パニック障害
不安を感じると、激しい息切れやめまいが突然起こってしまう障害です。
引き金となっているのは異常な興奮状態にありますが、薬や行動療法で回復する事が出来ます。心臓病などと違う点は、心電図検査などで異常が見つからないという部分です。
社交不安障害
人と話す事、人前でプレゼンテーションしなくてはいけない場合に不安になったり緊張したりしてしまう事は少なくありませんが、日常の暮らしにも影響を及ぼすようになってしまうと、心の病として診断されます。
精神障害の診断方法
ハッキリとした事がわからないまま、どのように診断しているのかを疑問に思った事はないでしょうか。
心理的な事や精神的な事に対してデータだけで判断する事は難しいと言われています。正しい診断をする為には、体験した事を本人や周囲の人物に問診してはじめて診断され、治療方針を決定しなければいけません。
精神障害のきっかけ
障害が発症してしまうきっかけにはどのような事柄があるのかご存知でしょうか。
現在考えられるきっかけとしては「脳の変化」「環境因子」「遺伝」などがあげられるでしょう。しかし、あくまでもきっかけの一つにしか過ぎません。
精神機能が上手く働かない
脳と身体の伝達機能が上手く働かなくなってしまう状態は、解明されていない部分も多くあります。
神経を上手く伝達させる事が出来れば治療する事も可能だとされており、心と身体のバランスを保つ事が出来るようになれば回復も見込めるでしょう。
周囲の関わり方
一般的な枠組みの中にいる方にとって、精神障害を患っている方には偏見が付きまとう事になってしまう場合が多いでしょう。
そのような目から逃げる為に孤立してしまったりする事の無い様に、周囲は症状を受け入れてサポートしていかなくてはいけないのではないでしょうか。
サイコパスは反社会性パーソナリティ障害
幼い頃から犯罪を繰り返し、他人が傷ついても気にする事もない人物に対して「サイコパス」という言い方をします。
「サイコパス」は、反社会性パーソナリティ障害と言う病気で、遺伝と環境によって引き起されるようです。
コタール症候群の原因は?未だ解明されていない?
どのような事が原因で引き起こされてしまうのかご存知でしょうか。
妄想、妄言の中には、「何を食べても死んでいるから吸収されない」「血管が通っていないから点滴出来ない」などがあり、多くの場合「死」の状況にあると考えています。
トラウマが関係している可能性
発病患者が少ない事もあり、多くの症例を見ても解明されていない部分がありますが、PTSD(心的外傷)、つまりはトラウマが関係しているとも言われています。
何らかの状況で強いストレスを感じた場合に発症する事もあるでしょう。
頭部の怪我により脳の機能が損傷すると発症することも
脳の認識が何らかの形で損傷してしまう事で、発症してしまう可能性もあるとされています。
脳の機能が正しく働かない事で、身体の一部がない感覚になってしまったり、死んでいると思い込んでしまうのでしょう。
ヘルペスの治療で使用されるアシクロビルが原因になることも
韓流ドラマで取り上げられており、ドラマの中ではヘルペス脳炎に罹った為に処方された薬の副作用で発症します。
ヘルペス脳炎になってしまった患者は妄想に取りつかれる傾向がある為ではないでしょうか。
原因がはっきりしていない精神疾患は他にもある
ハッキリとしたきっかけがある訳ではないのにも関わらず、罹ってしまう精神疾患は他にもありますので、いくつかご紹介します。
心の闇を抱えている方の多くは理解されずに苦しんでいる事もある為、知識を深めて理解する為の参考にしてみて下さい。
統合失調症
統合失調症は「幻聴」「妄想」「無関心」「疲れやすい」「記憶力の低下」「生活が困難になる」などが起こってしまい、感情をコントロールする事が難しくなってしまいます。
考え込んで引きこもったりしてしまう方もいるでしょう。
アルツハイマー型認知症
よくモノを忘れる、時間の感覚が分からなくなるといった事が原因で起こる病気で、判断力の低下や理解力が著しく低下していきます。
未然に防ぐ事が出来ないと言われていますが、適度な運動や頭を働かせる事が大切です。
自覚できるサインもある
疾患を自覚することが出来るサインの様なモノを身体が発信する事もあります。どのようなサインがあるのか、自身でもチェックしてみましょう。