以上のゲイル氏の霊視には納得出来る点も多々ありますが、わざわざゴールデンウィーク中の観光スポットで拉致をするとは考えにくいとの意見が多く、不審な物音や悲鳴を聞いた人物もいない、また法子さんの持ち物も何も落ちていなかったことから、警察による二度目の捜索は行われませんでした。
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「奇跡の扉TVのチカラ」で解決に至った例は?
法子さん家族が期待を寄せた番組「奇跡の扉TVのチカラ」。事件の概要や関係者の呼びかけ、超能力者による霊視を中心にした内容でしたが、ではこの番組で実際に解決に至った事件にはどんなものがあったのでしょうか。
茂原市重機オペレーター殺害事件
2000年3月、千葉県茂原市に住む重機オペレーターの江澤重雄さん(当時49歳)が行方不明となり、2004年10月に男性の娘が当該番組にて情報提供を呼びかけた事件です。これをきっかけとして飲食店関係者から「失踪当日、この男性が居酒屋で暴行を受けていた」との情報が寄せられ、それを元に捜査は進み容疑者2名が逮捕されました。
岸和田だんじり妻殺害事件
こちらは2004年9月、大阪府岸和田市に住むだんじり祭り好きの藪野優子さん(当時40歳)が行方不明になった事件。翌年3月に夫、他関係者が番組に出演し、情報提供を呼びかけました。これをきっかけに捜査線上に女性の知人男性が浮上。アリバイに矛盾があったことから容疑者とされ、犯行を自供しました。
知人男性は藪野さんと不倫関係にあり、口論の末藪野さんを殺害。死体を山中に遺棄していたため、こちらも番組の力がなければただの行方不明事件として未解決のままだったと考えられます。容疑者は番組にも出演し、自身の身の潔白を訴えていました。
赤城神社主婦失踪事件の真相を検証
捜査を重ねても良い結果が出なかったこの事件。それでは、他にどのような説が考えられるのでしょうか。ここでは、いくつかのケースを提示、検証したいと思います。皆さんも、法子さんがどのような目的でどこへ行ってしまったのか、想像を巡らせながらお読みください。
赤城神社主婦失踪事件の真相①駆け落ち説
例えば、法子さんには当時夫以外に好意を寄せていた人物がおり、その人と駆け落ちをしたという説。駆け落ち相手が車で来ており、それに乗って失踪したと考えると一見自然に思えます。しかし冒頭でお話したようにこの日の神社行きは、朝9時の義母の突然の提案で決まったことでした。
駆け落ちをするならばこのような突発的な状況ではなく、また家族が自分から離れている時間に決行する方が都合のいいように思えます。また、法子さんは当時孫を溺愛しており、この日のお参りも孫の成長を祈願するつもりでした。そんな彼女が駆け落ちをし、孫、そして娘を悲しませるかと考えると、不自然であると言えます。
赤城神社主婦失踪事件の真相②トイレに行く途中足を滑らせた説
車中で待つ間に催し、トイレに行こうと車を出たがゴールデンウィーク中のため公衆トイレが満員であり、山中で済ませようとして足を滑らせた、と考えることも出来ます。駐車場のすぐ横にトイレがありますが、当時人が沢山いたこと、また雨で少し気温が下がっていたことを考えると、満員だった可能性もあります。
この場合家族にトイレに行くと告げなかったのは少々不自然に感じますが、神社へのお参りとトイレを同時に行おうとしていたのなら辻褄が合います。ただ雨の降る中、サンダル履きの女性があえて山の中で用を足そうとするかと考えると不思議な点も残ります。
赤城神社主婦失踪事件の真相③記憶喪失になった説
上記の説のように山中で用を足そうとした、または道を間違え、山から転落したのち記憶喪失になった、とも考えることが出来ます。自分が誰だか分からなくなっているなら、家族からの必死の呼びかけに答えず、自宅へ戻らないこととも整合性があります。
また前述の無言電話が、記憶は失っているが電話番号だけは覚えており、かけてみたが困惑して無言のまま切ってしまった結果だとも取れます。しかし本人が記憶喪失であっても、保護の際に警察が介入する、または周囲の人間がTVを見ていればその特徴から法子さんだと判明するはずであり、この説もはっきりと唱えがたいものとなっています。
赤城神社主婦失踪事件の真相④レイプ事件説
では、TVでゲイル氏が霊視したようにやはり拉致の上暴行を加えられたのでしょうか。実はゲイル氏は「この辺りで他にもレイプ被害に合っている女性がいる」とも言っていました。番組が調査を行ったところ、20年ほど前に70代の女性がレイプされた事件があったことが発覚。40代である法子さんが狙われても、不思議ではないことが伺えます。
ただ、法子さんが車を降りた後に娘が彼女を目撃していることから、法子さんが男性に声を掛けられた地点はあまり奥まった場所ではないと考えられます。すると、ゴールデンウィーク中の正午、人の賑わう土地の目立つ場所で女性を狙っていたというのが不自然だという見方も出来ます。
赤城神社主婦失踪事件の真相⑤北朝鮮工作員の拉致説
謎の無言電話の発信場所であった鳥取県米子市。米子市の港は北朝鮮による拉致が頻発した場所でもあります。ここから、法子さんは北朝鮮工作員に拉致されたのではないかと推測することも出来ます。
事実、米子市は拉致被害の多かった場所です。しかしそれは1970年代の話。そして拉致被害者は主に20~30代の若者でした。また、拉致被害は日本海側で多く起こっており、今回のような内陸部、そしてゴールデンウィーク中ということを加味すると、この線も可能性が薄いと考えられます。
赤城神社主婦失踪事件の真相⑥神隠し説
実は三夜沢赤城神社には、神隠し伝説が語り継がれています。昭和19年には、徴兵された息子の安全祈願をしに来た老夫婦が、消えるように行方不明になったというエピソードがあり、また大正時代には、嫁入りの直前に参拝に来た18歳の娘も痕跡を残さず消えたという記録が残っています。
法子さんが何の痕跡も残さずいなくなった当時様々な憶測が飛び交いましたが、これまで考察してきたようにどれも真相と断定するには不確実なものでした。赤城神社の伝説と合わせて考えると、神隠しに合ったという線が一番納得出来る結末なのかもしれません。神隠しについてもっと詳しい記事が読みたい方はぜひこちらも合わせてお読みください。
赤城神社主婦失踪事件後の動き
警察による捜索、TVによる呼びかけを経て、事件はどのような変遷を辿って行ったかを追っていきましょう。法子さんはどうなったのか、家族はどのような対応を取ったのか。事件後の動きについてまとめました。
2008年6月に失踪宣告
1998年に発生したこの事件は10年を経過した2008年5月、県警が500枚のビラを配布し再度情報提供を求めました。しかしやはり有力な情報は集まらず、翌6月、家族による失踪宣告の申し立てが受理されました。失踪宣告とは、行方不明の人物を法的に死亡したとして処理をすること。これで法律上、法子さんは亡くなったことになります。
2012年8月赤城山で頭蓋骨が発見された
2008年に失踪宣告がなされた4年後の2012年8月、赤城山で人の頭蓋骨が発見されました。一報を聞いた事件関係者は皆、法子さんのことを思い浮かべましたが、司法解剖の結果、頭蓋骨は20~30代の女性のもので、亡くなってから数年以内のものだと分かりました。残念ながら、法子さんの足跡は未だ掴めていません。
有名な平成の未解決事件
今ではネットで少し検索するだけでも、膨大な量の未解決事件を見ることが出来ます。いつの時代も、人が生きて生活している限り不可解な事件は起こり、増え続けているのです。ここでは、赤城神社主婦失踪事件に続く平成の有名な未解決事件をご紹介します。
未解決事件①:世田谷一家殺人事件
この事件の名前は、誰もが一度は耳にしたことがあると思います。平成12年であった2000年の大晦日に起こった事件で、東京都世田谷区の宮沢みきおさん(当時44歳)の自宅で、みきおさん、妻、そして幼い子供二人が残忍に殺害されました。
犯人は三人を執拗にめった刺しにし、その後長時間に渡り犯行現場に居座り、冷蔵庫内のアイスクリームや果物を食べて寛ぐなど、その異常性は日本の事件史に類を見ないものとなっています。現場には遺留品も多く残されていたため解決も早いかと思われましたが、何故か迷宮入りとなっています。
未解決事件②:福島女性教員宅便槽内怪死
こちらも複雑怪奇な事件です。平成元年である1989年2月、福島県田村郡の女性教員宅の便器内から、若い男性の死体が発見されました。男性は同じ村内に住んでいた菅野直之さん(当時26歳)で、女性教員が用を足そうと便器の中を覗くと何故か靴を履いた足が見えたことから発覚、菅野さんの死因は凍死、そして窒息死でした。
便槽内への入り口は36cm。とても成人男性が入れる大きさではなく、しかも菅野さんは正義感が強く、覗きをするような人物ではありませんでした。発見の4日前から菅野さんの足取りも途絶えていたなど不可解な点が多い中、警察は事件性なしとして捜査を打ち切り。未だに謎だけが残っています。
日本各地の様々な神社をご紹介
今回ご紹介した赤城神社には実は「神隠し伝説」がありました。他にも曰く付きの神社、そして思わず笑ってしまうような面白い神社は日本に沢山あります。ここでは、悲しい過去を持ち心霊スポットと化した神社、そして口直しに、思わず笑ってしまうようなユニークな神社もご紹介します。
東京都台東区の吉原神社
東京都台東区千束にある吉原神社は、その名前から伺えるように、江戸時代の遊郭・吉原で働いていた遊女達のために建てられた神社です。ここには昔「弁天池」という池があり、1923年、関東大震災の際、火災から逃れようとした遊女達がこの池に飛び込んだというエピソードがあります。
当時吉原は、遊女達が逃げられないように大きな壁に囲まれていました。そのため彼女達は逃げ場を失い、なんと490人もの遊女が亡くなっています。吉原観音像と慰霊碑のあるこの神社は、東京で最大とも言われる心霊スポットとなっています。
和歌山県加太市の淡嶋神社
こちらはそのユニークさで有名な神社。まず、本殿正面には大量の日本人形が並んでいます。これは人形供養のため持ち込まれたものなのですが、何故かこちらを向いた状態でずらりと並べられており、来た人を驚かせます。他にも招き猫、狸の設楽焼、フランス人形など様々な人形が並ぶ光景を見ることが出来ます。
そして何よりインパクトが強いのが「パンツを投げ入れる格子」があること。淡島神社は安産、子宝、婦人病に強い神社で、そのご利益を得るために下着を投げ入れることが出来るのです。なんと社務所には替えのパンツも販売されています。非常にユニークなこの神社。参拝するだけでも話のタネに出来そうです。
志塚法子さんは孫の成長を楽しみにしていた
失踪宣告がなされた法子さんですが、この宣告自体は取り消すことも可能です。TVで必死に訴えかけていた家族は法子さんの帰りを諦めた訳ではなく、今でも法子さんの居場所を探し、心配し、その帰りを待ち望んでいるはずです。
当時48歳だった法子さん。生きていれば現在69歳です。孫を愛し、その成長を楽しみにしていた法子さん。そのお孫さんももう成人し、当時から考えられないほど大きくなりました。再び法子さんの優しい笑顔が見られる日は来るのでしょうか。家族の心中を思うと誰もが、どうかその日が来てほしいと願わずにはいられません。
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