彼らは、自分の傷は自分で再生できる力を秘めています。イモリのように切れた尾を再生するように傷を修復できるのですがこの再生力が大変高く、医療界でも注目を浴びているのです。
さまざまな部位が再生する
イモリは尾だけですが、メキシコサラマンダーは四肢や心臓、目、水晶体、脊髄といったあらゆる部位が再生できる凄い力を持っているのです。
医学でも用いられている
過去には損傷した脳も再生できた例もあり、人間の再生医学に代用できないか神経学者の間で研究が進められています。いつしか遠くない未来で、メキシコサラマンダーの能力を参考にした最新医学が公表されるかもしれません。
人間の10倍以上の再生力
小さな体に秘めたパワーは凄まじく、人間の10倍以上もの再生能力を持っています。このことから科学者たちはこぞって研究に使用しているのです。
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メキシコサラマンダーは成体になる?
同じ両生類であるカエルのように姿を変えずに一生を終える「変態」しない彼らは、幼体のまま寿命を迎える両生類なのです。珍しい種類なのですが場合によっては成体にさせることも可能です。一体どんな方法で成体にさせるのでしょうか?
一部の個体は成体になる
彼らの姿の特徴は、エラが体の表面に飛び出していることです。成体にさせるためには、エラ呼吸から肺呼吸にする必要があります。自然界では難しいことですが、人為的に手を加えることで成体になることが可能です。
成体にさせる方法
彼らが幼体のままの姿を維持しているにはホルモンコントロールができているからと明らかになりました。ホルモン注射を接種することで成体にさせることができます。
そして負担を少なくするため水位を徐々に下げていき肺呼吸がしやすい環境を整えてあげます。
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メキシコサラマンダーが成体になるとどうなる?
彼らが成体になった場合、見た目はどんな風貌になるでしょうか?愛らしい笑ったような顔が特徴の容態の彼らですが、大人になった姿がどんな風に変わるのか見てみたいですね。
見た目が変わる
愛らしかった姿とは反対でお世辞にも愛らしいとはいえない風貌になります。オオサンショウウオの種類ですので、体の色は異なっても見た目はオオサンショウウオです。
エラが消える
彼らの特徴的なピンク色をしたエラは、成体になると肺呼吸となるため消えてなくなります。おたまじゃくしがカエルに変化していくように姿を変えるのです。
まさにサラマンダー
サラマンダーとは英語で「妖精」を意味します。神々しい意味も持っていますが元々は妖怪や魔物を意味する際に使用していた単語です。成体の見た目はメキシコの魔物そのものの姿をしています。
寿命が短くなる
両生類の特徴であるエラ呼吸から肺呼吸に切り替えずに一生を終える理由は、長く生き延びるためです。彼らは両生類の中でも長寿です。肺呼吸に変わることをやめて長く生き延び子孫を残すことを選択したのです。
順応な対応はしにくい
彼らは成体になることよりも幼体のまま一生を全うした方がリスクは少なく済むと判断して進化をしていった生物ですので、人為的に手を加え無理やり成体にさせることは負担が多すぎます。すべての個体が順応できる方法ではありません。
無理に興味本位で行うことは避けましょう。
メキシコサラマンダーは飼育できるのか
熱帯魚のような飼育環境で自宅で飼うことは可能です。ですが今絶滅危機に面しているため飼育時の注意する点や規制もありますので、それぞれご紹介していきます。
野生個体は飼育できない
絶滅危機になっている生物で保護活動が盛んです。野生のメキシコサラマンダーを少しでも大切にしていくためにワシントン条約で輸出禁止と決められています。野生からの飼育はできません。
日本で売られているものは飼育可能
現在日本のペットショップで売られてる個体は輸出禁止になる前に海外で繁殖し、それを日本でさらに繁殖させ増やした個体です。ですから法律に反することなく安心して購入でき飼育することが可能です。
飼育時の注意点
せっかく愛情をもって飼育するのですから長く一緒にいたいものですね。長く一緒にいるためにも注意する点をご紹介します。
- 綺麗な水を好みます。こまめに水を交換してあげてください。
- 個体の大きさの2~3倍以上の水槽を用意します。
- 水道水ではカルキがあるため、1日以上常温で放置しカルキ抜きしましょう。
- 水温は15~20度が適温です。
- エサは多すぎると水汚れの原因になりますので適量を与えましょう。
- 砂利は天然砂利か小さい砂利を敷きます。(セラミック砂利は飲みこんだ時に傷つく恐れがあります)
- ビー玉のような小さな球は飲みこむ恐れがあるので入れないでおきましょう。
必要とする道具
飼育するためには、水槽と水をろ過するためのフィルター、水道水に含まれるカルキやクロラミンを中和できるカルキ抜きを揃えましょう。シンプルな道具で飼育可能なのでチャレンジしやすいです。
あるとより飼育が便利な道具
綺麗な水を維持するためには、食べ残したエサを取り除くことです。ピンセットがあると掴みやすく簡単に取り出せます。また退屈しないように隠れ家を作ってあげると休憩もできるので長生きします。
メキシコサラマンダーを食べる人も!飼育下のものは危険も
愛らしい姿を想像すると食べるのを躊躇してしまいますが、食べると美味で日本でも食べられるお店があります。どんな味で、どんな調理法なのかご紹介します。
唐揚げは美味しいらしい
日本で食べられるのは、メキシコサラマンダーのアルビノ化させた食用のウーパールーパーです。あの姿のままを唐揚げにしています。淡白な白身魚のような味で時にコリコリした食感もあり、お酒のお供に合うようです。
飼育下のものは感染症のリスクもあり危険!
個体がもともと持っている細菌は、高い感染能力をもった物質です。体に悪影響を及ぼす危険がありリスクが高いので、口にしないようにしてください。
メキシコサラマンダーは不思議な生き物!
長く生きるために自ら成体にならず幼体のまま一生を遂げますが、手を加えると成体にも変化できる不思議な生物です。人間の手による環境悪化で個体減少してしまい、絶滅危機であることもわかりました。
何とか住みよい環境を整えて愛らしい姿をなくさないように努力をしたいものです。
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