後日お礼のため再び老人宅を訪れた男性は愕然としました。家はすっかり朽ちて無人となり、周囲も廃村となっていたからです。老人の正体はいったい何だったのだろう、というお話です。
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廃村の怖い話⑤
先に紹介した杉沢村と同じく、都市伝説として有名なのが八ヶ岳村。あらゆる怪談話に富んだ舞台で、訪れた者は必ずおそろしい幽霊に出会うといいます。
人間というのは不思議なもので、怖い目に合うと分かっていても肝試しがやめられないものです。
八ヶ岳村
ある学生がバイト仲間と、八ヶ岳村という廃村に肝試しに行きました。村へ向かうトンネルを通ると次々と幽霊が迫ってきます。恐怖にかられて逃げ惑っていると、近隣の住職がやってきて皆を逃がしてくれました。
学生は後になって、トンネルも寺も今はもう無いと知ったそうです。なお地図にない村についてまとめられた記事はこちらからどうぞ。
廃村に行く際の注意
これまでですっかり興味が湧いて、実際に廃村に行きたくなってしまった方もいるでしょう。
ですが無人の荒れ地を訪れるということは、町中の公園にハイキングに行くのとはわけが違います。心構えとしても装備としても、それなりの準備が必要になります。
不良などのたまり場になっていることも
中には地元や全国で知名度の高い場所もあります。
そうすると頻繁に訪れる人がいて、中には怖いもの知らずの不良やホームレスが勝手に占拠している場合もあるので、トラブルに巻き込まれないよう下調べは念入りにしていきましょう。
自然災害など廃村になった経緯に注意
人口流出だけでなく、集落が無人になる原因は自然災害や害獣被害が原因というケースもあります。
事実、紹介してきた廃村の中は雪害や遭難などの被害がありました。また怪奇現象が起こっても誰も助けてくれませんの、人の出入りがまったくない廃村なども避けたほうが良いでしょう。
所有者がいる場合不法侵入に
この国の土地はどんな場所だろうと基本的に所有・管理者がいます。一見無人の荒れ山に見えてもそこは誰かの土地であり、無段の立ち入りは厳禁です。
誰にも咎められることなく向かいたいであれば、事前に許可を申請するなど正規の手続きを取りましょう。
再利用される廃村
失われた村という点にあえて着目し、活用を目指した試みもあります。
かつての姿をそのまま残した世界だから、今の日本からは失われてしまった風景だからこそ、確かなニーズがあるのです。ここなら危険もなく堂々と訪れることが可能ですね。
大平宿
昭和後期に無人化した宿場町だったものの、その風情ある姿を残そうという多数の支援により保全されました。現在は古民家宿泊として貸し出されています。
その状態の良質さから、山田洋二監督の映画のロケ地として選ばれたこともあります。なお宿泊の予約は南信州観光公社までご連絡ください。
端島
平成27年に世界遺産に登録された、いわゆる軍艦島です。日本の産業革命と呼ばれる時代の痕跡を色濃く残しており、撮影地として頻繁に利用される、国内でかなり有名と言ってよい無人島です。
誰でも自由に入島できるわけではありませんが、観光ツアーなどを申し込むことによって上陸可能になっています。
居住区域が捨てられる理由
それまで住み慣れた土地を捨てなければならないのだから、それは切実で止む無い理由があるものです。
人口流出が最も多い原因ですが、次からはそれ以外の理由で人々が去った村・都市を紹介していきましょう。
クラーコの地震災害
イタリアのクラーコという都市は多発した地震が原因で居住できなくなりました。
ですがこの姿を見て分かる通り、中世文化を残した美しい市街地の姿が印象的なため、映画のロケ地としていまだ人気の高いエリアです。
セントラリアの炭坑火災
かつてアメリカのペンシルバニア州にあったこの都市は、炭坑内で発生した火災により全住民退去となりました。
おそろしいことに火災は今も続いており、鎮火するまで数百年かかるといわれています。映画「サイレントヒル」のモデルであることでも有名です。
プリピチャの原発事故
場所はウクライナ、と言われてぴんと来る方もいることでしょう。こちらはチェルノブイリの原発事故が原因です。
この町はチェルノブイリから特に近かったため現在も住民は戻っておらず、後期ソ連時代の風景がそのまま残されています。
九龍城塞のスラム撤去
現在は残念ながらすでに取り壊されてしまいましたが、1000年以上前から続く歴史を持つ、香港の大規模型都市要塞です。治安悪化を名目に政府により解体されました。
今は閑静な公園として地元住民の憩いの場になっていますが、かつての九龍こそ訪れてみたかったという声は後を絶ちません。
廃村だけじゃなく、廃○○もいいよね!
廃村に興味のある方であれば、他のジャンルにも関心があるのではいでしょうか。次からは似たような方向性を持ちつつ、少々パターンの変わった廃○○たちをピックアップしていきます。
かなりのメジャー分類から日本でただ1つの場所まで、色々お楽しみいただけます。
廃校
時々ニュースでも廃校の知らせが届きますが、学び舎として愛された場所ですので、なるべくそのままの姿で保存しようという働きがあります。
資料館、介護施設、宿泊施設などその用途は様々ですが、公共管理であることが多いため気になる方は問い合わせてみましょう。
廃病院
病院を捨てる事情は各々ながら、中には医療器具や薬品がそのまま打ち捨てられている場所もあります。
肝試しにうってつけに見えますが、居住区から近いことも多いため、不法侵入者に荒らされていることも多く危険な場所です。
廃遊園地
レジャーランドは閉鎖された後も、撤去に費用がかかるため解体されずに残されていることも多いです。
その退廃と虚無の美にとりつかれた人も多く、どこもフォトスポットとして高い人気を誇っています。
廃水族館
これはかなり希少な部類で、国内では1件のみ確認されています。長崎県の西海水族館です。
水槽内は空になっていますが施設周辺はいまだ海洋生物が豊かに暮らしています。水場ということもあってかなり老朽化が進行しているので危険な場所です。
廃村をテーマにした作品
次からは廃村が登場するフィクション作品たちを紹介していきましょう。
廃村を舞台にしたもの、廃村そのものにが主役であるものと多様ですが、日本の土着文化に密着した名作ばかりです。実際行くことができない人もこういった形で楽しむことができます。
SIREN
名作ホラーゲームとして認知度の高い本作ですが、ゲームステージのモデルが埼玉県秩父市のダム湖沿いにある、岳集落・嶽集落跡とされています。
作中に出てきた風景が見たいと多くのファンが訪れることで有名です。
のぞきめ
発売後1週間で重版決定したという人気ホラー小説です。その中の「覗き屋敷の怪」から廃村が登場します。
じっとりと背筋に汗がつたう、湿度の高い和製ホラーがお好きな方向けです。2016年には映画化もされたので、媒体の比較を楽しむのも良いでしょう。
廃村 昭和の残響
恐怖ぬきで退廃と造形美を堪能したいならこちらです。世にも貴重な廃村を被写体とした写真集です。
紙媒体も素晴らしい出来栄えですが、一部電子書籍版では増量版が発売されているので、掘り下げたい方はそちらもどうぞ。
廃村を訪れる時は注意点を考慮してください
まるで自分もかつての時代を過ごしているような、それでいて一人取り残されてしまったかのような、不思議な魅力を持つ廃村。
ですが事故、災害や怪談話など危険な報告が多いのも事実です。安易な判断で足を踏み入れてはいけません。危険への備えを忘れず、注意点を踏まえて行動するようにしましょう。
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