恐ろしい見た目の般若の面!本当は怖くない本来の意味と由来は?

地方によってはなんと般若の面を飾る風習があるところがあります。有名なのは島根県の西部、石見(いわみ)地方で、そこでは多くの家や、幼稚園などにも飾ってあるといいます。見た目にも恐ろしいですがなぜあえて飾るのでしょうか。

邪気を払う般若の面を玄関に飾る

般若の面を飾るのは邪気を払うため、つまり魔除け・厄除けの意味があります。その恐ろしい顔によって悪いものが家に入ってこないようにという願いが込められており、そのために玄関に飾られることが多いです。新築祝いに般若の面を贈るという風習もあり、お土産屋さんで買うこともできます。

その他の厄除けの方法についてはこちら。

島根県石見地方の風習

島根県石見地方で般若の面を飾る風習があるのは、その地方の伝統芸能である石見神楽が関係しています。石見神楽は元々は神に収穫を感謝して神社の奉納される神事でしたが、徐々に大衆芸能として一般の人々にも楽しまれ、現在でも人々の生活に溶け込んでいます。

ストーリーは勧善懲悪ものが多く、わかりやすい話ばかりです。そこで悪役や鬼として般若の面が使われ、子どもたちにも人気があり、親しまれています。観光客向けのステージもあるので、一度見に行ってみるのもおもしろいでしょう。

般若の面と御霊信仰

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般若の面を飾ることには御霊信仰(ごりょうしんこう)とも関わりがあると考えられます。これは八百万の神を信仰する日本の神道における特徴的な信仰です。詳しく見てみましょう。

御霊信仰とは

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日本では、ある人が別の人に対して非常に強い恨みや怒りなどを持つと、その念が怨霊となって祟りや災いを起こすと考えられています。そこで、その霊を御霊と呼んで、神として崇めて慰めることによって逆に災厄から守ってもらうというのが御霊信仰です。

般若の面は特定の人ではありませんが、恨みや怒りが極限に達した女性の姿です。そのため、現在では飾るだけかもしれませんが、元々はそれを信仰することで災いを防ぎ平穏に暮らせるように願ったとも考えられます。

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