市川一家4人殺人事件の全貌|犯人関光彦の生い立ちや生き残った長女の現在も

実は著書を出版する作家の男性以外にも新聞記者の男と文通によるやり取りをしていました。文通を始めた頃は比較的普通の文体だったそうですが、拘置所での生活が長引いてくるにつれて関死刑囚の精神状態の異常さに気づき始めました。

手紙の中では正気を保つことが出来ないといった内容の文面もあり、この手紙の内容から死刑といういつ来るかわからないが確実な死が近づいてくること、そして何年もの独房での生活によって精神状態が不安定になる時期があったことが分かります。

永瀬隼介氏から見た死刑囚・関光彦

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そしてもう一人の文通相手の作家永瀬隼介氏はこのやり取りから『19歳』という本を書きます。出版に際して文通、面会で事件に関しての取材を何度も行い、犯人の性格やその心の闇についても調べるといった経緯を挟んでの出版でした。

この著書は関光彦死刑囚本人も読んだようで、本の内容に関して虚偽の文面があると話しています。著書内には死刑判決を受けた時の自身の気持ちについても書かれており、虚偽があるとの指摘はあるものの、事件を知るには十分な内容になっています。

市川一家4人殺人事件・関光彦の死刑は賛否両論だった

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今回の事件の犯人である関光彦の死刑には、当時世間の間では賛否両論が巻き起こっていました。ここでは未成年の犯罪者の死刑に対しての意見について、世間の声と共にどのようなものだったのか見ていきたいと思います。

終身刑の方が重いという声も

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死刑って「執行」そのものよりも「毎日執行に怯えながら過ごす苦しみを与える事」に意味があるんじゃないかと思う。 終身刑だとそんな緊張感は無く、雨風凌げて冷暖房完備食事付きでダラダラと寿命まで生き長らえるだけ。そんなので被害者遺族の心は救われるのかな?(引用:Twitter)

ほとんどの意見ではやはり事件の内容から死刑なのは当たり前であり、未成年という点は考慮されないといった意見が多数を占めていました。世間の声は未成年犯罪での死刑に対して事件内容の残虐性を重要視しているように思えました。

しかし世間の意見の中には死刑で終わらせるのでは罪を償うということにはならない、終身刑で人生全てを懸けて罪を償うべきという意見も存在しました。確かにこの意見も間違っている意見ではなく、非常に難しいところではあります。

死刑は少年犯罪の抑止に繋がる

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私は死刑制度に賛成してる。 被害者の想いとしてどうしても加害者を死なせないと仕方ないことってあると思うし、死が持つ抑止力も大きいと思う。(引用:Twitter)

また、死刑という制度自体が未成年者への犯罪を抑止する手段だと考える意見もあります。確かに今回の事件も自分が未成年だからと死刑にならない事を見越したような犯人の発言があったことから、そのような未成年に警告のような形で死刑制度があることを見せておくのは意見としては間違っていないと思います。

他にもあった!未成年の起こした凶悪殺人事件

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ここまで市川一家4人殺人事件について見ていきましたが、実はこれ以外にも未成年が起こした殺人事件は数多くあります。ここではまず神奈川県の進学校の生徒が起こした凶悪な殺人事件について紹介していきたいと思います。

未成年が起こした時間に興味がある人はこちらをどうぞ。

いじめを発端とした首切り殺人事件

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この事件は神奈川県の高校で起きた未成年による殺人事件です。生徒の通っていた高校の名前からサレジオ事件と呼ばれており、犯人の少年は中学生当時殺害した少年からいじめを受けていました。そして放課後唐突に今まで受けたいじめを思い出し復讐の為に登山ナイフでいじめをしていた少年の首を刺して殺害します。

その後時間をかけて殺害した少年の首を切り落とし、さらにその首を蹴飛ばすという異常ともいえる残虐な行為を行います。先ほど紹介した事件の犯人との共通点としてはいじめを受けていたという点が挙げられ、幼少期の心の傷は残虐な心を生んでしまうきっかけになると考えられます。

犯人の少年の逮捕後とその後

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犯人の少年は犯行後警察に逮捕されて少年院に入るものの、少年院から出所した後はしっかりと更生を果たし大学に進学して大学院の修了過程まで獲得します。そして司法試験に見事合格して弁護士となっています。

しかし弁護士となって数年後少年の個人情報がネットを通じて公開されるという問題が起きます。その後は殺害した少年の遺族にあてて謝罪の言葉を述べた手紙を送った後、弁護士を止めており、音信不通となってしまいました。

宮城県で起きた未成年による連続殺人事件を紹介

神奈川県での未成年による首切り殺人事件について見ていきましたが、次に見ていくのは宮城県で起きた18歳の少年による連続殺人事件です。強姦は伴わないものの、事件の残虐性は前述した連続強姦殺人事件に匹敵するものです。ここではこの宮城県での殺人事件について見ていきます。

石巻市の民家で少年が3名を殺害

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この事件は当時18歳だった少年が民家に侵入して交際中の女性とその姉、知人の3名を包丁で刺し、2名が死亡し交際していた女性1名が重傷を負いました。犯人はその後重傷を負った女性を自動車に乗せ逃走を図るものの、警察によって同日に身柄を確保されています。

犯人は当時交際していた女性に何度も暴力を振るっており、交際の破局後も何度も復縁を迫るなど粘着質な性格でした。そして交際女性の姉が自分と彼女との仲を引き裂こうとしていると思いこんだ犯人は姉への強い殺意から交際女性宅に侵入し、犯行に及ぶという非常に幼稚で許しがたい犯行動機でした。

事件後犯人の少年は死刑判決を受ける

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逮捕後犯人の少年はその犯行の残虐性から死刑判決を受けます。最初に紹介した事件の犯人と同様に未成年であるものの更生の余地なしと裁判所は判断したのです。そしてこの事件の犯人は宮城県にある拘置所に死刑囚として現在も収監されています。

今回の事件も市川一家4人殺人事件の犯人と精神面で共通した点は多く、特に動機の幼稚さと他人に対しての冷徹なまでの接し方などが挙げられます。やはり凶悪犯罪者とは何かしらの共通した精神構造の中で生まれてしまうものなのかもしれません。

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