鈴蘭毒は青酸カリよりも強い!?身近に潜む恐ろしい毒草と本当に合った死亡事故

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キョウチクトウ

キョウチクトウはリンドウ目キョウチクトウ科の植物です。毒となる成分は植物全体だけではなく土壌にも存在し、枝などを切り離された場合も長い間その毒は効果を持ち続けます。こどもやペットが口にしていないか気をつける他、近くでの野菜の栽培も避けることが望ましいです。

クサノオウ

クサノオウはケシ科の植物で、可愛らしい黄色の花を咲かせ、葉を切ると同じような色をした乳液が分泌されます。この植物には約20種類ほどアルカロイドが含まれその過半数が人体に有毒とされていますが、水虫や擦り傷などの薬として扱われたこともあります。

神経に対し抑制系の働きを持ち、誤食してしまうと昏睡状態や感覚の麻痺などを引き起こす可能性があります。またケシ科の植物であることから治療においてモルヒネの代用品として用いられたりアヘンの代わりに喫煙された過去もありますが、効果よりも毒性が強く危険で現在は使用されることもないようです。

水仙

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水仙はヒガンバナ科でユリの仲間ともされる植物です。小学校や花壇でもよく見かけるラッパのような姿が面白いこの花ですが、この水仙にも危険な毒が存在しています。植物全体に毒を保有し、特にその根に多く含まれています。

庭でニラと水仙を育てている方が間違えて水仙の葉を食べ中毒を引き起こす事故もしばしば見受けられますが、中毒症状の嘔吐のおかげでほとんど胃に残ることもなく大事に至ることは少ないです。しかし、根を野蒜などと誤認し食べ死亡してしまうといった事故例も存在します。

ドクゼリ

セリ科であるドクゼリは全国に分布しており、食べることができ春の七草として親しまれているセリとは親戚ですが、セリのような香りがないことや地下茎を持つというセリとは異なる点から区別することが可能です。

ドクゼリは2種類の毒を全草に持ち誤って口にしてしまうと痙攣や嘔吐、意識障害といった中毒症状が現れ、大量に食べてしまうと死亡してしまうこともあります。中毒症状が出た場合には呼吸困難の対処をし、病院で血液透析などの処置を受ける必要があります。

恐ろしい鈴蘭毒にも活用法がある!

人を死に追いやる鈴蘭の毒にも、実は有効的な活用法があります。それは畑の側に植えておくだけという非常に簡単なものです。一体何に役立つのかということを皆さんにもお伝えしたいと思います。

鈴蘭毒でモグラ対策

モグラは生き物としては可愛いものの、土中で生活し土を掘り返す為ガーデニングが趣味の方や野菜を育てる農家の方々には厄介者です。そんなモグラを近づけないための対策として鈴蘭の毒が役に立ちます。

鈴蘭の毒は無味無臭ですがモグラはこの成分を嫌い植えてあるだけで近づかなくなるそうです。モグラだけではなく、作物を齧ってしまうネズミ類に対しても効果があり、同じように近づかなくなります。市販の忌避剤もありますが鈴蘭は見た目も可愛らしくおすすめです。

彼岸花も鈴蘭毒と同じ効果

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彼岸花はヒガンバナ科の植物で、鈴蘭の毒とは異なるもののこの美しい花にも毒となるアルカロイドが多く含まれています。水田や墓地の近くに多く、モグラやネズミなどの動物がそういった場所を荒らさないよう忌避剤の代わりとして植えられています。

美しく妖しい彼岸花。詳しく知りたい方にはこちらの記事もオススメです。

鈴蘭の香りにある効果

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鈴蘭は毒だけではなく素晴らしい効果の香りも持っています。アメリカの大学の研究で、鈴蘭の香りには集中力を持続させたり疲労を抑止する効果があるということがわかっています。育てる以外でその香りを楽しむ方法を紹介しようと思います。

香水やアロマオイル

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鈴蘭の香りは精油として花から採取することができず香料として使われているものは人の手により調合されたものですが、昔から香水に使用する香りとしてはバラやジャスミンと並びトップの人気を誇ります。

Diorなどハイブランドだけでなく多くの会社が鈴蘭の香りの香水を出しているため選びやすく、身につけたりデスクに置いておけば疲れにくくなり作業も効率的に進めることができそうです。香りの強すぎない商品であれば、清潔で上品な鈴蘭は職場でつけていても浮かない香りです。

お風呂で使う石鹸

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入浴時にお風呂で使う石鹸も香りを生活に取り入れる方法の一つです。体を洗う時はもちろん、湯船にお湯を張り湯気が立ち込める浴室に石鹸が置いてあると良い香りが広がりとてもリラックスできます。

日本製のものにも多いですが、鈴蘭が親しまれている国フランスで作られたマルセイユ石鹸でも鈴蘭の香りは定番です。マルセイユ石鹸はオーガニックな商品で日本国内でも購入することが可能で、香りもとても鈴蘭らしく自然な優しいものとなっているのでおすすめです。

フランスと鈴蘭の関係

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フランスでは祝日でもある51日に大切な人にこの花を贈るといった風習があります。はるか遠い昔のその日、鈴蘭を贈られた当時のフランスを治める王シャルル9世。彼がそれを気に入ったことがきっかけで、51日は鈴蘭の日となり今でもたくさんの人がこの文化を楽しんでいます。

春と幸福の象徴

欧州では昔からこの季節に咲く鈴蘭を春の象徴や果報を招く花として認識し、人々はこの花をとても愛しています。鈴蘭の日には毎年フランス中が鈴蘭の花や香りで溢れかえり、家族や恋人たちはお互いに鈴蘭を贈り合ったり食事を楽しむなどして過ごします。

ペットがいるなら鈴蘭毒に注意!

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可愛らしい姿や良い香りからとても人気のある植物の鈴蘭ですが、ペットを飼っている方には気をつけていただきたい植物でもあります。飾ったり植えたりする前にこのようなことを知りよく注意していただきたいです。

芽や葉を食べるペットに注意!

家で猫草をあげているという猫や、散歩途中に草花を食べることがある犬を飼っている方には鈴蘭に毒があるということを思い出し気をつけていただきたいと思います。多くの場合ペットたちは人間より体が小さく、そんな彼らが誤って食べてしまうと少量でもとても危険です。

鉢植えの鈴蘭は受け皿の水に注意!

注意していただきたいのは鈴蘭そのものだけではありません。鉢植えにしている場合は、受け皿の水にも成分が溶け出しています。これをペットたちが舐めたり飲んだりする可能性もあるので、鈴蘭を育てる際はこの点にも充分に気をつけて欲しいと思います。

美しく可憐な鈴蘭が持つ最強の毒

君影草という儚げで美しい別名を持ち、可愛らしくとても良い香りの花をつける鈴蘭。綺麗な花には棘があるという言葉がありますが、鈴蘭もその可憐な姿に似つかわしくない恐ろしい毒を持っています。

しかしとても身近な植物で、育てて楽しんだり害獣の忌避剤として利用できるという素晴らしい点もあります。ぜひ鈴蘭の花を愛でたり有効活用するなどしつつも誤食を防ぎ触ったあとには手洗いをするなどして、この麗しの君に命を奪われることのないよう気をつけてほしいものです。

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