「二卵性」の場合は、先に解説したように、胎児一人につき胎盤も一つ、羊膜も分かれて存在しているので、仮に「バニシングツイン」が起きてしまっても、影響は少ないと云われています。「一卵性」にも共通して言えるのは、成長に差があり、小さい方が消えてしまうリスクは高いそうです。
「一卵性双生児」の場合には注意が必要!
問題なのは、「一卵性」だったときです。同じ胎盤でつながっているので、突然片方が居なくなるとバランスが保てなくなり、残された胎児に栄養がきちんと行き届かない場合が出てきます。その結果、正常に発育できないことを「子宮内胎児発育遅延」といいます。
「双胎間輸血症候群」も引き起こされる場合があります。いままで分け合っていた血液が、一気に一人の胎児に送られる、またはその逆に、まったく血液が行き渡らなくなるという事態です。その場合、心不全を起こしたり、生まれたときに脳へ障害が残る可能性も否めません。慎重な経過観察が必要です。
母体への影響は?
胎児への影響は「二卵性」と「一卵性」とで異なることをお話しました。では、肝心な「母体」への影響はないのでしょうか?ここでは母体にかかる負担と、妊娠中気を付けるべき「感染症」について紹介します。
母体にかかる負担は?
基本的にバニシングツインが起きてしまうと、「ハイリスク妊娠」と認識されます。双胎妊娠では安定期がなく、生むまでは気が抜けないとよく聞きますが、バニシングツインが起きてしまった場合、早期分娩の確率が高まるそうです。また、感染症にかかるリスクも高まるといわれます。