散らばる花火のゴミ、壁の至る所にされた落書き。心霊スポットということを差し置いてもかなり悲惨な状態となっているトンネル内。しかもそのトンネル内には誰がどんな意図で書いたのかわからない電話番号が4つも書かれていました。
桐崎栄二さんが検証動画を投稿
この動画内では心霊スポットを見るだけでは飽き足らず実際にその書かれた電話番号へ電話をするという検証まで載せられています。かなり怖いもの知らずと言いますか…これがユーチューバー魂というものなのでしょうか。
お店の電話番号の他、誰か特定の個人(動画内で聞く限りかなり危なそうな人)の電話番号が晒してあったりと悪ふざけの中に悪意も見え隠れするラインナップ。しかし最後の4つ目の電話番号がゲイバーのものだったというのは動画的にはいいオチがついたのかもしれません。
牛首の名の由来
気になる方もいたのではないでしょうか。何故、首などという不気味な感じの字が村の名前に使われているのかということ。ここでは牛首の名についての由来や歴史をご紹介していきたいと思います。
牛首村の八坂神社の牛頭天王
八坂神社って京都のじゃないの?とお思いになる方も多いと思いますので先にご紹介させていただきますと、八坂神社というものは素戔嗚尊(スサノオ)を祭神とする神社のことを指します。京都の祗園にある八坂神社はその総本山ということになります。牛首村のは全国3000余ある八坂神社のうちの1つです。
また、なぜ牛頭天王?という疑問もあるでしょう。牛頭天王は素戔嗚尊と同一視されており、牛頭天王と呼ぶところも多く存在します。牛首村もその1つ。牛頭天王がその名の通り首から上が牛だったためその名を頂いて牛首となりました。
牛頭天王はどんな神様?
一言で言うと疫病の神です。とてつもなく強い力を持っており、丁重に祀ると疫病を退けてくれるとされますが粗末に扱うとその逆…という色々な神話や昔話で生贄を要求してくる系神様とよく似ています。
神話の中にもその性質がよく表れた話があり、老人に化けて一晩泊めてくれと頼んだ牛頭天王を金持ちのくせに泊めなかった一家を村ごと疫病で皆殺しにし、貧しいながらも丁寧にもてなした一家を唯一疫病から救ったという神話があります。かなり破天荒ではありますが義に厚い神様ではあるように思えます。
都市伝説「牛の首」との関係は?
牛首トンネルと聞いて都市伝説に詳しい方なら都市伝説「牛の首」が頭をよぎったのではないでしょうか。ここでは似た名を持つが全然違う2つのお話しの意外な接点をご紹介していきたいと思います。
トンネルは関係ないが牛頭天王は関係あり!
牛頭天王が素戔嗚尊と同一視されているということは前述させていただきましたが、ここに大きな符号点があります。ですがこの符号点をしっかり理解していただくためにはまず牛の首の都市伝説を知ってもらう必要があります。少し脱線しますがこの関連はとても興味深いので是非次項お付き合いください。
都市伝説「牛の首」とは?
牛の首の都市伝説は聞くと3日で死んでしまうとされ作者自身も多く語ることのないまま死んでしまい題名と死ぬほど怖いということだけが伝わってしまった都市伝説となっております。しかし最近はその死ぬほど怖い話はこれではないかという説がたくさん出てきています。
天保の飢饉を語り継ぐための話だったのでは?
小学校の歴史で習ったでしょう天保の飢饉(または天保の大飢饉)。作者が亡くなるまで語られることのなかった牛の首都市伝説の怖い話は、この飢饉の凄惨さを伝えるために考えられた話ではないかという説があります。
ある日隣村から牛頭の男が迷い込んで来るが、隣村の人間がその男を連れ戻しに現れ「これは牛追いの祭りだ」といって連れ帰ってしまうというもの。人間に牛の頭を被せ殺し、食べることで罪悪感を減らしていたのではないかと考えられています。確かに恐ろしい話です。
牛頭天王との関係は
この話を踏まえた上で牛頭天王との関係を見てみると、単純に犠牲者の姿形が牛頭天王と酷似している他、天保の飢饉の原因が激しい大雨による洪水・冷害であることがこの話が牛頭天王と関係があるのではと思わせるポイントでしょう。
牛頭天王は素戔嗚尊とイコールです。そして素戔嗚尊の「スサ」とは荒れすさぶという意味を持ち、彼自身も嵐の神、暴風雨の神と言われております。この符号を見ていると、当時の人達は素戔嗚尊の怒りだなどと言いそうなレベルであっていると言わざるを得ません。
他にも!トンネルの心霊スポット
牛の首や神話方面からの掘り下げいかがでしたでしょうか。次は考察ではなく心霊スポット巡りが好きな方のためにいくつかの有名心霊スポット…しかも今回の繋がりでトンネル系のものをご紹介させていただきます。
旧水界トンネル
こちらは東北宮城県にあるトンネルで、心霊スポットという他にも県内初の近代トンネルという非常にポジティブな称号も持っている場所です。しかし作られた明治19年。県内初でノウハウも不足していたのか工事中に亡くなった作業員を遺体を持ち帰れないという理由から人柱としてトンネルに埋めたという称号とは裏腹に黒い噂がある場所です。
白い手が出てくるという噂で事故が非常に多かったそうです。昭和56年に新水界トンネルが出来ましたがこちらも事故多発地帯として心霊スポットとしての価値まで引き継いでしまっている様子。また、一説によるとこの場所は古戦場跡だったそうでさらに人知れぬ旧旧トンネルもありそこも地元民の間では名だたるヤバい場所なのだそうです。
開聞トンネル
こちらは鹿児島にあるトンネル。自殺の名所の林が周囲にあるとされ、実際の心霊現象被害談もとても多いです。また、心霊スポットトンネルでは割と珍しい現在も現役トンネルとして稼働しているトンネルです。つまり車で訪れ車に乗ったまま中の様子を楽しめるということ。
心霊現象としては天井の穴から女性が覗き込んできたり男性のうめき声が聞えてきたりと様々。中には突然のエンスト、タイヤのパンクといった車両トラブルに見舞われる噂も多々あるため車で行けるにも関わらず車は非推奨のようです。また他にも様々なトンネル心霊スポットがあります。こちらもご覧になってみてください。
牛首トンネルは夜に訪れないように
以上、いかがでしたでしょうか。トンネル系に関わらず心霊スポット全般に言えることですが夜に行かなきゃ意味がないと思う方は多いでしょうがやはり心霊的だけに留まらず事故や事件などの安全性も考えると昼間に行ったほうが当然いいです。また、これも心霊スポットに限った話ではありませんがいたずら書きや破壊行動は慎みましょう。