蚊の寿命や生態をご紹介
汗ばむ季節になると出没する蚊は、刺されると痒みや赤みが残ります。ときには大きな感染症の原因ともなる彼らの生態や寿命を知り、刺されない対策法をご紹介していきます。
蚊の寿命ってどのくらい?一生は?
身近な虫である彼らは私たちに不快な症状をもたらすことから、害虫として駆除方法や予防法が考案されています。予防法も大切なのですが、まずは彼らの一生についてご説明していきます。
卵から成虫になるまでは20日間
早いものでは14日ほどで成虫となり、卵を産みます。わずかな水たまりのような場所でも増殖する繁殖機能の高い害虫です。メスはオスよりも長く生きる傾向があります。
幼虫の間は水中で過ごす
卵は2~5日で幼虫になります。10~15日ほど水中で過ごし虫の死骸や微生物などを食べて大きくなります。自分が脱皮した皮まで食べてしまうほど食欲旺盛です。
成虫の活動期間は1〜2ヶ月間
成虫となった彼らは、木の陰や建物の陰にひっそりと過ごし湿気が下がると活動を始めます。メスは一生のうちに数回産卵し一度に100~200個もの卵を産みます。
卵は乾燥に強い
水のある部分に卵を産みつけますが、乾燥してしまって水が渇いてしまっても再び雨が降るまで卵として生き残っているほどの生命力です。雨が降り水が溜まると幼虫になります。
秋終わりに生まれた蚊は冬を越す!?
実は一年中生息する丈夫な虫です。秋頃に産卵した多くの成虫は死んでいきますが、秋以降に成虫となった彼らは、気温が低くなると風のない洞窟や建物の影などに身を寄せ冬眠状態に入ります。
暖かくなるまで待つ
冬眠状態に入った成虫は、エサもとらずに全く動くことなく冬を越します。暖かくなると動き出します。生命力が大変強い虫なのです。
車の中の蚊の寿命とは?
夏に多く出没する彼らは、車の中にも侵入してきます。夏は海や山にとアクティブに行動することが多いので、蚊と出会う頻度も高まります。車の中ではどのくらい生きているのでしょうか?
車の中の高温には弱かった
エンジンを切った状態の車中は夏ともなれば40℃以上の高温になります。彼らの活動温度は30℃前後なので高温になった中では生きられません。見かけてもエンジンを切った中では半日も持たず死んでしまいます。
車中での刺されない予防法
運転中に蚊がいるとわかっても、中に入ってきてしまった彼らは飛び回るのでなかなか捕まえることが難しいです。そのためエアコンを有効に使って飛ぶ力を弱めるのです。
強風に設定
エアコンを強にして上に風向きを変えます。人に近づいてきても上に飛ばされるので天井付近に集まります。刺されずに寄せつけません。
室内に入れさせない
虫よけのスプレーはたくさん販売されていますが、密室となる車中は避けたいですよね。天然ハーブの防虫効果を利用して安全に対策をしましょう。中でもハッカは市販の虫よけの10倍効果があるとされています。
シュッとワンスプレーするとさわやかな香りも広がり害虫を寄せつけない効果を発揮します。体にも使えますのでアウトドアに役立ちます。
蚊は寿命のうちで何回人の血を吸うの?
大変たくましい虫なので、子孫を残すための彼らの生きていく術ではあります。一生のうちに何回吸血するのでしょうか?そんな彼らの実態に迫ります。
実は血を吸うのはメスの蚊だけ
普段は樹液や花の蜜を好み吸って生息しています。メスが産卵のときだけ栄養を求めて人や動物の血液を吸い、卵を産む準備をします。
一生で血を吸う回数は約2〜3回
子孫を残していくため栄養豊富な血液を探して飛び回ります。これは皮膚の匂いや温度の違いから感知して吸血することが分かっています。一生のうちに2~3回ほど吸血した後、産卵を2~3回行います。
ちなみにオスの蚊は交尾するとすぐに死ぬ…
交尾を終えたメスが卵巣が発達してくるので、産卵のために吸血をして栄養を溜め込み卵を産みつけます。オスは役割を終えると一生を終えます。約1~2カ月の短い命なのです。
蚊に刺されるとかゆいだけじゃない!その害とは?
実は私たちや動物の命を奪う恐ろしい害虫でもありました。毎年多くの人が感染症で命を落としています。どんな恐ろしい害があるでしょうか?小さな体に潜む実態に迫ります。
蚊は感染症を媒介する
彼らは衛星害虫として代表的存在です。さまざまな血を吸っていることと、もともと病原菌をもっている虫なので多くの感染症を拡げる恐ろしい存在だったのです。
蚊が媒介する感染症の種類
代表的な感染症としてマラリア、黄熱病、日本脳炎といった重度の障害が残ったり最悪の場合は命を落とすほどの病を発症させてしまうのです。あの小さな体からは想像もできないほど毎年多くの野生動物を死に追いやる悪魔だったのです。
感染症①マラリア
亜熱帯地方で発症する感染症で、年間3億人近くの人が発症しています。インフルエンザのような症状を発し、適切な治療をすれば完治します。ただ予防法がなく海外で蚊に刺されないようにすることが大事です。
②黄熱病
アフリカ全域で流行しやすい感染症です。発熱に伴い黄疸が出ることから名づけられました。有効なワクチンがあるため海外へ行く際は予防として接種を推奨します。
③日本脳炎
日本脳炎ウイルスに感染しているブタなどを吸血した蚊が人間を吸血すると感染します。日本でも存在する感染症ですが現在は予防接種が義務化されているため自分で守れるようになりました。以前は脳障害を起こす重度な感染症です。
刺されたときの対処法について詳しく知りたい方は、こちらも良かったらご覧ください
そもそも蚊は日本にどれくらいいるの?
命にかかわるような重篤な感染症をもたらす恐ろしい存在ではありますが、日本にはどのくらい生息しているのでしょうか?世界の蚊事情と日本の生息数をご紹介します。
世界には約3500種類の蚊がいる!
凄まじい種類が生息していますが、そのほとんどはアマゾンなどの亜熱帯地域にいます。気温が高い場所を好むため、アフリカ地域で多くの感染症が拡散されています。
日本国内には約100種類
日本にもたくさんの種類が生息していました。細かく分けられての数ですので大まかな種類は3つになります。①ヒトスジシマカ②アカイエカ③チカイエカに分類されています。
全種類が血を吸う蚊じゃない!
日本に生息している彼らの中で人を刺して吸血するのは30種類程度といわれています。その中でも私たちが身近に見かけるのは6種類程度です。
日本に生息する代表的な蚊とその寿命は?
日本にも多くの種類が生息していますが、その中でも身近に潜んでかゆみを起こす代表的な3種類の生態と寿命をご紹介していきます。
種類①アカイエカの生態と寿命
夜寝ているときに、耳元でブ~ンと嫌な音が聞こえる蚊はこの種類です。夜行性で気温25~30度前後に活発に動きます。わずか10日ほどで成虫となり産卵のために吸血します。寿命は20~40日ほどです。
種類②ヒトスジシマカの生態と寿命
草むらに潜んで刺してくることが多く「やぶ蚊」と呼ぶことが多い大きな蚊です。寒さが苦手なので北海道には生息していないとされています。寿命は約40日です。
種類③チカイエカの生態と寿命
冬でも蚊に刺された記憶ありませんか?その正体は彼です。一年中物陰に潜み寒さに強いことが特徴で一日中元気に飛び回ります。寿命は30日程度です。
逃げるが勝ち!蚊がよく現れる場所
蚊の種類によって活動時間や季節も異なり種類も豊富なことから、予防法を身に着け寄せ付けないことが大切です。よく出没する場所を知って予防策を身につけておきましょう。