日本の蛇はこんなにいる!その種類や生態を画像付きで徹底解説!

ウミヘビ科の蛇はコブラに非常に近い種です。そのため、そのほとんどが毒を持っています(魚のウミヘビは毒を持ちません)。噛まれると、麻痺やしびれが起き、やがては呼吸停止や心停止にいたる強力な神経毒です。日本近海で見られる有毒のウミヘビの一部を、以下に紹介します。

エラブウミヘビ

沖縄や南西諸島、近年では九州や四国の海にも見られるウミヘビです。70~150cmほどで、青色に黒いひし形のまだら模様が入った姿をしています。おとなしい性格で、口も小さいため、人が噛まれることは滅多にありませんが、ハブの70倍近い強力な毒を持ちます。

クロガシラウミヘビ

沖縄や西南諸島の海に生息しています。全長は80~140cmで、黒と黄色のしま模様の細い体をしています。毒性が強いうえに攻撃的なため、海水浴やダイビングなどで見かけたら、すぐに逃げなければ危険です。

セグロウミヘビ

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60~90cmの比較的小さなウミヘビです。その名の通り、背中が黒く、腹は黄色をしています。ウミヘビの中で唯一外洋を泳ぐ種類で、沿岸で見られることはあまりありませんが、海流に運ばれて日本近海に来ることがあります。毒は強く、気性も荒いので、注意が必要です。

蛇じゃないけどヘビと呼ばれる生き物

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蛇とは全く違う生き物ですが、名前に「ヘビ」とつく生き物もいます。先に紹介した魚類のウミヘビもその一つです。その名前ゆえに、しばしば蛇と混同されてしまうそれらの生物のうち、日本に生息するものについて解説していきます。

カナヘビ

カナヘビ科カナヘビ属のトカゲのことです。一般的に「カナヘビ」というとニホンカナヘビのことを指しますが、他にもコモチカナヘビやミヤコカナヘビといった種類があります。ニホンカナヘビは、日本本土やいくつかの離島に広く分布しており、全長は18~25cmほど。ざらざらして乾いた感じの鱗に覆われています。

魚類のウミヘビ

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魚類ウナギ目ウミヘビ科のウミヘビは、確かに蛇のように長細い体をしていますが、ウナギやウツボの仲間です。熱帯から温帯の海に生息し、日本近海でも見られます。特にダイナンウミヘビやホタテウミヘビ、モヨウモンガラドオシといった種類は、釣りの際に外道としてかかることも多いです。

ダイナンウミヘビ

目つきが悪く、大きくて尖った口をしており、鋭い犬歯をのぞかせているのが特徴です。東北地方から九州までの太平洋岸、新潟より南の日本海岸、東シナ海などで見られます。砂に潜り、顔だけを外に出していることが多いです。

ホタテウミヘビ

東京から鹿児島県までの太平洋岸や、新潟より南の日本海岸、瀬戸内海や沖縄などの海に生息しています。背ビレを立てている様子から「ホタテ(帆立)」と名付けられたようです。ダイナンウミヘビと同じように、砂から顔だけ出して外を伺う習性があります。

モヨウモンガラドオシ

太平洋やインド洋などに広く分布しており、日本では伊豆半島より南の海で見られます。白っぽい地色に黒い斑点の模様が特徴的なウミヘビです。沿岸の岩礁やサンゴ礁付近の、比較的浅い砂地に生息しています。

日本の蛇と人間の関係

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私たち人間は、古来から蛇という不思議な生き物に対して、様々な感情を抱きながら関わってきました。現代においても、嫌悪するにしろ惹かれるにしろ、蛇に対して特別な感覚を抱く人は多いのではないでしょうか。ここでは日本人と蛇との関わりを中心に、蛇に対する人々の思いを解説していきます。

信仰の対象

古来、蛇は世界中で信仰の対象となった生き物です。姿かたちが神秘的なこともさることながら、脱皮する習性から「死と再生」を連想したり、長い間食べなくても生きていけることから強い生命力を感じたりしたようです。こうした蛇への信仰は、原始宗教やシャーマニズムにおいて顕著に見られます。

日本においても、かつては豊穣や天候などを司るものとして信仰されたようで、日本神話のヤマタノオロチや、大物主などはその名残を今に伝えています。また、「神(カミ)」という日本語の語源は蛇にある(蛇をカと呼んだことから「蛇身」)とする説もあります。

ペットとして飼育

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近年のペットブームの中で、様々な動物がペットとして扱われてきていますが、蛇もまた、ペットとしての人気が高まっているようです。蛇をペットとする利点は意外と多いです。

犬や猫と違い、鳴かない、毛が落ちない、散歩がいらない、餌も頻繁に与える必要がないということで飼いやすいのが一つ。そして、長生きしてくれる、つぶらな瞳をしているという点も、人気の要因です。

精神分析

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蛇という生き物から何を感じるか、蛇はどのような心理状況の象徴かという議論は、心理学や精神分析の興った当初から始まっていました。例えばフロイトは蛇を男根の象徴であると説き、蛇と性とを結びつけた分析をしました。

また、「蛇を怖がるのは人間の本能か、それとも学習によるものか」を確かめる実験も行われたことがあり、蛇と人間の心理とが、密接に関わっていることがわかります。

日本の蛇と触れ合える施設

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蛇とは怖がるだけのものではなく、魅力的な側面もたくさんある生き物だということは、これまでに記したとおりです。そして、日本国内には、安全に蛇を見たり触ったりして、その魅力を堪能できる場所がいくつかあります。

蛇と言えばここ!「ジャパン・スネークセンター

群馬県太田市にある、蛇専門の動物園です。毒蛇の研究施設でもあるこの施設には、大量のマムシの屋外飼育場をはじめ、国内外のあらゆる蛇が展示されています。また、蛇と触れ合ったり、記念撮影をしたり、ハブの毒を採取する実演を見たり、毒蛇が餌を食べる様子を観察したりと、貴重な体験ができるイベントも開催されています。

爬虫類好きにはたまらない!「iZoo

静岡県賀茂郡河津町にある、爬虫類・両生類に特化した動物園です。蛇を含め、日本トップクラスの豊富な爬虫類が展示されています。また、園内には爬虫類が放し飼いにされていたり、餌やりや記念撮影が楽しめるなど、爬虫類に直接触れることができるというのも、この施設の魅力です。

ハブの王国沖縄の「ハブ博物公園

沖縄県南城市にある「ハブ博物公園」は、ハブ被害を減らすために作られた研究所から派生してできた施設です。あらゆる種類のハブに関する展示はもちろんのこと、他の珍しい生き物も飼育されていたり、ハブやコブラやマングースによるショーも催されています。

蛇といっしょに過ごす「蛇カフェ

「蛇は好きだけど、自分で飼うのは難しい」そんな人たちの間で人気が高まりつつあるのが「蛇カフェ」です。お茶やスイーツを楽しみながら、蛇を眺めたり触れたりできるというもので、東京や神奈川、千葉、大阪など、同様のコンセプトの店が各地にできつつあり、広がりを見せています。

様々な顔を持つ日本の蛇

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世界各地、樹上、地中、海中に至るまで、あらゆる場所に生息している蛇は、それぞれが独自に進化し、その種類はバラエティーに富んでいます。

日本国内だけでも多種多様な蛇が存在しており、毒による被害など恐ろしい側面もありますが、信仰を集める神秘性、ペットとされる魅力などもあり、実に奥深い生き物だと言えます。今一度、蛇の見方を改めてみるのも、面白いかもしれません。

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