フリッツル事件の概要|24年間監禁されたエリーザベトの現在と壮絶な監禁生活

フリッツル事件の犯人ヨーゼフの生い立ちと犯罪歴

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実父はどのような環境で育ち、どのような家庭環境だったのでしょうか。ここで事件の犯人ヨーゼフの人物像に迫ってみます。彼はどのような生い立ちだったのでしょうか。

幼少期から遡ってみると、そこには何かきっかけがどこかに潜んでいたことは確かでしょう。そこで、彼の過去には何が潜んでいるのかを探ってみると、歪んだ状況が見て取れるかもしれません。また彼には遡ると犯罪歴があるか確認すると、隠されてしまった真実も明るみにされることになります。

幼少期から母親一人で育てられる

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ヨーゼフは仕事を抱えていた母親、マリア・フリッツルの元で育てられ、父には捨てたとされています。母親はシングルマザーとなりましたが、大学まで進み職にも就ける程に息子を育てたのです。後に判明することですが、父親は第二次世界大戦で英雄死した存在として名が残されています。ただ幼少期の頃のヨーゼフにとって、母親や父親はどのような存在だったかは定かではありません。

成長の段階で母親を監禁したことがあることも、示唆されています。また人格障害も抱えていたとされていることも、後に判明するとなったのです。実娘のようなことはなかったとは言え、どこか異常な行動は見て取れます。それから先の彼の母の姿は、どこにも報じられることはなかったのです。成長するにあたって彼の中に芽生えた、女性への異常な執着心は伺えるかもしれません。

当時17歳のロゼマリアと結婚し子供を授かる

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若いときに知り合ったのが、後の妻となる若すぎるほどの女性です。ヨーゼフは仕事を経て、1956年に21歳で更に若い17歳のロゼマリアと結婚します。特に変わったところもなく平凡な結婚に、周囲も不思議に思うことはありません。そんな中、彼が起こしていた事件もあり、ロゼマリアはそれを知っていたか不明です。知っていても服従しなければならない環境だったかもしれません。

妻はそれまでの行動に不思議に思うことはなかったでしょう。その後2人の息子と5人の娘の合計7人の子供に恵まれましたが、それは奇しくもエリーザベトと同じ人数を授かったことになるのです。結婚したときには知り得なかった事実と言えるかもしれません。

事件前にも犯罪歴があったが法律の問題で発覚せず

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実娘の監禁事件の前に実は犯罪歴があったのです。ではなぜ明らかにされなかったのでしょうか。ヨーゼフは24歳で強姦の罪で捕まり18ヶ月服役します。その他にも公然わいせつや強姦未遂などの犯歴もあるのです。ただし、エリーザベトの産んだ1人の子供、または2人の里親になったことで24年の間は法律の問題で明るみにされることはなく捜査が難航したとされています。

おそらく彼の犯歴が早めに判明されていたら、変化があったのかもしれませんが法律に隠された事実なので、誰をも責めることもできません。まさか法律に隠された事実だったことは、誰も想像できるこではないからです。複雑な社会事情があったことは明らかでは無いでしょうか。

エリーザベトへの虐待が慢性化していた家族

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1977年には、エリーザベト11歳の頃から日常的に繰り返されていたとされる、精神的・肉体的虐待です。いつの間にか家族の中では慢性化していき、ヨーゼフの歯止めの効かない行動は止まりません。恐怖に怯えて生活していた中であっても、父親像は違ったものだったでしょう。家族で暮らしていた当初性的虐待があったとは見なされていません。

ただ精神的にも肉体的も暴力が許されることではないことも明らかでしょう。彼女にとって大切なのは幸せな家庭だったのではないでしょうか。慢性化して行く中でその夢は崩されていってしまうのです。父親の言うことは絶対だった、そんな生活がいつまでも続いたら恐怖は既に始まっていたのかもしれません。

父親ヨーゼフの虐待

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実父から虐待を受けていたことから、計り知れないヨーゼフの行動は後を絶たなかったのです。11歳〜17歳に至るまで家族内でどのように繰り返されていたか、見るに耐えないものがあったことは言えるでしょう。

7人家族の中で耐え忍んだ様子は、想像することもできないと言えるのではないでしょうか。他の家族にはどのように接していたかは明らかにされていません。日常的に始まった虐待に怯える日々は、エリーザベトの精神的、肉体的苦痛に耐えら得るレベルにあったとは言えないのではないでしょうか。

エリーザベトの家出

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繰り返された虐待の中であっても、15歳でウェイトレスになるための訓練を受けたのです。そこには、義務教育が終わった後の健気な姿が見受けられます。ただ、訓練を受けないと職に就けない環境だったことも明らかでしょう。遂に続いていた虐待によって、エリーザベトは遂に家出を試みます。仕事仲間と一緒にウィーンに滞在し、隠れて生活することになったのです。

逃げたくなる環境のもと図った必死の家出だったことが分かります。居ても立っても居られないヨーゼフから受けた虐待は、20歳にも満たない心には大きな衝撃だからです。彼女にとっての新世界は隠れた生活でしたが、その後待ち受けている恐怖は目の前に近近付いています。

家に戻って仕事をするも恐怖は目の前に

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ウィーンでの生活も長くは続きませんでした。密かに隠れ住んでいた生活も、3週間で警察に見つかって家に戻されてしまいます。公然わいせつなどの過去もあったことから、女性への歪んだ行為は遂に18歳になった実娘に向けらたのです。

エリーザベトの自由な時間はあっけなく終わり、恐怖は目の前に潜んでいたことは分からないままではないでしょうか。恐ろしい生活、恐怖は目の前に迫っていたのです。ヨーゼフの行動は再び逃げないための行動だったかもしれませんが、監禁や近親相姦が認められるはずもありません。

エリーザベトの地獄の監禁生活の全貌

エリーザベトはただ監禁されたのではありません。おぞましい体験の始まりから映し出される光景は、見るも無残なものと言えます。そこに待ち受けたのは恐ろしい世界と言えるでしょう。「地下の生活」を送った監禁生活は見るに耐えないことだったことは言うまでもありません。

性的虐待による支配、暴力だけではなく待ち受けていたのは恐ろしい環境だったことも確かだからです。地上の光を見ることもできないだけではなく、そこにあったのは劣悪な環境だったと言えます。地下の生活で美味しい食事や、愛情、空気の綺麗な生活が待っているわけではありません。また精神的に安定した世界だったことがないことも確かです。

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