冥婚とは?
少しだけ聞いたことはある言葉かもしれませんが近年の日本であまり聞くことはなく死者と結婚と聞くと怖い、不気味と思われがちですがこれにはきちんとした意味と文化があるので今日はこちらを詳しくご説明いたします。
死者と婚姻すること
冥婚(めいこん)とはずばり読んで字の如く、死者と結婚することで、鬼婚(きこん)幽婚(ゆうこん)隠婚(いんこん)死後結婚(しごけっこん)などの呼ばれ方をすることもあリます。この儀式は若くして未婚のまま亡くなった自分の子への供養を目的としたもので怖い話やオカルト話の類ではなくきちんとした文化です。
アジア地域に見られた習俗
冥婚とはアジア地域を中心に行われていた風習で中国や台湾や日本で主に行われています。今でも日本にその風習が残っている地域があり国や地域によって冥婚のやり方が違いますが目的はどこの国でも大差なく供養目的です。
地域別の冥婚①中国の現状
日本でも行われている文化ですが、中国の冥婚とはどのようなものなのか。そしてなぜ冥婚が行われているのか中国の経済事情と中国の少し大変な冥婚について説明します。
若くして亡くなった子供のため
中国では急激に経済が発展しておりそれに伴って増えた建設工事により、命を落とす若者が多くいます。中国では亡くなった者の願いを叶えないと良くないことが起こるという言い伝えがあり、そのため若い未婚男性のために同じくして未婚のまま亡くなった若い女性を探す親が多くいるため現在でも冥婚が多く行われています。
遺骨を盗難される被害も
女性の遺骨を購入し冥婚をすることが一般的ですが、高価で取引されているため中には買えないご家族もいます。遺体の売買は法律で禁止されていますが、遺骨泥棒が頻繁に起こっておりお金で花嫁の遺骨を買い息子に冥婚相手を用意出来て同じ墓に入れてもお墓の見張りを欠かすことが出来ません。
中国について軽く説明しましたが、名前だけは聞いたことがある方が多い桃娘とは実は可愛らしい名前とは裏腹に恐ろしい言い伝えが元になっています。そんな怖い桃娘の言い伝えを知りたい方はこちらの記事をお読みください。
地域別の冥婚②台湾の現状
中国での冥婚を紹介しましたが、台湾での冥婚のやり方は中国とだいぶ違っています。台湾に旅行に行く予定がある方は絶対に知っておくべき情報も交えながら台湾式の冥婚について紹介するので是非読んでください。
赤い封筒を拾った男性が冥婚相手
台湾ではどのように冥婚相手を探すかというと、道端に亡くなった女性の写真と髪の毛とお金を入れた赤い封筒を置きそれを拾った人が冥婚相手となります。台湾では子供の頃からこの封筒について教えられるため拾う人はおらず、観光のお客さんが拾うことがほとんどのようです。
冥婚を挙げるのは未婚女性
中国での冥婚とは死者となった異性が結ばれる風習でしたが台湾では生きた男性と亡くなった女性が結ばれることが冥婚の風習です。赤い封筒を拾い冥婚するわけですが中に入っているお金は頂ける代わりにきちんと亡くなった女性の遺体と結婚式を挙げなければなりません。
地域別の冥婚③日本の現状
冥婚は海外だけの話ではなく、日本でも冥婚が行われている地域があります。日本で冥婚が行われている地域と日本の冥婚の儀式内容について詳しく説明します。
日本で冥婚が行われていた地域
日本では山形県と青森県などの東北地方を中心に行われていました。しかし、日本の冥婚は海外の冥婚と違っており生きている人と亡くなった方が結婚するわけではなく花嫁や花婿の代理として人形を用意する、結婚式の様子を絵馬に書くなどの方法が用いられており他の冥婚と比べると冥婚本来の意味とは少し違う内容です。
ムカサリ絵馬を用いる
先ほど少し紹介しましたが、山形県ではムサカリ絵馬(山形の方言)という絵馬がありそれに未婚で亡くなった方の結婚式姿を描き寺院に奉納しています。似たようなもので絵馬の代わりにムサカリ人形という婚礼衣装を着た人形を奉納するケースもあり、どちらも未婚で亡くなった死者への供養を目的とした儀式です。
結婚人形を用いる
青森県では結婚人形を用意する風習があり、亡くなった方が男性であればガラスケースに花嫁人形と写真と生前の嗜好品を入れ女性であれば写真の代わりに花嫁人形と袴姿の人形を入れます。子供の人形を入れることもあり、冥婚全てに共通して言えることですが死者のご冥福を願い行われている行事です。
世界の変わった結婚式の風習
国によってやり方が異なる冥婚の仕方について説明しましたが世界には冥婚ではないですが変わった結婚式の風習がたくさんあります。思わず嫌だなと思ってしまうようなものからちょっと切なくなるものなど世界の国々の一風変わった結婚式の風習についてご紹介します。
スコットランド
スコットランドでは新婦を木に縛り付け動けないようにし臭くて汚いもの(腐った牛乳、食べ残しのご飯、腐った魚など)を頭から思いっきりぶっかけるというなんともイジメのような風習があります。
何も知らない方がこの光景だけ見ると花嫁イジメかと思いがちですがこの行為にもきちんと意味があり、これだけ苦しい思いをしたのだからこれからの結婚生活でどんな困難が起ころうとも絶対に乗り越えていけるという意味が込められています。
インドネシア
こちらの伝統は結婚式ではなく結婚後の過ごし方になりますが、インドネシアでは結婚式後3日間はトイレに行ってはいけないというしきたりがあります。インドネシアでは結婚式後3日間は子供を作るための期間とされており、健康な子供を産むことを目的としてこの3日間生きていくのに必要最低限の飲食しないためトイレに行くことはしきたりを破ることとされています。
ケニア
ケニアのマサイ族では結婚の際に新婦のお父さんが娘にツバを吐く風習があり、これはツバを吐くことによって家族の縁が切れ育った故郷を振り返ることなく新しい家族の元へと振り返らずに進むことができるためです。ツバを吐くのは日本ではマナー違反ですが、娘を送り出すためというなんだか寂しくも親の愛が分かる風習です。