ウェスタン村は休園中のテーマパーク?
栃木県にある「ウェスタン村」というテーマパークをご存知でしょうか。
現在では休園状態にありますが、開園当時の1974年には他の遊園地や遊び場にはない西部劇の様な造りで人気の高いテーマパークでした。当時から現在までの移り変わりを中心にご紹介します。
ウェスタン村は西部劇を舞台にしたテーマパーク
ウェスタンと聞いて思い浮かべる事が出来る言葉は、一般的に「西部劇」ではないでしょうか。
西部劇を見た事がないという方もいらっしゃると思いますが、西部劇としては、馬に乗った保安官と悪党との戦いなどをテーマにして、様々な映画作品が生まれています。
CMのロケ地としても使われていた
西部劇によく登場する街並みを模して建てられた施設ですので、CMのロケ地やプロモーションビデオの撮影などで活用されていました。
西部劇を舞台にしている施設は日本にはまだ少なく、アトラクションなども豊富にあったと言われています。
当時のウェスタン村は活気ある施設だった
開業していた当時はとても活気のある施設だったと言われています。
Cowboyや西部の街並みを再現してあり、映画スターを模した様な人形たちに出迎えられ、射的やショーなどを楽しむ事が出来ました。
様々やアトラクションが人気
アトラクションとして施設に設置されていたのは、一般的な遊園地にもある様なゲームセンターや射的場、平衡感覚を狂わせるミステリーハウス、水上ボードやクラシックカーミュージアムなどもあったようです。
SL「ワイパウ号」
アメリカ製の蒸気機関車で、乗車してパーク内を走らせていました。休園状態の現在では、とても貴重な古典機関車として、現在は「東武ワールドスクウェア」に設置され、展示品として鑑賞する事が出来るようになっています。
残念ながら人を乗車させる事は出来ませんが、村で乗車した事のある方は思い出深いのではないでしょうか。
ウェスタン村が長期休園に追い込まれるまで
施設が長期の休園になってしまった経緯についてご紹介します。何故閉園ではなく、休園となっているのか、疑問に感じる事はたくさんあるでしょう。
2006年までは入場者が少ないながらも開園しており、2005年には30周年記念を迎えていました。
施設メンテナンスを理由に休園していた
30周年記念と言われていた村も、翌年の2006年から2007年の3月にかけて、冬の間は長期休園すると公式ホームページ上では発表されていました。
しかし、実際は3月に入る前の2月の段階で、4月以降も休園するという発表をしています。その後も新聞で従業員をすべて解雇した事なども報じられました。
経営難で土地と建物を差し押さえられていた
新聞に報じられたのは従業員の解雇だけではなく、経営難によって土地や建物を差し押さえられている事についても明らかにされています。
差し押さえられている建物については管理者はいる様ですが、建物は崩れており中も荒らされ放題の様です。
なぜ?ウェスタン村が経営難で長期休園になった理由
30年も続いたテーマパークは、魅力にあふれており、ジャンルとして人気が高かった西部劇の中に入れる事が醍醐味で、西部劇を見た事がない方でも楽しめる施設だったはずです。
何故経営難に陥り、長期休園となってしまったのか考えてみましょう。
理由①:施設費用は莫大なものだった
テーマパークを運営していく為には、莫大な資金を必要とする事は想像がつきます。
パーク内に設置された数々のレプリカには、それぞれで億単位のお金が使われていましたが、予想をしていた入場者数や売上よりも初期投資の方が高かったのではないでしょうか。
理由②:入場料が高すぎた?
初期投資として使ったお金を回収する為か、入場料は割高な設定となっていた様です。
大人一人の料金が2400円と設定されており、家族旅行のついでに払える金額ではない事も考えられます。2004年には1500円に値下げされ、2005年の30周年記念には1000円にまで値下がりしていましたが、入場者数を増やす事は出来ませんでした。
理由③:近くの鬼怒川温泉が寂れ、廃墟化した
温泉地として有名な鬼怒川温泉に来る観光客を目当てにしていたはずですが、鬼怒川温泉街の旅館が経営難によって閉館するところも増え、客足は遠のいてしまいます。
鬼怒川温泉から歩いていける距離でもない為、集客が見込めなくなった事も原因の一つと言えるでしょう。鬼怒川温泉の廃墟群が気になる方はこちらをどうぞ。
廃墟化したウェスタン村の現在
長期休園を発表してから10年以上の歳月が経った村の現在の姿はどのようになっているのでしょうか。
荒れ果ててしまったテーマパークは「廃墟」もしくは「廃テーマパーク」と呼ばれています。管理している方はいる様ですがあまり良い状態とはいえません。
音楽PVや撮影ロケ地にも使われた
音楽のプロモーションビデオの撮影として、廃テーマパークとなった今でも使われています。
他にも撮影ロケ地としても使われおり、特撮好きの方ならわかりますが、マジレンジャーでも撮影地として使われた記録があります。
不正侵入者が多い
村の管理者がいるとは言っても、実際に正しく稼働しているかと言えばそうでもないのが現状です。
入れる場所がある為、誰でも簡単に侵入する事が出来てしまいます。廃墟マニアと呼ばれる人たちにも有名なスポットとなっていますので、許可なく侵入してしまう人も多いのでしょう。
ウェスタン村の荒れ果てた園内
許可なく侵入してきた人達によって、施設内は荒れ放題に荒らされているようです。人形は倒されたり壊されたり、落書きされたりしており、痛ましい状態になっているのではないでしょうか。
もともと草刈りなどもしていなかったようで、外から見る事が出来る駐車場の辺りもコンクリートの隙間から雑草がたくさん生えています。
廃墟で有名な「行川アイランド」についてはこちらをご覧下さい
見る度に位置が変わる?ウェスタン村の奇妙な人形たち
施設には様々なタイプの人形が展示されていましたが、休園中の現在では不法侵入者によって移動させられたり破壊されたりしています。
見る度に位置が変わってしまうというのは、心無い誰かによって移動させられてしまっただけではないのでしょうか。
ウエスタン村を訪れたら必ず会えるジョン・ウェインのロボット
ジョンウェインは多くの西部劇に登場した俳優さんです。廃墟と化した村の入り口付近に放置されているようです。
胸の部分には穴があけられておりラクガキがされています。倒されていたり、立てかけられていたりと移動させられているのでしょう。
顔面を壊された保安官クリント・イーストウッド
保安官事務所に配置されているクリントイーストウッドらしき人物の人形は、顔面が破壊されており、無残な状態にされています。
休園前は長い足をつくえの上で組み、音声データで録音された言葉を繰り返す人形でした。
恐怖!無理やり歯を抜かれるおじさんの人形
何故この様な状況になっているのかわかりませんが、蔦が絡まるような場所に設置してあり、ぱっと見ただけではあまり状況を理解する事が難しいでしょう。
よく見ると歯を抜くためのペンチの様な道具を持っている事も確認する事が出来ます。
廃墟化したウェスタン村は心霊スポットとの噂も
あくまでも噂程度の話ですが、心霊スポットなのではないかとの話もあります。
実際に不法侵入している人物を見かけたという事も考えられますし、恐怖心から、様々な音や光の現象を勘違いする方もいらっしゃるでしょう。
俳優の寺島進さんが子供の霊を目撃した?
バイプレーヤーとしても人気の高い俳優である寺島進さんは、以前こちらのテーマパークで働いていた事があるようで、ある番組内で仕事中に子どもの幽霊の様なモノを見た事があると発言していました。
特に曰くも報告も無い
パークの跡地が何かおかしな施設だったなど曰く付きの土地ではないようですし、他にもちゃんとした報告は見つかっていません。
子どもの幽霊の真偽について、心霊スポットと呼べるのかどうかは確実とは言えませんが、恐怖心が見せた幻なのではないでしょうか。
廃墟となったテーマパークは少なくない
「ウェスタン村」だけではなく、廃墟と化してしまったテーマパークは全国各地にあります。
同じ様に経営難に陥ってしまい、解体する事も取り戻す事もできないまま放置されてしまった「廃テーマパーク」について考えてみましょう。
寂れたままの遊園地
遊園地として開園したものの、入場者数が減ってきて稼働されなくなっていくアトラクションたちを見ていると悲しい気持ちになります。
稼働しなくなり、メンテナンスもされなくなってしまうと、錆が浮き出てきて余計に切なくなるのではないでしょうか。
人工物と自然とが融合
人工物と絡み合う自然が廃墟の楽しみのポイントでもあるでしょう。自然とガラクタとの融合はアートとしても海外では注目を集めています。