今でも終わらないタイヤネックレス
自由と権利を勝ち取る手段としての、大義名分をもって執り行われていたタイヤネックレスは、今でも、復讐や私的な制裁の手段として、形を変えることなく、残り続けています。まさしく「負の遺産」であると言うことができます。
南アフリカ以外の国にも波及したタイヤネックレス
1980年代の南アフリカ共和国で生まれたタイヤネックレスは、その方法が世界中に知れ渡ると、他の国でも執り行われる事例ができます。多くの場合が、市民や反体制団体または、反社会的勢力の、制裁や報復の手段として実行されたもののようです。
コートジボワールで大学生が強盗をリンチに
1990年代の初頭、コートジボワールのアビジャンの大学生らが住む寮に、強盗が押し入りました。学生らは、自分たちの手で強盗を捕らえ、タイヤネックレスの刑を執行しました。地元警察はその様子を見守ることしかできなかったそうです。
ナイジェリアにてイスラム教徒の怒りによって
2006年9月、ナイジェリアで少なくとも1人が、タイヤネックレスにより死亡しました。預言者ムハンマドの風刺漫画が描かれたことに対し、イスラム教徒が抗議を激化させ、事態に及んだとのことです。
麻薬組織の報復手段として
ブラジル、リオデジャネイロのある麻薬組織は、報復や見せしめの手段としてタイヤネックレスを行っています。2002年6月、ブラジル人ジャーナリストのティム・ロペスは、スラム街の取材中にこの組織に拉致され、拷問を受けたのちタイヤネックレスにより殺害されたと伝えられています。
エンタメ作品の中に浸透するタイヤネックレス
タイヤネックレスはショッキングな行為ではありますが、それ故に、フィクションの中では観客の心を動揺させ、作品に惹きつける効果を発揮する材料ともなるようです。タイヤネックレスが行われるシーンがあるドラマやゲーム、漫画を紹介します。
海外ドラマの悪役が使う
アメリカの刑事ドラマ『ザ・シールド〜ルール無用の警察バッジ〜』のセカンドシーズンにて、劇中、悪役のメキシコ人兄弟が、敵対する2人の若者を殺す手段として、タイヤネックレスを使いました。
人気ゲームの1シーンで
ミリタリー系シューティングゲームとして人気の高い『コール・オブ・デューティ:モダン・ウォーフェア3』の中に、敵勢力が村人をタイヤネックレスで処刑するという場面があります。ちなみに、プレイヤーの行動次第では、村人を救うことが可能です。