拷問器具?苦悩の梨とは
「苦悩の梨」と言う言葉を聞いて皆さまは何を連想するでしょうか。何かの芸術作品のように感じる人もいるかもしれません。ただ、苦悩と言う言葉と梨という言葉から、爆弾などの兵器を思い浮かべる方もいるかもしれません。実は、遠い昔に使用されていた人に苦痛を与える道具の名前です。いつ頃にどこで、主に使用されていたものなのでしょうか。
苦悩の梨は中世ヨーロッパの拷問器具
この拷問をする器具が使われていたのは、歴史上では中世と呼ばれていた時代です。当時のヨーロッパでは、多くの拷問が実行されていました。また、さまざまな人々が冤罪や魔女狩りなどで殺されてしまった時代でもあります。その中でも、この果物を模した装置はインパクトのある恐ろしさがありました。
見た目は洋梨のような形
一見平和的で生命力を与えるようなポジティブなイメージのあるものフルーツが、おそろしい使い道がある物の名前に使われています。このようなギャップは、人の心理により一層恐ろしさを与えることもあります。画像からもわかるように、一見芸術作品にも見えるような印象も受けます。
苦悩の梨の使い方は?
見た目からは、恐ろしさを感じさせないようなこの器具は、実際にどうやって対象者に使用するのでしょうか。また、人体のどのような部位に使用していくのでしょうか。想像するだけで顔をしかめてしまったり、鳥肌が立つかもしれません。想像力が強い方や、刺激の強い内容なので、ご覧になりたい方は注意して閲覧するようお願いします。
ネジを回すことで徐々に果実が開いていく
昔のものらしくネジを回すことで、変化していいきます。ネジを回すと梨状のものが次第に広がっていくという仕組みになっています。ボタン一つで、動き出すよりもネジでじわじわと動かしていくことで、より対象者の恐怖を痛みとともに煽っていきます。次に拡張していくことによって、具体的にどのような部分に効き目があるご説明していきます。
口や肛門に使用し体を内部から破壊していく
主に、女性器や肛門などの穴のあるところに差し込み、中で広がっていきます。このような表現だけだと、どちらかというと性的嗜好の一種にも見えますが、実際はそのような快楽を得るために作られてるものではなく、激痛を与えるものです。また、穴のあるところに使用できる点からも口に挿入して使用するケースもありました。
苦悩の梨は誰に使用されたのか
先ほどの説明からもわかるように、特殊な拷問器具と言えます。性器や口や肛門など、センシティブな部分に使用されます。これが使用される対象者はどのようなものでも良いというわけでなく、限られた人々に使われました。どのような人々が、この犠牲になってしまったのでしょうか。また、罪状によっても使い方が変わってきます。
神への冒涜行為や売春行為、同性愛者に使用された
前述の通り、膣や肛門に使用されていたという点から、誰に使うか予測できた方もいるかもしれません。その部分を使用して犯した罪は、その部分に使用して罰を与えるという思考から生まれたとも言えます。なので、売春行為や同性愛者へ主に使用されました。中には、神を冒涜したという理由でも使われていました。
罪の内容によって使用場所が変わる
先ほど述べた通り、多くは売春行為や同性愛者へ行う拷問だったので、それに対応した部位に対して行われました。売春行為をした女性の場合は膣に、同性愛者の場合は肛門を使った性行為をする場合が多いのでその場合は肛門に、神への冒涜などの場合は口に挿入しました。口に差し込む場合は、口答えもさせることができないという効果がありました。
苦悩の梨は飢えさせるため・自白のために使われたことも
性的な部分に使用されることを主としてましたが、ある目的でも使われていました。果たしてどのような目的で使われたのでしょうか。そして、その目的の場合は人体の部位のどこに苦悩の梨を用いたかについても述べていきます。このやり方は、とても効果絶大で、肉体的にも心理的にもとても人間を追い詰めることができると言えます。
口に使用して飢えさせる
苦悩の梨は痛みを与えるという使い方だけでなく、口に使用する場合にはよりさまざまな効果がありました。前述のように口答えを防ぐだけでなく、そのまま使用することによって、より食欲を煽り飢えを感じさせる絶望感を与えるという効果もありました。余計、口を意識せざるを得ない状況下では人の苦しみは倍増します。
徐々に苦しめるため自白させるには最適
苦悩の梨を外してももらえれば、食べ物を食すことができるという環境下の中でずっと我慢することはとても至難の業です。自白さえしてしまえば、解放されるというゴールが見えている以上、いつまでも耐えるのは難しいです。どんなに我慢強い人でも空腹を耐えるのはこたえますし、自白させるという点においてとても有効な拷問器具と言えます。
苦悩の梨は現代でも使われている?
この拷問はいつの時代まで続いたのでしょうか、もしくは今の時代でも国によっては行われている拷問なのでしょうか。中世ヨーロッパ発祥の拷問ですが、実は近代社会である現在でも苦悩の梨は存在しています。はたして、どのようなシチュエーションで使われているのでしょうか。一般の人は入手するのが可能なのかについても言及していきます。
拷問用としては18世紀まで使用された
拷問を目的とした器具として開発されましたが、拷問という目的では採用されていたのは、18世紀まででした。文明の進歩が飛躍的にのび始めた18世紀には、すたれていきました。さらに、拷問者が簡易的に行えるよう技術の粋を施した拷問のやり方が生まれたきたからなのか、倫理的な観点からなくなっていったのかは、定かではありません。
現代ではSM用として使用されることも
現代においては、拷問で使われることはないですが、性的嗜好のための道具として使われることはあります。特に、加虐性愛や被虐性愛を持つもの俗にいうSMの世界では、苦悩の梨を使用してプレイを行う人々もいます。構造上、無理な使い方をすると危険ですので、ご使用する場合はしっかりと把握した上で使用する必要があります。
ヤフオクに出品されていたことも
18世紀までに使われていたものではなく金属加工の職人の方がレプリカとして売り出したことがありました。実際中世に使用されていたものは博物館などでしか見ることができないそうです。博物館と言えば静岡にある少年少女博物館をご存知でしょうか。拷問の世界とはまた違いますが怪しい世界観に興味がある方は是非こちらの記事もご覧ください。
実際に苦悩の梨を使ってみた人の感想は?
世の中には現に今の時代に使用した人々もいます。彼らは、この器具を使用してみてどのように感じたのでしょうか。経験していない人から見れば、想像することしかできませんが、それでも充分えもいわれぬ感覚に襲われてしまうかもしれません。ほとんどの人々は、仮に興味があったとしても実際に行う気にはならないといえます。
生涯味わうことの無い恐怖
苦悩の梨を口に使用した人の話では、口が裂けてしまうほどまで拡張はしなかったようですが、経験したことのないような恐怖と恥辱を味わったそうです。口が開きっぱなしのこともあり、当然ものを飲み込むことも出来ないので、よだれが垂れ流し状態になったそうです。唾液が絶えずでることから、より淫靡な雰囲気を醸し出しているととも言えます。
本当は使われなかった?苦悩の梨の問題点
ここまで、おどろおどろしい詳細をご説明してきましたが、実は構造的に欠陥があったともいわれています。まだ、中世ヨーロッパという技術も発展段階の時代でもあり、想像している効果や遂行する上では、実はとても困難だったのではという推測もあります。どのような点で問題があったのか、1,2点ほどあげてご説明していきます。
当時の技術では強度が確保できない?
身体を痛めつけるどころか、当時の技術では器具の方が壊れてしまうのではないかと言われています。また、より拷問に特化させるのであれば表面を滑らかにするよりは、凹凸があったり、棘があったほうが良いのではという声もあがっています。なので、実際のところは単に自白をさせるための脅しに使われていたのではないという説もあります。
開いた苦悩の梨は元に戻らない?
さらに苦悩の梨は、部位によっては内側の肉を挟んでしまうため、開いたままもとに戻らないのではないかという指摘もあがっています。また、そうなると体の中で広がったままになってしまうので、自白したところで抜けなくなってしまうのではとも言われています。実際、自白に追い詰められる段階の頃には相当広がってる可能性があります。
苦悩の梨の他にもある!残酷な拷問器具
苦悩の梨だけでも十分恐ろしいですが、他にもたくさんの拷問器具があります。ここでは代表的なものからマイナーなものまで述べていきます。拷問器具に関しては、ネーミングもユニークなものが多く、名前からは想像するのが難しいものがたくさん存在しています。どれも残酷で恐ろしいものばかりですが、いくつかこれからご紹介していきます。
ファラリスの雄牛
拷問器具でも最も残酷で名高いものですが、実際はほぼ処刑器具です。真鍮製の牛を模したもので、中が空洞になっていて広さは人が一人は入れるくらいになっています。そこに人を入れて、外から火を焚き中を熱くします。中でもだえ苦しぬ人の声を変換して牛の唸り声のように聞かせる演出まで施されている残虐すぎる設計までされています。
さらに悪趣味な趣向
牛の中で焼き殺されたものの遺体は、高温で熱せられることにより最終的に宝石のような骨をなってしまいます。それを、アクセサリーであるブレスレットとして使っていました。製作者のぺりロスは、支配者ファラリスの残虐の指示により、この装置の最初の犠牲者になりました。皮肉にも最後の犠牲者は、ファラリス自身だったとも言われています。
異端者のフォーク
文字通りに宗教がらみのもので中世ヨーロッパで使われていました。反カトリック教の立場の者に使用されました。画像のように両端がフォークの先のような形になっていて、対象者の首にとりつけます。基本的には対象者がカトリック教会に対して批判的な発言をしたことに対して、その発言を撤回するまで装置を外すことが許されないという代物です。
ネズミ拷問
古代の中国や中世ではドイツで主に行われいました。色々なやり方があります、ここでは一例を紹介していきます。飢えているネズミたちを入れた容器を対象者の腹に設置し、容器上部を高熱で温めていきます。すると、ネズミたちは騒ぎ出しあたりかまわずかじり、熱さから逃れようとします。最終的には、対象者は腹をかじられまくって死に至ります。
スカフィズム
古代のぺリシャで行われていました。対象者へ牛乳とハチミツを無理やり摂取させて、下痢に陥らせます。そして、身体にハチミツを塗られてボートに縛り付けて漂流させます。自身の排泄物とハチミツの為、虫に群がれながら死を迎えるという地獄のような拷問です。こちらの記事でより詳しく触れていますので、興味ある方はご覧ください。
ユダのゆりかご
拷問装置の中には、凌辱と残虐さを兼ね備えたものが多いです。その中でも有名なものの一つに「ユダのゆりかご」があります。対象者を、辱めを与える意味でも裸にして縛り付けた状態で吊るし、その下に鋭く尖ったビラミッドのような形の台座を設置します。そして、尖った部分を肛門などに差し込み、徐々に自身の重みで苦痛を与えていきます。
棺拷問
拷問装置でもあり死刑装置でもある、用途によって使い分ける拘束具です。罪の深さによって拘束する日数を決めて使用します。とても重い罪で死刑に処す場合は、炎天下の下で拘束されるだけでなく肉食の獣とともに放置され、身動きの取れない状態で食い殺されるという恐ろしい死刑装置に変貌します。神への冒涜行為などは特に重い罪になりました。
拷問棚
人体を引っ張る色々な拷問が存在していました。対象者の腕と足をローラーに取り付けられたロープで縛ります。中央にハンドルがついていて、それを回すと上下に引っ張られるように互いに逆にの向きに上下のローラが回転します。ハンドルを回し続けると、身体のいろんな部位の骨が脱臼していきます。最終的には身体自体を引き裂いてしまいます。
スコールド・ブライドル
口を封じる拷問器具はたくさんありますが、こちらはスコットランドで使用されていた拷問マスクです。スコールドとは、がみがみいう女性のことを指す意味があります。ブライドルは、馬などに使用する手綱を意味します。口やかましい女性に使用する猿ぐつわのようなイメージです。口に当たる部分にはトゲがついており、話すのを困難にさせます。
拷問椅子
拷問をイメージする上で、真っ先にトゲついた椅子を思い浮かべるかたも少なくはないです。多種多様なバリエーションがありますが、基本的に座る部分や背もたれの部分にたくさんのトゲが付いてるものが代表的と言えます。現代では、電流が流れるものなどもあり、椅子を使った拷問のスタイルは廃れることがなく、継続して使われています。