ブレストとは乳房、リッパーは引き裂くという意味があります。中世のドイツでは、特に不倫をしてしまった女性に行われた拷問でした。この鉄製の装置を熱したり、もしくは凍らせて、対象者の乳房に固定します。そして、掴みながら引っ張り乳房をもぎとっていまうという、想像するだけで寒気がする、凌辱というよりとても痛々しい拷問です。
ヘッド・クラッシャー
中世のヨーロッパ全土で使われていた、メジャーな拷問器具です。装置上部のヘルメット状の部分に頭頂部を設置し、装置の下部にアゴをのせて頭蓋骨を破壊する目的で作られたと言われています。しかし、この装置の構造では顎が先に砕けてしまうのではという説があります。なので死に至らない程度に苦痛を与える装置ではないかとも言われています。
鉄の処女
名前のインパクトも強い、とても有名な拷問装置です。拷問装置がたくさんあるドイツで中世に使われていたと伝えられているものです。内部にたくさんのトゲがある、印象的な外観の装置です。名前の「処女」とは処女受胎をした、キリスト教の聖母マリアにちなんで名づけられました。
実際に使われいたか疑問
ヨーロッパのたくさんの博物館で観ることができ、日本の明治大学博物館にも収められています。とても知名度があるものですが、実は現在では「鉄の処女」が実際に使用されていたかは専門家の間では疑問視されています。大概は小説に基づく情報ばかりで、公的な記録や資料などがまるでないのも理由の一つです。
ノコリギ
シンプルで、とても残虐さが際立つ拷問です。中世ではどこの地域でも行われていました。理由は、ノコギリさえあれば行いやすいためです。対象者は逆さづりにされて、股の間からノコギリを引かれて、切り裂かれて死に至りました。対象者にノコギリを引くのを実行する側にとっても、通常の神経では行い難いものだったことが容易にうかがえます。
鉄環絞首・ガローテ
こちらは、なんとつい最近とも言える1978年までスペインの公式な処刑するための器具として使われていました。対象者を窒息させて殺します。椅子に座らせて、対象者の首に鉄でできた首輪をつけ、背後からその首輪を締めあげて、呼吸をできなくてして殺します。
「サルバドールの朝」
スペインで実際に起きた事件を元に作成された映画です。反政府活動をしているサルバドールという青年が、活動するための資金を得るため銀行強盗を繰り返します。そして、逮捕される時にも警官を射殺しました。最終的に死刑を宣告され、鉄環絞首を使って処刑されるます。こちらで、ガローテがどのようなものか見ることができます。
スペインのくすぐり装置
別名「猫の肉球」とも呼ばれている金属で作られた、熊手のような形をした拷問道具です。ネーミングは、「くすぐり」と言う言葉が使われていますが、全くそんなかわいらしいものではありません。犠牲者の体全体の肌を鋭利な刃物で傷つけるだけでなく、筋肉や骨に至るまでダメージを与えるという、とても痛々しい恐ろしい代物です。
皮剥ぎ
皮を剥ぐ文化は古くから存在していました。有名なところでは、勇猛な遊牧民で有名なスキタイなどは人の皮を剥いで衣服にしていた者もいました。古代の大国アッシリアでも、敵にあたる人々の皮を剥いで城壁に吊るすことで、外敵に対して脅威を示したりもしました。皮を剥ぐ行為はわかりやすく他者に対して恐れをいだかせるのに特に効果的でした。
車裂き
中世でも代表的な拷問に「車裂き」があります。大きな車輪に対象者を括り付けて、拷問者が鉄製の大きなハンマーを振り下ろして、四肢を砕きます。今では考えられないですが、当時民衆たちは、この行いを見世物としてとらえており、嬉々として見物するものもいるぐらいでした。また、粉砕した後に車輪に括り付けるなど色々なパターンがあります。
凌遅
主に中国や朝鮮で行われた拷問、もしくは処刑方法です。人の所業とは思えない程のとても残虐なやり方です。犠牲者の身体を徐々にとても長い時間をかけて、切断していき、逃れようない苦痛を永遠と与えていきます。たくさんの歴史上の有名な人物たちがこの刑に処されました。中国では、清王朝の時代まで何人もの人が「凌遅」の犠牲になりました。
親指ネジ締め
人は足の指と手の指に刺激を加えられると、耐え難い痛みを感じます。コンパクトで持ち運びに便利で効果が絶大な器具です。作りもシンプルで、ネジを回すことによって親指を締めあげていくという単純なやり方なので、誰でも容易に恐怖と苦痛を感じてしまいます。拷問を与える者は、ゆっくりじわじわと対象者の指を締めあげて、恐怖を煽ります。
ひざ分裂器
特に取り調べなどや、自白をさせる際に用いられて拷問道具です。ひざだけでなく、関節なども締め上げて破壊するために使用されていました。死に至る可能性が低く、それでいて激痛を与えるという点においても、取り調べなどには最適な道具と言えます。こちらも、基本的にはゆっくりと圧力をかけていき、心身ともにプレッシャーをかけていきます。
ザ・ブーツ
中世の拷問大国としても名を馳せたスペインで行われていた拷問です。鉄や木で作られた長靴を対象者に履かせます。そして罪の重さだけ靴の中にクサビを打ち込まれます。軽い罪なら4本、重い罪なら8本などの規定があったそうです。痛みの想像がしづらいですが恐ろしい激痛を味わうそうです。また骨折してしまう者もいるほどの破壊力があります。
クロコダイルの大バサミ
特に王の暗殺を企て者などに使用されて拷問道具です。「大バサミ」という名前がついてるだけあって用途は切断することです。おもに指や男性器や睾丸などの切断に用いられました。形は挟みこむ部分がワニを模した形をしていて、ハサミの刃に当たる部分はワニの歯のようなギザギザな形状をしていました。通常のハサミと使用の仕方はほぼ同じです。
日本にもある!残酷な拷問器具
他の国のものだけでなく、ここでは日本で存在した拷問器具をクローズアップしていきます。平和なイメージの強い日本でも、やはり海外の話だけでなくもちろん残酷でおそろしい拷問が多数ありました。みなさまなはどの拷問がもっともおそろしく、経験したないと思うでしょうか。前述の海外の多種多様な拷問と合わせて、ご覧ください。
石抱
時代劇や書物などで、囚人などがこの拷問を受けているのを目にしたこともあるかもしれません。犠牲者は正座をさせられて、太ももに重たい石を載せられます。また正座をしている板には、三角形の形をしているギザギザついていました。正座してももの上に重い石を乗っけられるだけでもきついのに、さらに下からも脛に耐え難い苦痛を与えられます。
鋸引仕置き
拷問というよりは、残虐な処刑方法として知られています。頭だけが地面から出るように埋められて、ノコギリで首を切られるという刑です。特に日本ではもっとも恐ろしい処刑方法だったともいわれています。ただし実際に行われたのは一度だけと言われています。しかも実行者は戦国時代に第六天魔王の名で世を震撼させた、あの「織田信長」でした。
磔柱
古代ローマの剣闘士たちの戦闘の観戦や中世ヨーロッパの車裂きが見世物であったように、日本でも同じく命を扱った娯楽が存在してました。それは日本でも広く知れ渡ってる罪人の磔を見物することです。磔における処刑の仕方は、何十回も槍で突かれて殺されたり、磔の柱の下に藁など備えて火をつけて火あぶりにするなどの多様な形式がありました。
海老責め
先ほどの石抱という苦しい拷問がありましたが、それにも屈することがないものなどに実行されたさらに厳しい拷問になります。独特の縄の締め方をして、罪人を海老のような形にします。最初は大したことはないのですが、30分経過したあたりから何とも耐え難い苦痛を感じます。そして、箒尻という棒による打撃も与えられ二重の苦しみを受けます。
現在でも行われていると言われている拷問
拷問と言うと、大昔の話のように感じますが、今でも一部の拷問が実行されています。どのようなものが存在するでしょうか。原始的というより、近代らしい、科学や生物学の観点からの人の追い詰め方を追求していった結果、採用されているといった印象を受けるかもしれません。どちらにしても、大多数の人は嫌がる者ばかりと言えます。
睡眠剥奪
まず最大180時間隔離する必要があります。その間、窮屈な姿勢を取らされ続けたり、立ったままの状態を維持させられたりします。時には、睡眠を取れないために幻覚などに苛まれることになったりもします。精神的な拷問は特には、肉体的にダメージを与える以上の苦痛を与えることもできます。現代でも尋問をする際に採用している国もあります。
ホワイトトーチャー
中東周辺の国の特に政治犯などに対して使用されたり、CIAでも採用されている拷問です。やり方は、五感をさまざまな方法で遮断して、精神的に追い詰めていきます。時には、ハイテクノロジーの機器を使用して、味覚や触覚、嗅覚、さらに重力すら感じさせなくして追い詰めます。人間の心理状態に、想像以上のダメージを与えることができます。
薬物の使用
情報を引き出すために向精神薬などを使い、精神的な苦痛を与えたり、不安にさせたり、金縛りのような状態にしたり、精神的な混乱を促したりして、屈服させるために用います。中東のある地域では、依存性のある薬物を投与して、禁断症状からの解放を餌に対象者を服従させ、言うことを聞かせるように仕向けるために薬物を使用したりもします。
さまざまな拷問映画
これまでいろいろな拷問の仕方をご説明してきましたが、映画の世界でもたくさんの拷問を扱った作品があります。ご興味のある方は、こちらを参考に拷問を表現した映画をご鑑賞してみてはいかがでしょうか。どれも目を覆うばかりのグロテスクなシーンが多く、とても刺激が強いので、鑑賞する際は心してみることをおすすめします。
「マーターズ」
監禁されて暴行を受けた少女が決死のおもいで脱出し、その次々と復讐を果たす作品です。終盤に差し掛かると、ほぼ拷問シーンばかりがでてくるというショッキングな展開になっています。特筆する部分は、麻酔も使わずに、意識を保ったまま皮を剥がされていくというとても痛い痛しいシーンです。
「オールド・ボーイ」
こちらも監禁から生還から復讐を行っていく物語です。釘を抜くためのハンマーで歯を抜いていくシーンは必見です。歯の痛みと言うのは、人間が感じる痛みの中でも特に強力な痛みだと言われてます。また、日用にあるものを使って拷問していくさまは、よりリアリティがあり現実味を増して映画を見ているものに恐怖を与えます。
「ラプチャー破裂」
拷問ものの映画は、監禁されて始まるものが多いがこちらも監禁された女性が被害にあいます。先ほど、世界の拷問でねずみを使ったものを紹介しましたが、生き物を使った拷問というのは人によってはとても鳥肌が立ちます。拷問を受ける女性は蜘蛛がとても嫌いなのですが、そんな人に対してさまざまな方法で蜘蛛を使った拷問を行っていく作品です。
拷問と日本国憲法
日本では、現代拷問について法的にはどのように関わっているのでしょうか。江戸時代などの昔とは違い倫理観や価値観も大幅に変わった現在において日本国憲法と照らし合わせながら見ていきます。そこには、驚愕の事実が存在していました。より平和な世の中になったとも言えます。また、拷問について混同しがちな注意点についても述べていきます。
拷問による自白は無効
今の日本において、憲法では公務員による拷問は禁止されています。また、拷問によって入手した自白は証拠にならないと定められています。そして、唯一憲法の中で「絶対」という言葉を用いて、拷問を禁止しています。ここまで強調されて書かれていることからもわかるように、日本国家が拷問を拒絶しようとしている意識の高さがうかがえます。
死刑と拷問は違う
混同しまいがちですが、拷問という言葉は厳密には、魔女裁判での拷問のような処刑を目的したものではなく、取り調べのさえに自白を促すために行われるている行為の上で行われるものです。なので、刑事罰はまた別の話になります。国によって罰として鞭打ちに処したり、死刑なので罰を与えるというものは拷問という括りには当てはまりません。
現代にはない拷問器具について知ろう
拷問は、中世にあたる時代が資料として多くあります。また、近代においては文明の進歩や倫理観の整備によって、非人道的な拷問は減少しました。苦悩の梨のような現代では信じられないような拷問が、昔は当然のように行われて、たくさんの犠牲者がでました。拷問の痛ましさをふまえて、改めて人の尊さについて考えてみてはいかがでしょうか。