いけず石とは?京都人の意地悪すぎる悪習?法律違反になることも?

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誰しも一度は、「京都人の言葉をそのまま鵜呑みにしてはいけない」と耳にしたことがあるのではないでしょうか。本音を隠して建前を重んじる、京都人ならではの言い回しから、「いけず」な文化に触れてみましょう。

「お茶はいかがですか?」

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「お茶をもう一杯いかがですか?」と聞かれたら「いただきます」と言ってしまいそうですが、相手が京都の人であれば注意が必要です。こう尋ねられたら「早く帰れ」と思われています。他にもコーヒーやおしぼりを勧められる場合もあるので、空気を読んでおいとますることをおすすめします。

「ぶぶ漬け」

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「ぶぶ漬けたべなはれ」と言われたら、こちらも「帰れ」の合図です。もともとは「京茶漬け」や「京のぶぶ茶漬け」という落語から来た話で、すすめられたお客がいくら待ったところでぶぶ漬けは出してもらえません。それどころか、「無粋な人どすな」とばかにされてしまうのです。言葉の通りに受け取らないことが賢明でしょう。

京都文化がわかるかも!おすすめ京都漫画と本

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雅さの裏に隠された京都人のしたたかさは、数多くの作品で取り上げられてきました。京都出身者だからこそ描くことができる京都文化の漫画と本、そしてニッチないけず石を取り上げた本もご紹介します。京都の見方が180度変わるかもしれません。

「はんなりギロリの頼子さん」

はんなりギロリの頼子さん 1巻

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あさのゆきこさんによる「はんなりギロリの頼子さん」です。ウェブコミック配信サイト『WEBコミックぜにょん』で連載しています。京都出身の作者ならではの視点で京都のいけず文化も描かれています。

主人公は煙草屋を営む頼子さん。人見知りでギロリとした目付きの頼子さんですが、性格は京都愛に溢れたおせっかい焼き。頼子さんは訪れた人々に京都の魅力を伝えます。
こちらは京都出身のAKB48横山由依さん主演でテレビドラマ化もされています。

京都内の差別意識が明るみに?!「京都ぎらい」

京都ぎらい (朝日新書)

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著者の井上章一さんは、京都生まれでありながら、京都のことを好きになれません。京都では中心市街地を洛中(らくちゅう)と呼び、それ以外を洛外(らくがい)と呼びます。

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著者の生まれた左京区の嵯峨は、いわゆる洛外。端から見れば皆同じ京都府民ですが、京都人と名乗れるのは洛中だけで、洛外は洛中から見下されている空気があります。

京都人は洛外の人々を「よそさん」扱い、東京や大阪から来た店を「外資系」と呼ぶなど、驚きのエピソードが盛りだくさんです。

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大胆なタイトルで注目され、誰しもが心の奥にしまいこんでいた京都への不満を見事に書き表してあることから、「京都ぎらい」はベストセラーになりました。京都の「裏の顔」がたっぷりと楽しめる一冊です。

ニッチないけず石の同人誌「いけず石観察手帖」

サークル名「醤油こぼすと染みになる」のむむ@白熱日本酒教室2巻3/9発売( @mu_mu_)さんによる、いけず石の同人誌です。マニア心をくすぐるフルカラー24ページもありながら、頒布価格は500円と大変お得な一冊です。

ご自身のTwitterでは、「#いけず石観察手帖」 のハッシュタグで、魅力的ないけず石の画像も投稿されています。全国の同人誌即売会やネット通販で購入ができます。

個性が光る!いけず石コレクション

古き良き景観を損なわないため、同系色の建物でまとめている京都の中で、異彩を放ついけず石も数多く存在します。旅の目的のひとつに、珍しいいけず石探しはいかがでしょうか。

インスタ映えスポット風いけず石

黄色に黒が鮮やかなドット柄のいけず石です。香川県直島のシンボル、草間彌生さんの「黄かぼちゃ」を彷彿とさせるデザインです。インスタ映えも狙えそうですが、あくまで私有地なので撮影にはご注意ください。

古代文明と古都の文化が融合いけず石

こちらは所在地不明ですが、古代エジプトのツタンカーメンの如き配色で、一際目立ついけず石です。古代文明と京都の文化が見事に融合しました。ファラオの呪いを恐れ、ドライバーもハンドルを握る手に力が入りそうです。

見つけたらラッキー?宝船いけず石

関東にはデザイン性に富んだいけず石があります。龍のまわりに小判が散り、「宝」とまで書かれていては、ぶつかった方が縁起が良い気がしてきます。

もはや石じゃない!こんなものまで?珍いけず石

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ごつごつした石の時代は終わり。敷地内に入ってくるのを邪魔できれば、もはや石でなくても良いのです。最後に、時代とともに変化を遂げた?変わり種の「いけず石」をご紹介します。一家にひとつ、インテリア感覚で置いてみるのはいかがでしょうか。

アート感覚な「いけず棒」

こちらはスティックタイプで登場です。丸みを帯びた造形が、まさに現代アートのようです。お洒落な美術館の一角に置かれていても遜色ありません。しかしいけず石としての仕事はしっかりとこなしています。つい車を降りて観賞したくなる一品です。

ちょうど良い?「いけず電子レンジ」

こちらは都内に設置されたという、二度見必至「電子レンジいけず石」です。四角く無駄のない形は未来のいけず石の理想像と言えるかもしれません。モダンという表現を超えた前衛的な発想に、いけず石とは気付かず持ち帰ってしまう人も出てきそうです。

京都らしい風習「いけず石」

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京都発祥のいけず石は私有地であれば違法でなく、長い歴史から生まれた暮らしの知恵でした。いけずな性格と言われている京都人は京都愛が強く、他との棲み分けをしながら伝統を守り続けています。京都を旅する際は、ひっそりと街に溶け込んだ、いけず石を探してみてください。

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