首都圏において、新鮮なイサザを手に入れるのは難しいと思うはずです。死んだイサザは味が落ちてしまいます。しかし、今の時代、なんと通信販売で買うことができるのです。水と酸素を注入し、風船状の袋で届けられます。2割程は死んでしまうそうですが、熱を通す調理法で食べることができます。
イサザの値段は?
50gで100匹ほど入った袋が冷蔵でも冷凍でもなく、常温で届けられます。楽天市場によると、送料別、税込2,160円で購入することができます(2018年10月14日時点)。決して安くはありませんが、現地で入手できない方も手軽にイサザを楽しむことができます。ただし、配送が2日以上かかる地域は購入不可なので要注意です。
イサザ漁は春の風物詩
イサザ漁の時期
冒頭でも触れましたが、イサザ漁は産卵期となる早春に行われます。地域によって、その時期にズレはありますが、旬となる2月から3月頃から始まります。これから春が来るのを感じさせるイサザ漁は春の風物詩として認識されています。
イサザ漁の道具と方法
漁では四ツ手網という四角い網を使います。この網は石川県などでは「ほうちょう」と呼ばれています。岸辺に設置した足場から網を川に沈め、イサザの群が網の上を通ったタイミングで網をあげる素朴な手法です。地域によっては川にあらかじめ網を張っておき、追い込み漁のような手法もとられています。
釣りの餌にもなるイサザ
イサザの用途は食用だけじゃない
イサザは生き餌としても重宝されています。イサザを模したワームもあります。冷凍された釣り用のイサザもありますが、生き餌の方が効果的だそうです。主に、春メバル、ガシラ、アイナメなど、1月から3月頃の魚を釣るときに用いられるようで、警戒心の強い大型のメバルには絶大の効果があるそうです。
イサザの飼育の仕方
イサザの飼育は超困難!?
透明な身体の美しさを鑑賞したい、釣りの餌として繁殖させたい人はイサザを飼育しようとします。しかし、イサザは寿命が約1年であること、卵を産むと死んでしまうということから、飼育は極めて難しいとされています。また、川で孵化し、海に出て、産卵期に川に戻るという生態に適する環境を水槽で作り出すことは不可能に近いと言われています。
イサザは絶滅危惧種!?
数の減少傾向にあるイサザ
踊り食いをはじめとする食事や釣りを楽しむための餌に用いられるイサザですが、年々、その数は減少しています。2015年3月の時点で、全国29箇所の都道府県で絶滅危惧種に指定されています。国が定めるレッドリストにおいても絶滅危惧Ⅱ類となっています。
絶滅危惧種となる原因
減少している主な原因は環境破壊と言われています。河川、海洋の汚染は川と海を往来するイサザにとって、生息環境に大きな影響を与えると考えられています。また、現在研究が進んではいるものの、飼育、養殖が極端に難しいことも、数が減っている理由として挙げられます。
イサザに宿る寄生虫の危険性
イサザに宿る寄生虫
踊り食いで有名なイサザですが、生食による寄生虫の危険はないのでしょうか。実は、イサザには寄生虫がいる可能性があります。万が一寄生虫を摂食しても、症状は重いものではないのですが、注意するに越したことはないでしょう。ここでは寄生虫について紹介していきます。
アニキサスは日本での感染報告第1位
寄生虫による感染の報告はアニキサスが最多となっています。サケやサバ、アジ、カツオなどに多く見られ、感染すると激しい腹痛や下痢や嘔吐に襲われます。魚の内臓に寄生する傾向があるので、内臓を生食しない、または冷凍、加熱することが対処法となっています。
イサザには横川吸虫が寄生
日本での感染報告第2位となっているのが横川吸虫です。そして、イサザにはこの寄生虫がいる可能性があります。淡水魚に寄生する特徴があり、感染すると軽度の下痢になります。症状自体は軽いため、自覚症状のない例が多く見られるそうです。
イサザの踊り食いは危険?
イサザに潜む寄生虫の危険性を問うなら、まず危険は少ないと言ってよいでしょう。死に至ることもないですし、食物連鎖の面でも、寄生虫を宿す確率も低いと言えるでしょう。また、踊り食いは量も多く食べることはないので、安心して楽しんでも良いと考えられます。
イサザは楽しみ方がたくさん!
イサザの分別ができると一目置かれる?
琵琶湖固有種のイサザとシロウオであるイサザ、この2種を混同している人もたくさんいます。また、シロウオとシラウオを間違える人もいます。シラウオはキュウリウオ目シラウオ科であり、ハゼ科ではありません。似ていますが、この3種を見分けられると、通の人から感心されます。
イサザの楽しみ方
イサザの事について紹介してきましたが、この知識はウンチクとして使っている人もいるそうです。食用としては踊り食いをはじめ、様々な料理に。釣り好きの人には餌として大活躍するイサザ。色々な使い方ができるイサザを次に訪れる春に、ぜひ楽しんでみてはいかがでしょうか。